ポク太郎です。
ジジイブログへようこそ。どうしても話題にしたかった必見映画について語ります。
『ゲームオブスローンズ』を善しとする方ならわかるはず→「映画は採算性じゃない、手間暇掛けてこその名作。」
採算度外視観点で“名作”とお勧めする、古い古い映画を話題にします。映画てか“フィルム”て言い方が適当かも。人類の財産なので。
超有名なのでほとんどの方は視聴済とは思いますが、なにせ古い映画。もしかすると若年初老には知らない方も居るかもと。
“超”なんて修飾子使ったのどんだけぶりでしょう。こんな爺ブログに迷い込んだのも何かの縁。見たことない方は必見。
必見映画『コイサンマン』とは
飛行機から投げ捨てられたコーラの空き瓶をきっかけに、サン族コイサンマンが冒険を始める爆笑コメディ。アフリカ製作最大ヒットとなりました。
サン族はカラハリ砂漠に家族単位で生活する部族。主人公ニカウさんは映画公開と同時に世界中で知られる存在に。
来日もしており、日本のテレビ番組でムツゴロウさんと出演。
10年後の1990年には『The Gods Must Be Crazy II』。前作を踏襲しカラハリ砂漠に迷い込む各々が各々の目的のために大騒動。
非常に有名な映画ですが、何度見ても面白いので定期的に鑑賞してる映画です。二作目はマイナーとのことですが同じく爆笑ですよ。
『コイサンマン』シリーズの旧題と現題整理
『コイサンマン』シリーズは検索すると五作目まで見つかりますが、三作目以降は香港、中国が絡むので別物。
筆者は三作目以降に価値なしと判断してるので、ここで扱う『コイサンマン』シリーズとはジャミー・ユイス監督作品の一作目と二作目のみ。
下で述べますが、ジャミー・ユイス監督の特徴はチャカチャカチャカチャカとギャグ連発する手間暇掛けた映像。その監督作品の話題です。
また旧題の“ブッシュマン”表現が差別的、蔑視的呼び名てことで題名変更になっております。
旧タイトル | 現タイトル | |
一作目 1980年 |
日:『ミラクル・ワールド ブッシュマン』 | 日:『コイサンマン』 |
英:『The Gods Must Be Crazy』 | 英:←旧と同じ | |
二作目 1990年 |
日:『コイサンマン』 | 日:『コイサンマン2』 |
英:『The Gods Must Be Crazy II』 | 英:←旧と同じ |
ややこしいですが、結果的に二作目旧題と一作目現題が同一になってしまいました。
版権がまた難しくて、アメリカ・カナダ内はColumbia Pictures、他の地域では20th Century Foxとよくわからない状態になるほど古い作品。
見どころ~ジャミー・ユイス監督作品『The Gods Must Be Crazy』
一作目では、大自然の決まりに適応するサン族と、適応を拒否し曜日など自ら作った決まりに苦しむ都会人を対比。
日本人のイメージする“砂漠”は一面砂ですが、カラハリ砂漠は砂丘とサバンナの間位なので動物が多数登場→非常にのんびり。
ジャミー・ユイス監督は撮影済のシーンを速度変更&巻き戻し&コマ抜きで編集する達人。
のんびりした大自然の中、達人編集のギャグがチャカチャカ動き回ります。のんびり奔放なのか、慌しいチャカチャカなのかよくわからい不思議な映画。
当時の編集はフィルム切り貼りのみ。尚且つ、撮り直し→再編成→撮り直しを繰り返し完成まで4年。
ドキュメンタリータッチな映像&フィルム切り貼りは二作目も同様。
作品中、小型飛行機がパブオブという大木の上に着陸します。イメージに合う木を探し回ること1ヶ月→その後3年間そこで撮影テスト→落葉を待って撮影。
このように長い長い時間と膨大な手間暇を掛けて完成したコスパ悪すぎな作品。
大昔の映像なので当然ハイビジョンに非ず。それでも見たことない岩山や大木などは圧巻。ぼやけた画面比率4:3の映像でも十分見応えアリ。
また、サン族が最前面の物語ですが二作品とも主人公が二人、二グループ。加えてしつこく全パターン繰り返すギャグ。
少しややこしく内容を忘れやすい映画。なので何度観ても爆笑です。
一作目『コイサンマン』登場人物
サン族:カイ/Xi
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サン族: カイ |
俳優: ザウ・ゴマ/N!xau キToma←文字で書くとこうらしい。正確な文字はwikiで。 ナミビア人俳優。日本ではニカウ/Nixauさん。 |
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サン族の家長、というか大黒柱というか。
空から降ってきたコーラの空き瓶でトラブル発生。「神様うっかり落とした」と地の果てまで捨てに行く冒険へ旅立ちます。 ナミビア北部ボツワナ付近“ナイナイ”という場所で学校の庭師をしてたところをスカウト。生年月日不詳、パスポートにある日付は役人が適当に記入。 |
生物学者:ステイン/Steyn
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生物学者: アンドリュー・ステイン |
俳優: マリウス・ウェイヤーズ/Marius Weyers |
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もう一人の主人公アンドリュー・ステイン。女性が苦手で目前にすると思考停止。しつこくドジを繰り返す生物学者。
牧師さんの車が故障し、代理教師として赴任してきたミス・トンプソンを迎えに行くことになり大騒動。 「アイヤイヤイヤイアー…。」 真紅の下着を付ける過激な男性でもあります。 |
派遣教師:ミス・トンプソン/Miss Thompson
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赴任教師: ケイト・トンプソン |
俳優: サンドラ・プリンスロー/Sandra Prinsloo |
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都会のめまぐるしい生活に疲れ、カラハリの奥地へ赴任してきたヒロイン役教師。
迎えに来たのは大の女性苦手ステインさん。大変な目に会ってしまいます。 イラストは怪しいステインさんへの疑いのまなざし。てか顔赤くし過ぎた。 |
メカニック助手:プディ/Mpudi
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機械修理: プディ |
俳優: マイケル・サイス/Michael Thys |
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物質供給のないアフリカ奥地で自動車整備を行うステインさんの助手。
その昔、逃亡したカラハリ砂漠でサン族に助けられ一緒に生活。サン族の言葉が話せるので通訳を頼まれることも。 法治国家と常識違いなサン族のことをよく知る立場なので、カイ救助へ向かうことに。 |
ガイド:ジャック/Jack
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ツアーガイド: ジャック・ハインド |
俳優: ニック・ジャガー/Nic De Jager |
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アフリカのサバンナ動物ツアーのガイド。
整備の整ったバス所有。いいとこどりのプチ嫌な奴。 |
政治犯:サン・ボハ/Sam Boga
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隣国から逃亡してきた政治犯: サン・ボハ |
俳優: ロウ・ヴァーウェイ |
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隣国で政府要人暗殺事件を起こしカラハリ砂漠へ逃げ込んだ政治犯。この映画の悪役。
人質を取り軍を恐喝。巻き込まれたのは本映画のヒロイン役。 |
あらすじ~一作目『コイサンマン』
とはいえあらすじ見なきゃ信用できんという方向けに
内に。でも、読んで知るのは勿体無いでっせ。そんなサン族の元に飛行機からコーラの空きビン。「何だこれ?」
道具として使うと超超超便利。皆が独占欲。初めて感じる所有の概念。結果、始まったのは喧嘩。
コーラのビンを“邪悪なもの”とし、カイが地の果てまで捨てに行く旅へと出発しました。
一方、隣接するのは南アフリカの大都市。そこで日常に疲れ果てる女性ミス・トンプソン。応募したのはボツワナでの臨時教師募集の広告。
カラハリでは物資供給が困難。車なんぞ修理部品が入手不可。
車故障中の牧師さんに頼まれミス・トンプソンを迎えに行ったのは野生の生態を調査する生物学者ステイン。大の女性苦手。
ジープ壊れるわ、ジープ木にぶら下げるわで散々な目に合わせながら何とか学校まで送り届けました。
コーラのビン捨てる旅を続けるのはカイ。食事のため放牧中のヤギを捕まえ警察に逮捕→裁判→牢獄。
裁判時に通訳として招集されたのがステインの助手プディ。その昔、逃亡先でサン族に助けられ、サン族の常識、事情に詳しい方でした。
ステインとプディは責めても意味がないカイを保釈、大自然の専門家エコロジストとして雇いました。
そんな頃、隣国で事件。政府要人暗殺を企て逃亡した政治犯サン・ボハがボツワナ内に侵入。人質に取られたのはミス・トンプソンと子供らでした。
連れ去られる道中、人質集団を見渡せる丘の上に居たのは、たまたま生態調査中だったステイン、プディ、カイでした。
クライマックスは実際の映画でどうぞ。
二作目『コイサンマン2』登場人物
サン族:キコ/Xico
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サン族家長: キコ(前作はカイ) |
俳優: ザウ・ゴマ/N!xau キToma |
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前作とは名前は違うがニカウさん。
今回はアルーラの実が熟す季節。子供を連れ収穫に行った際にトラブル発生。不思議な事件を目撃→家へと帰した子供が途中で連れ去られてしまいます。 連れ去った足をぐるぐる回す動物を追いかけ、父親が延々と走り続けます。 |
キコの息子:キリ/Xiri
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サン族の坊や: キリ |
俳優: エイロス(サン族) |
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アルーラの実収穫に行きたがるキコの息子。
でもまだハイエナを追い払えない背丈。姉キサの説得もあり同行させてもらえることに。 |
キコの娘:キサ/Xisa
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しっかり姉さん: キサ |
俳優: ナディース(サン族) ※画像発見できず |
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弟の面倒は自分が見ると宣言し、子守役として付いてくるしっかり姉さん。
途中はぐれてしまった弟をちゃんと追いかけ困難があっても決して諦めません。 |
法学博士:アン・テイラー/Dr. Ann Taylor
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NYの法学博士: アン・テイラー |
俳優: レナ・ファルジア/Lena Farugia |
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ニューヨークで仕事をする法学博士。代理でアフリカのセミナーへ行かされます。
現地のツアーも断りセミナーの準備をしてたのに、安易なナンパに乗ってしまいトラブルに巻き込まれてしまいました。 |
動物学博士:スティーブン・マーシャル/Dr. Stephen Marshal
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動物学博士: スティーブン・マーシャル |
俳優: ハンス・ストリドム/Hans Strydom |
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現地で動物の生態を調査する動物学博士。
嵐到来の知らせを行き違いで聞き逃し、操縦した小型飛行機がカラハリに墜落。連れ添ったテイラー博士と砂漠内を徘徊することになります。 |
密猟者ボス:ビッグ・ベン/Big Ben
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密猟者: ビッグ・ベン |
俳優: ローレンス・スワンネポエル/Lourens Swanepoel ※画像発見できず |
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象牙の密猟者。今作の極悪人。
ほんわかコメディの定番は極悪人+マヌケな子分。ビッグ・ベンには下のマヌケ子分ジョージ。 |
密猟者:ジョージ/George
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密猟者: ジョージ |
俳優: ペリープレッツェン/Pierre Van Pletzen ※画像発見できず |
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ビッグ・ベンの子分。
ほんわかコメディ必須のマヌケ子分。本映画はジャミー・ユイス監督のチャカチャカコメディ。当然自分の足を撃ち抜く場面も健在。 人の良い優しい密猟者だが、前作の生物学者ステインさんと同様、真紅の下着を付ける過激な男性。 |
ボツワナ軍兵士:ティミ/Timi
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ボツワナ兵: ティミ |
俳優: トレジャー・チャバララ/Treasure Tshabalala ※画像発見できず |
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ボツワナ軍の兵士。正確にはどこの兵隊か不明。
この地に侵攻するのはキューバ軍。キューバ兵マテオとの主導権争い中、言葉の通じないカイが現れ窮地に陥ってしまいます。 |
キューバ兵:マテオ/Mateo
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キューバ兵: マテオ |
俳優: エリック・ボウエン/Erick Bowen ※画像発見できず |
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ティミに発見されるキューバ兵。
カストロ首相に騙されたと必死にキューバ帰還を目指すが、極度の方向音痴。 ティミ捕獲→捕獲される→捕獲→捕獲されるを繰り返し、漁夫の利を得た人物に二人とも捕獲。仲良く手を繋がされてしまいました。 |
あらすじ~二作目『コイサンマン2』
帰り道に死直前のゾウ発見。食べきれない肉を発見し方々へ知らせるため子供らを家へと帰します。
カラハリに居たのは象牙の密猟者。キリとキコは不思議な足跡=車輪跡を見つけトラック発見→タンク貨車内の大量の飲料水も発見。
見たことない量の水に二人は歓喜。が、トラックが動き出し連れ去られてしまいます。その後キコが子供二人の足跡消失に気付き後を追います。
変わってNY。アフリカで開催されるセミナーに代理出席を頼まれたのが法学博士テイラー。
現地入りしセミナー準備中にナンパ。小型飛行機で上空からサバンナの動物を遊覧していました。
着陸後、その場に居た動物学博士マーシャルに無線連絡→飛行機で戻ることに。機内はマーシャルとテイラー二人。
そこへ積乱雲→カラハリ砂漠内の大木の上に墜落。そこは人間を見たことがない動物だらけで救助も見込めず。
何とか飛行機を復旧するも動物にタイヤを噛まれてパンク。飛行機の底を破りマーシャルの駆け足で助走することにしました。
マーシャルから指示を受けるもテイラーは操縦音痴→マーシャル置き去りで一人で飛び立ってしまいました。
マーシャルは砂漠内を徒歩、テイラーもどこかに墜落。
この時ボツワナ内になぜかキューバ兵が侵攻していました。ボツワナ軍の兵士ティミが鉢合わせたのはキューバの方向音痴マテオ。
互いに銃を向け合い主導権争い。子供を追いかけるキコが通りかかりその様子を不思議そうに見物。
その後、キコは一人で居るテイラーを発見。挨拶し、おかしなやり取りをするティミとマテオ紹介。でも言葉が通じず。子供を追いかけるキコはサッサと立ち去ってしまいました。
銃を向け合うティミとマテオは互いにテイラーを人質。切れて銃を掴んだテイラーが二人の手を繋がせ従わせました。
子供を追わないといけないキコですが、今度は瀕死のマーシャル発見。応急処置後、テイラーに知らせに来ました。
やっとテイラーがマーシャルと合流。ティミとマテオは銃で脅したまま。
一方、密漁者のトラックに乗った子供は降車したものの姉キサと弟キリがはぐれていました。背丈が足りない弟キリはハイエナに狙われます。
岩場に隠れるキリを救ったのはあきらめず追いかけたしっかり姉さんキサでした。
この少し前に密漁者のトラックは方角違いに気付き逆走。
猛スピードのトラックを見つけたのが親キコ。必死に子供探し見てないか問いますが、密漁者が気にするのは荷台の象牙を見られたかどうか。
言葉の通じないキコを縛り荷台へ→目的地へ邁進してしまいました。
トラックに鉢合わせたのはジープに乗ったテイラー、マーシャル、ティミ、マテオ。修理部品を借りようとしただけですが、テイラーが縛られたキコ発見→混乱→全員が密漁者に縛られます。
密漁者ボスビッグ・ベンは無線連絡のため近くの丘へ。見張りを任されたジョージがヘマ→ジョージ含め全員逃亡。
この後クライマックス。実際の映画でどうぞ。
公開時の騒動と原題“ブッシュマン”表記について
事実に則してないと当時は非難の的
当時既にサン族はTシャツ姿でギターを弾く普通の人でした。ニカウさんも喫煙者。生年月日不明と話題になりますが、先進国では考えられないて程度。
なので、大ヒットはするも、嘘を世界に広めたと本映画に批判が集まったそうです。
映画内では大自然に順応しトラブルなしで生きる、て描写ですが、サン族の生活はかなり困窮してた模様。それで映画に。
公開後、ニカウさんは世界中から出演要請を受け飛び回ることになりますが、それだけカラハリが認知されても一向に生活は改善せず。
DVDの特典映像では、ニカウさんが何だか詐欺の被害者のようにコメントをしてるのが印象に残ります。
少し遅れて変化。1990年以降保護区に指定され観光客が来るように。ソーラーパネル設置、コンピュータも。学校にあるのはSONYのノートパソコンVAIO。
子供の書いたアルファベットはアメリカ人とは比べものにならない綺麗な字。
資料がないので『コイサンマン』映像特典中のスクリーンショットです。
引用:『コイサンマン』DVD映像特典
結果をどう捉えるかですが、事実と異なる映画は、
それとも、
●爆発的認知が要因で世界中から灼熱のカラハリ観光へ訪れるようになったのか、
この辺は判断が難しいところです。
ニカウさんは、2003年推定59歳時、薪を拾いに行った先で吐血し亡くなってたそうです。結核だった模様。
サン族に囲まれ盛大な葬儀で見送られました。賛否両論あったにせよサン族の英雄として映像に残り、永遠に語り継がれます。
“ブッシュマン”表記について
検索すると旧題『ミラクル・ワールド ブッシュマン』の表記。
当時は“ブッシュマン”。ご存知の方は多いかと思いますが、差別・蔑視的な表現てことで現在は“コイサンマン”。コイサン語族という言語に起因した呼び名へ。
“エスキモー”等と同じく日本人は語源を知らないので負の印象を全く持ちませんが、知った以降はちゃんとしましょう。
他文化に接する際は相手の尊厳を守り尊重し国の代表として接する、それが日本人でっせ。
Amazonプライムは配信停止、レンタルしか
中古、レンタル落ちDVDを扱う店舗はあるものの価格は高騰。手軽なのはレンタルしか。
あまりに古く版権が難しい作品なことから、供給が保証されなくなる可能性も。
こんな名作を見逃したなんてことにならぬよう、時間を見つけたら視聴することをおススメ致します。
どうしても過去の大ヒット名作を話題にしたかった爺ブロガー。やっと実現できて満足です。
ついでに写真が見つからない『コイサンマン2』登場人物のスクリーンショットも貼っておきます。
引用:『コイサンマン2/The Gods Must Be Crazy II』
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