ポク太郎です。
立体図作成CADSketchUp。日本人から見ると操作の概念が意味不明。が、その既成概念をぶっ壊し素早い描画を可能にしたヒットアプリ。
自分の感覚を勝手に“日本人”と一般化してますが、SketchUpにおいてまず混乱する「どうしたらええの?」のポイントに着目し解説。最初のとっつきにくさを解消します。
てか、記憶の彼方状態で触ろうとした際に、自分が混乱に陥る&思い出すべきポイントを列挙したもの。
1. SketchUpの独特なCAD操作 ~概念
が、SketchUpではわざわざ2次元への投射を行いません。
②「SketchUpではスナップ機能を利用することでXY、YZ、ZX投射面表示を省略。」
例えばXY平面上に何かを描き、3次元の物体とする操作は、
(セッティング)モニタの面とXY平面がほぼ平行になるよう表示回転

→(描画)2次元の図形を描く
⇒3次元図形とするため、少しだけ斜めに再度回転

操作の特性②「線・図形を伸ばす、縮める等の操作は数値入力orスナップさせる必要あり。でないと正確な入力不能。」
なので、SketchUpでまず頭に入れるべき2点。以下を 。
- 表示回転
ツールで都合の良い角度に回転。
- 主にメジャー
使用したスナップポイントの作成。
因みに、軸はX…青、Y…緑、Z…赤。軸の色は覚える必要なし。
概念的にわかりやすい『もでりんクラウド』も存在するが
上で書いたように、日本人にわかりやすいのは3方向からの平面図を入力するとXYZ空間内に3次元立体表示してくれるもの。
その概念で設計されたCADツールも存在します。名前は、ゼットソーシリーズで有名なノコギリメーカー=岡田金属工業製の『もでりんクラウド』。
昔は商品『ソーガイド』の付録でしたが、現在はメールアドレスだけ準備しそのサイトの「MOKURAKU会員」に登録さえすれば無料で使用可。使い方を解説する動画もYoutubeに。
ただし、ポク太郎がこの便利な『もでりんクラウド』を使用しない理由は、部品の角同士はスナップできるがグリッドに対してスナップできないから。(将来、改善されるかもだが。)
その辺りの操作に余計に時間が掛かることが判明し、最終的に『SketchUp』を選択しました。
概念的にわかりやすい『もでりんクラウド』より、わかりにくい概念を克服して使う『SketchUp』の方がより簡単に、より速く図面が描けると理解したから。
“より簡単”てのが重要ポイント。腰が重くなっては最重要な図面を描かなくなる事態が起きます。
以下に、その『SketchUp』のわかりにくい概念に対処するための説明を連ねます。
2. 3Dモデル形状を表現するためのツール ~操作
四角形、円
、六角形
、線
描画ツールで目的の図形を描く最初の第一歩は一目瞭然なので、下の4. SketchUp実例動画参照すればOK。
とっつきにくいのは、それらを目的通りコピー、回転させる手段や方法。他のCADでは一般的に装飾キーを利用しますが、SketchUpでは装飾キーの意味が少し異なります。
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表示回転…操作:マウスドラッグ
立体を見る方向変更。
コツ:遠くを掴んで大きく回す∴マウスのポインタが2次元表示なので正確に伝えられるように。 |
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表示移動…操作:マウスドラッグ
表示範囲の上下左右位置変更。
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表示最適化…操作:押すだけ
カメラ位置をリセット。∴何度も動かすとカメラが立体内部に入り込むことがあるので。
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メジャー…操作:測定点選択→(移動させて左クリック、または、数値入力+ENTER)
スナップポイント作成のため。
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移動…操作:対象を選択→(移動させて左クリック、または、数値入力+ENTER)
選択した立体の移動、Ctrlキーを押すと複製。
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回転…操作:対象の面を選択→初期の角度選択→(回転角度選んで左クリック、または、数値入力+ENTER)
選択した立体を選択した面内で回転。
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プッシュプル…平面選択→(距離決めて左クリック、または、数値入力+ENTER)
立体を垂直方向に太く、細く。凸ます、凹ます。
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フォローミー…図形Aに沿って移動させた図形Bがかたどった軌跡。
例えば、円の外周に沿って円を回すとドーナツ形状。
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装飾キー | 一般的な意味他のソフト | SketchUpでの意味 |
Shift | 水平・垂直、45°・90°回転等キリよく指定。 押しながらマウスホイールで水平移動等。 |
左クリックに対し:![]() マウスホイールに対し:なし |
Ctrl | 複製指定。 押しながらマウスホイールで拡大縮小等。 |
左クリックに対し:![]() マウスホイールに対し:なし |
Alt | 押しながらマウスホイールで垂直移動等。 | 左クリックに対し:![]() マウスホイールに対し:なし |
3. 忘れてしまう特殊な操作 ~選択
独特な“記述対象選びのクセ”
上述のように、「投射面をある程度正面に表示すれば、その面にスナップされる」
また、既に描いた平面・曲面が存在すると、描こうとするものがその面にスナップしてしまうので、個人的なTips。
●既に描いた部品は細かくグループ化。
●いづれかの軸に沿い、自分で憶えやすい大きな距離(1000㎜、1000m等)移動させておく。
独特な“選択手順のクセ”
上述のように、「描いた物体の複数選択は装飾キーのShiftとCtrl」。
以下は混乱必至なので、覚えないといけない操作特性。
◆マウスで左からドラッグして選択
…その選択範囲に“全体が内包された部品”が選択
◆マウスで右からドラッグして選択
…その選択範囲に“一部でも入れられた部品”が選択
4. ワッシャー、ナット、各種ボルト立体図 ~実例動画
4-0. インポート機能説明 -3軸回転用基準面作成
ここでまず作る“3軸回転用基準面”とはポク太郎のやり方。
作った部品は別の設計図に「インポート」して使用しますが大抵は回転が必要→どの軸に対してもすぐ回転作業できるようあらかじめ3平面を合体させた部品を準備しておきます。
まずはその部品の作成。XY、YZ、ZXの3平面を重ね.skpファイルとして保存。
4-1. 平面描いて引っ張り出す -ワッシャー、ナット
作業動画内ではまず、上で作成した“3軸回転用基準面”を「インポート」し原点に設置&邪魔なので遠方へ。これは以降全部のモデルで同様。
ここから本題。一番簡単な構造ワッシャー、ナット。
〇円から円を抜き出したのがワッシャー
〇六角形から円を抜き出したのがナット。
動画見ながら以下二つのミソを確認。「数値による入力」と「プッシュプルの常識」。
四角形、円
、六角形
、線
で平面図形を描きます。描画状態で方向だけ示したままマウス放ったらかし→キーボード入力すると右下枠に表示→ENTERで決定。
SketchUpでは「外形の線」「内部の面」が基本部品。プッシュプルツールで垂直に引っ張り出す対象は「内部の面」。なので「内部の面」が消されてる場合は引っ張り出せず。
4-2. 立体図同士を結合 -M6六角頭ボルト
六角柱の一面に円を描き、プッシュプルツールでニョキっと引っ張り出します。
4-3. 曲面と立体の交差 -皿ネジ、丸頭ボルト
円の中央にドライバの穴=“十字の窪み”を形成します。一本一本線を描き引っ張る前に不要な線を削除。邪魔な外形線は基本消さないとダメ。
皿ネジ部分の円錐。円に垂直な図形を描き、フォローミーツールでそれをクリック→追従したい図形(今は円)の外周をなぞります。
ボルトとの連結は「交差」。円錐部分と円柱をぶつけその稜線?を描きます。図形を選択の上、「編集-交差-モデルと交差」→稜線?が形成されたら不要な線を削除。
丸頭ボルトの方は少しだけ応用編。完全な半球でなく平面でブッた切り。上記の「交差」を使います。
4-4. 不均衡な部位の作り方 -蝶ボルト
これは応用編。
回転用の平面をわざと交差させ左右対称の図形を作ろうとしています。こーいう目的のためにも小マメなグループ化はおススメ。
動画でも手間取っていますが、フォローミーツール使用時は変な線分が残ってると外形がカバーされなくなります。キチッとした絵を描いた上、邪魔な蝶部分を遠方に。
面倒くさがると尚更時間が掛かる例です。
5. 記事内容SketchUpのクセ最初の関門 ~まとめ
概念と操作 | 「スナップを利用しながら、3D空間に平面を描き、引っ張り出して立体を描く。」 スナップを有効に利用するため、表示回転 ![]() 【注意】何もない場所でマウスホイール動かすと無限遠方に拡大。他は操作系の説明表へ。 |
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選択 | 【対象選択のためのTips】 ●細かくグループ化。 ●軸に沿って憶えやすい大距離移動させ退避。 【選択操作の決まり】 ◆マウスのドラッグ方向で選択方法異なる。 …左から:内包された部品選択、右から:一部でも選ばれた部品選択。 |
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実例 | インポート | 【Tips】3軸に垂直な平面を立体に付属させておくと便利 |
引っ張り出す | 部品の基本構成は「外形の線」「内部の面」。 立体を作るにはプッシュプル ![]() |
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立体の結合 | 片方の立体の1平面に形状描いてプッシュプル![]() |
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円錐など | 垂直な図形描いてフォローミー![]() |
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曲面との交差 | 立体同士の交錯線=稜線?は交差コマンドで作成。 | |
不均衡な部位作成 | 不要な線分削除、不用品の移動を面倒くさがらず。 |
1 | ファイル-保存 | SketchUpのモデルを保存します。 Windowsでの拡張子は「.skp」。 |
2 | ファイル-インポート-(取り込みたい図形.skp) | 別ファイルの内容を取り込みます。 ※「コンポーネント」定義については別途。今は別ファイルをそのまま取り込み。 |
3 | 表示-面スタイル-X線 | 3D空間が表示されますが、内部が見える透視図面として表示する場合に。 |
4 | 編集-交差-モデルと交差(右クリック内にも同コマンドアリ) | 二つのモデルがぶつかった稜線?と描くための機能。ぶつけた状態で稜線?を付けたい立体を選択し本コマンド実行。 |
5 | 右クリック -グループを作成 -分解 |
描いた立体を一塊にするための機能。 誤って形状を壊さないよう小マメに実行するのがコツ。 |
便利な3D-CADソフト、googleさん、TrimbleさんのSketchUp。独特故に長期間使わないと思い出すのに時間が掛かります。
という訳で、SketchUpを引っ張り出して気になった場合には本投稿に追記・修正し、順次ブラッシュアップして行きたいと思います。
つまり、ポク太郎の忘備録。
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