ポク太郎です。
スピーカ製作において一番難しいのはやっぱり塗装。時間も掛かるし、取り返しの付かない失敗もよく起きます。
見た目気にするのに構造用合板
バックロードホーンは大量の板を使用します。
さらに、現在の自分の思想は「板の共振を可能な限り排除」。そうやってホーンの形状を突き詰めています。そのために板厚も必要なので二枚重ねたり。
というわけで、大抵は12mm厚のサブロク板(1820mm x 910mm)を6枚以上使います。だから安くないとやってられないのです。
でも、構造用合板なるものは、床下、屋根下などの耐力が目的の板。スピーカ用途には向きません。
・強度の強い針葉樹で構成した合板なので抜けた節部分が空洞←望ましくない。
・通常目に見える部位に使う板でないので表面サカムケだらけ。
でも、作ったからには綺麗にしたいのです。※欠陥によるデメリットは黙認。
でも、重労働なので重い腰が更に重く。
でも、何とか取り掛かりました。
まずは欠陥埋め
ホームセンターに「木工用パテ」なるものが売っていますが、それだと塗装が載りません。完全な潰し塗りなら構いませんが、染色っぽくするのは無理。
そこで、この方法。
オガクズに木工用ボンドを練り込んでペースト状にして詰め込みます。
水性のボンドなので水を追加してもOK。表面より盛り上がるようしっかり詰め込みます。
ただ、こちらにも問題が。
ボンドは上記のように強力に固まりますので、そう簡単に盛り上がりを削れません。ヤスリでは無理。かといってカンナだと針葉樹の表面なのでサカムケを起こしてしまいます。
そんな場合に便利なのが石膏ボード用の工具『メントリーポケット-ツボエ』。
早い話が大根のおろし金。手が触れても安全な石膏ボード面取り用工具。ヤスリのように擦り動作で使用。これを利用します。
カンナのように刃で切る訳ではないので、いくら擦ってもサカムケになりません。ヤスリで取れる程度の傷が付くだけ。
サカムケにはならないけど、おろし金部分が1mm程浮き上がってるのでガリガリ削れます。
本来の使い方ではありませんが、カチカチのボンドをガリガリ削り取ってくれます。数百円で手に入るヤスリ以上、カンナ未満の便利な工具です。
このようにして、大きな欠陥をモリモリ状態→メントリーで平らに。形状を綺麗に整えます。
との粉でどこまでいけるかのぅ
使うのはこちら。
との粉とは、岩石を無理矢理風化させた粉。溶かすと泥のようになります。使い方は、
→塗る。
→水分が吸い込まれるまで若干待つ。
→スリスリ擦る。
一般的に使用するウェスはタオルやポロのようですが、すぐ破れるので私はジーンズの切れ端を使用します。
また、写真に写すのを忘れましたが、最初擦り込むときに使用するのは歯ブラシ。
との粉は塗ると、キズの中の空気が閉じ込められ泡になってしまいます。
このまま擦るより、傷の中まで塗らしてしまった方が効率がよいので塗った後すぐに歯ブラシでシャカシャカして濡らしてしまいます。
さぁ、との粉スリスリ作業です。
まずは木口をサラッと。
問題は平面部。
分かりますでしょうか、このサカムケだらけの板。
仕方ないので、気合を入れてスリスリ。木目に垂直にスリスリするとかなり埋まっていきます。すぐに乾いてしまうので、インジェクターで水分を注入しながらがんばります。
ハァハァハァハァ…。
スリスリ面は、
スリスリスリスリ………、
スリスリスリ……………、
しばらくすると、スリスリ面がこう変化します。
スリスリスリスリスリ………、
スリスリスリススリリスリ…………、
スリスリスリスリスリ……………、
スリスリ……………、
……………。
何とか終わった後、ハァハァ言いながらサンダーでヤスリがけ。
ここまで来たら#80とか荒いヤツでも何でもいい精神状態になっています。適当に選んだ番号の紙ヤスリをサンダーにセットしてブーン。
ちょっとは綺麗になったでしょうか…、ハァハァ…。
毎回サンダーとかで楽にできないものか考えますが、傷の部分に集中して力入れないといけないので上手くいかないんですよね。
なんにせよここで力尽きました。塗装は体力が回復してからになりそうです。回復に要するのは経験則から考えると約一ヶ月。
趣味DIY人間の毎回の自問自答は「ここまでして自分で作らにゃアカンのか?」
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