ポク太郎です。
先日から調べてたプレイステーション3コントローラの内部回路。その目的は、慣れ親しんだ有線接続パッドを無線化すること。
大変な苦労の末、遂に天面6ボタンHORIファイティングコマンダー2wayの無線化に成功いたしました。単なる乗っ取り回路で、PS3パッドDS3の回路に繋げただけですが。
それでも操作性・反応性は十分でテストプレイにてレベル8豪鬼を倒してやりました(動画アリ)。
DS3回路乗っ取りHORIパッド繋ぐ
たくさんかき集めたジャンク品プレステ3パッド。

その中の1つを潰しHORIパッドに繋げます。こんな感じで背中におんぶさせようかなと構想。
潰したのはリンク先で言うとこのタイプA。最も扱いにくい初期型と思われる型番です。
DS3の内部回路と必要な改造処理
上のリンク先で調べたプレステ3パッドの内部回路はこう。
解放時の1.73Vより低い電圧を入れてやれば、ボタン=ONと認識→ボタンを0Ωショートに変更した場合、COMの電圧は解放時2.8V、押下時0V→入力範囲が0~電源電圧なのでIC破損もせず正常動作可能。
以降に、以下の作業内容を書き連ねます。
②HORIパッド側のジャンクション部作成とジャンピング。
③プレステ3パッドとHORIパッドを結合。
④動作確認のため、レベル8豪鬼を討伐しに行きました。
改造部材と環境
やろうとしてるのは「HORIパッドを無線化してWindowsパソコンに接続する(PS3にも同じく繋がりますが)」。その必要部材や環境は、
0 | パッド | 改造用に潰すプレステ3パッドx1 HORIパッドx1 |
1 | 抵抗 | 6.2KΩx2(COM信号分圧用)、5.1KΩ程度の抵抗x2(アナログ端子処理用分圧抵抗) |
2 | スイッチ | タクトスイッチx1(PSボタン用) |
3 | コネクタ | 17ピン以上のコネクタxオス・メス1セット |
4 | 配線 | ジャンパー各種(内部配線用青ジャン、ケーブル用ジャンパー) スミチューブx10㎝(今回はΦ6㎜を使用) |
5 | 基板 | ユニバーサル基板x1~2枚 |
6 | 貼物 | 固定用両面テープ・スポンジゴム少々 |
1 | 環境 | ScpToolKitまたは相当の無線接続ドライバをインストールしたWindowsパソコン またはプレイステーション3 |
2 | 工具類 | 半田ごて、半田、テスター、ワイヤーストリッパー、パターンカッター、ピンセット、ニッパー、ドライバ、紙ヤスリ(目が細かいの)、ヤスリ |
プレステ3パッド回路から不要品除いてジャンピング~①
こちらがプレステ3パッドの回路部分。まずプリント基板上でゴロゴロした邪魔なのを取り除きます。
モータとアナログスティック除去
邪魔者No1はモータ。端子から外すだけです。ただし、そのまま通電するのでパッド同士がショートしてないことは確認要。解放状態が正解。
次の邪魔者はアナログスティック。実装部品の構造が分からず除去にかなりてこずります。
コツは「磁気センサを上のようにバキッと外し先に取り除く」→そうすると、後は金属ケースの足4本+タクトスイッチの足x4本だけ半田ごてで懸命に溶かしていくだけでなんとか外せます。
知っておくべきは→「アナログスティック底面の黒い樹脂で全部一体化されてる」→なので「金属ケースとタクトスイッチは同時に外さないと抜けない」。
んで、出力に当たる2ピンづつを分圧抵抗で端子処理。繋がる先はアナログ入力ピンの筈なので不要にも思えますが念のため一応2.8V÷2=1.4Vで固定しておきます。
フレキの接点から各ボタン信号ジャンピング
ゲームのコントローラとはたくさんのボタンを擁します。プレステ3パッドの場合、上 下 右 左 □ × ○ △ SL ST L1 L2 R1 R2+PSボタン。それら全部繋がないと機能しません。
その配線のため、適当な大きさに調整したユニバーサル基板を貼り付け土台とします。コネクタやHORIパッドには無いPSボタン用のタクトスイッチも付けないといけないのでね。
フレキとの接点から信号を取り出すことにしました。コーティングされた黒鉛系の導電物質を目の細かい紙ヤスリで
擦り、半田が乗るよう銅パッドを露出させます。そこへ全部の信号線を怒涛のジャンピング。真ん中に見えるタクトスイッチがPSボタンです。
プレステ3パッドから出す信号は全部で14本+COM_L・COM_C・COM_Rの3本=計17本。(電源とPSボタンはHORIパッドまで持って行く必要無し。上の回路図参照。)
できたら、各ボタンの信号線とCOM_L・COM_C・COM_Rにそれぞれショートさせて、しっかり反応することをパソコンのドライバ画面を利用して確認しておきます。
出来上がったら外部に飛び出すケーブル部分をスミチューブでまとめます。
1 | モータ除去 | 端子は解放状態でOK。 |
2 | アナログスティック除去 | 先に磁気センサ除去してから全体除去。金属ケースとタクトスイッチは一体化されてるので一緒に外す。 一応分圧抵抗にて入力端子の保護実施。5.1KΩx2個使ったが大きい定数の抵抗ならOK。余ってるなら6.2KΩx2個使ってもいいし。 |
3 | 土台整備 | 20本の信号線をジャンピングするのでその環境作り。 |
4 | 接続先確保 | フレキに繋がる接触部分を目の細かい紙ヤスリでコーティング除去。 |
5 | ジャンピング | 回路図を見ながら、COM_L・COM_C・COM_Rと6.2KΩの配線+PSボタン配線+コネクタへのジャンピング。 |
6 | チェックと保護 | 動作確認とスミチューブによるケーブル保護。 |
HORIパッド側のジャンピングと実装回路~②
HORIパッド側改造向けにジャンクション基板作成
こちらにも多数の信号線がつながるのでまずその土台を作ってやります。
必要な信号線は17本。
相当分のユニバーサル基板を切り出しヤスリで周囲をキレイに→各島にジャンパー線を巻き付けて17コの端子を作り、ジャンクション基板とします。こうしとくと作業しやすいし壊れにくいし。
HORIパッド背面樹脂の柱に干渉しない位置を狙って強力両面テープで貼り付けておきます。
HORIパッドのパターン加工とジャンピング
こちらがHORIパッドの基板。デジタルパッドでは普通全ボタンの片側はGNDベタ、プレステ3パッドでは別信号→COM_L・COM_C・COM_Rに分離しないといけません。
パターンカッターを使って配線を形成してやります。
離れ小島となってしまうL1はCOM_Lに繋がるべき信号。仕方ないので、島を分離させCOM_Lにジャンピング、それによりCOM_Rが分断するのでそこもジャンピングで実現します。
特記事項です→プレステ3パッドは抵抗の分圧値で押され具合を判定するので、HORIパッド上のICを介して発生する十数KΩの抵抗分が動作に影響を与えます。
なので、全信号パターンカットするか、HORIパッド上のICを除去する必要があります。
それをした上、パターンカッターで各信号のレジストを剥がしカット・半田付けを施し、ちまちまちまちまジャンピングしていった結果が下。
HORIパッド背面樹脂の柱に踏まれないよう線の配置気にしながら。幾度となく背面樹脂組み合わせ&干渉確認しながら。ちまちまちまちま。
7 | 土台作り | ジャンクション基板の作成。必要な端子数は17本。 |
8 | パターン形成 | GNDベタからCOM_L・COM_C・COM_Rに配線作り替え。 |
9 | 配線 | 全パターンカットorHORIパッド上のIC取り外し。 |
10 | ジャンピング | 各信号線に繋がる銅パッド、無ければレジスト剥がしてそこからジャンクション基板にジャンピング。 |
プレステ3とHORIパッドの結合~③
上記でプレステ3パッド・HORIパッド両方の内部は出来上がったので、次はそれを連結。辻褄の合うよう敗戦で繋げます。
両パッド結合の配線半田付け作業
とりあえず、ケーブルを当て込んでみた様子。コレら17本の線を長さ調整しながら1本1本半田付けしていくことになります。テスターでどれがどの線か確認しながら。
そのちまちま作業を終えたのがこちら。全信号がつながり、背面樹脂が正確に閉まることまで確認します。
完成!無線HORIファイティングコマンダー
出来上がった無線化改造HORIパッドがこちら。完成した瞬間に思い付いたイメージ元はこれだけど、バッテリーが結構重くてやっぱ固定しないと不安定。
んで、後ろにぐいっと折り曲げて、スポンジゴム経由で両面テープったのが以下。
この後、緩衝材入りの袋に入れた上で背面樹脂に貼り付けとか、壊れないための何かしらは必要だけど、とりあえずはこれで動作テストをしてみました。
11 | 結合 | プレステ3パッド・HORIパッド間の信号線17本をジャンピング。 |
12 | 固定 | プレステ3パッド側の回路とHORIパッドの背面樹脂を両面テープで固定。 |
無線HORIパッドでレベル8豪鬼を討伐してみる~④
何度かやり直したレベル8豪鬼。倒せなかった理由はゲームスピードがTURBO2固定だったから。動画ではTURBO1で討伐に向かいました。
ぁぁ~目に見えて迫ってきた老化現象…。
遂に実現した無線格闘ゲーム用パッド。単にスイッチ部分をプレステ3パッドに繋げただけですが、ようやくスーファミパッドで鍛えた昇竜拳を炸裂させられます。
まぁ、HORIパッド程度なら有線でもさほど邪魔にもなりませんが、次なるターゲットの練習用ってことで。
その次なるターゲットとはもちろんコイツネジコン。これが無線化できると文句無しなんだな。
ただし、コイツネジコンは可動式のコントローラ。かなり頑丈な構造にする必要があります。無線化部分をもっとコンパクトにして邪魔にならないよう工夫する必要があります。
上手く対処できるでしょうか。乞うご期待。
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