肖像権、パブリシティ権、著作権|有名人の似顔絵ブログ運営立場から権利侵害の可能性を再確認

ポク太郎です。

有名人の似顔絵を使って高難度ドラマ『ゲームオブスローンズ』を話題にしたブログを書いております。

が、Webサイトでの画像の使用や、有名人の似顔絵に対する権利でいつも頭が混乱。

こっちの法律で問題なし、あっちでは侵害など、法律はややこしいのでその辺りも注意してチェック。自分用のメモです。


クリア必達な種々の権利

他人様について表現する、ネタにするわけですから“他人様の種々の権利”を守らねばなりません。

規定する法律はたくさんあり、利用する側は当然それ全部をクリアする必要があります。

ここでいう“他人様”とは芸能人著名人スポーツ選手などの“私人”を指しています。政治家などの税金を主な収入とする“公人”の場合は国民側に「知る権利」があるので扱いが特殊になります。
侵害してはいけない“他人様”の権利
1 肖像権 “機械的に記録した”肖像、写真などに描かれた人物は、描かれた人物側に肖像権が存在します。
2 人格的権利 描かれた人物は人格的に守られる権利を保有します。名誉権、プライバシー権として権利が存在。
3 パブリシティ権 有名人などは商業的価値が存在。有名人自身がその価値を独占できる権利を保有。
4 著作権 “著作物”を生成した作者に付与される権利。生み出された瞬間から発生し、文章、フレーズ、物語、絵、写真の構図、映像、プログラム、他もろもろに。
すべてクリアして初めて合法。

似顔絵と肖像権

やはり参考になるのは法律事務所のページ。

以下は、上記に対する自分の理解。主にイラスト系似顔絵の扱いやブログ運営における著作物に注目しています。

「被写体を機械的に記録」は肖像権の侵害

リンク先1項は『肖像権の侵害』。写真などが該当。

ただし、リンク先2項『イラスト似顔絵の特殊性』によると、“絵画”と表現される“肖像画”も含まれる場合も←人間の手で行われる機械的な記録。

これは参考。
一般人の場合にも誰なのか判別可能な場合は肖像権の侵害と判断するのが一般的

これは余談。
写真を撮った撮影者の著作権も存在。それを“肖像画”として丸写しすると著作権侵害の恐れ。被写体でなく撮影者の著作権です。

なので、風景や建物の配置、他物品の構図なども肖像画として丸写しすると撮影者に対する著作権侵害となります。

イラスト的な似顔絵は特殊な扱い

イラスト似顔絵”は“肖像画”とは異なり、作者の主観的、技術的作用が介在する似顔絵。ありのままの公表ではないので扱いが特殊で明確な線引きが困難。

表現の自由が認められ肖像権侵害には直接該当しない。が、人格的権利として別の権利と有名人だけが保有する特別な権利が存在。

名誉権とプライバシー権

被写体となる人物の名誉は守らなければなりません。またプライバシーを暴露するなどはもっての他。

例が絵ではなくものまねですが、研ナオコ美川憲一八代亜紀岩崎宏美野口五郎青江三奈、他大勢の被害者たち。

あれがTV放送できる理由は被写体となった大物の度量、売名用の許容。訴えればコロッケ清水アキラの営業差し止め可と思う。(予想)

だって野口五郎はステージ上で鼻糞食べないもの。頭動かせるの世界に一人だけなので誰の真似でもない筈。

爆笑させ話題にできる程の芸人なら被写体となる大物側にも大メリットだし問題ともならず。が、単なる一般人である本サイト運営者の場合は話が違い、冗談にはならないので真剣に。

有名人の商業的権利=パブリシティ権

芸能人・有名人は商業的価値が存在。無断での商用利用はパブリシティ権の権利侵害。

ここが“イラスト似顔絵”の要注意点。

イラスト似顔絵”は“肖像画”とは異なるので直接肖像権の侵害には当たらず。
イラスト似顔絵”であっても無断での販売は肖像権の侵害でなく)パブリシティ権の侵害
【注】着目してるのは“法律”。「“訳の分からないサイトに大丈夫て書いてあった”なんぞ通用しない」と分かってるから“法律”を調べてる点を忘れずに。

○「ばれないから大丈夫」“田舎町の商売が知れることなし”頼み。でも現在はSNS常識のネット時代。
○「訴えられる訳ないから大丈夫」“人気商売側の「小物相手に…」との好感度下落回避の意図”頼み。
○「法律違反でないから大丈夫」←調べてるのはコレ。

イラスト似顔絵”=「どんな描き方であれ“有名人の誰々と分かること”に価値がある絵。」

つまりはその被写体の存在に依存。“存在の利用”なのでパブリシティ権の侵害。有名人の商業的価値は当然有名人本人が独占できるもの。

見てる側が勝手に親近感を覚え「応援のため」と勘違いしてしまうが、キャラクター商品(ここではイラスト似顔絵を販売した時点で、商売を邪魔・イメージ戦略を狂わす敵に。

有名人側「マネジメントのプロに任せてんだから勝手なことすんなよ。」

人気商売なので悪意のない相手を問答無用に排除しないだろうし、得と判断するなら許諾するはず。なので商用利用したいなら許可申請。“無断で”は言語道断。

力関係も存在、でも決定権は権利元

本項は肖像権人格権パブリシティ権著作権全部に関わる話。実情がどうで、なぜ今法律を調べてるのかを整理します。

当然力関係も存在

表にまとめるため、権利者側が極端に弱いパターンの例。

内容は俳優ユージン・サイモンさんが私ポク太郎が描いた似顔絵をInstagram上で発信してくれたもの。この場合、ポク太郎が著作権者

上記はInstagramの規約に沿うものなので事前連絡なしでも法律上の問題一切無し。更にはこっちが喜んでる→ポク太郎。

例え話で、仮にユージン・サイモンさんがご自身のホームページ上に転載すれば著作権法違反ってことに。

転載先が日本国内のサーバと仮定した場合。海外の場合は日本国が加盟するパリ条約などの国際条約で規定されるルールが適用されます。

が、仮に無断転載したとしても全く問題にならず。理由は、

ユージン・サイモン=世界中にファンが居るイケメン俳優
○著作権者ポク太郎=誰も知らないくっさいジジイ

⇒ポク太郎「やってくれ!やってくれ!日付遡って全許諾してたことにするから!」←こうなる。

これがまさに有名人の商業的価値ってことにも。

また、上記は例え話ですが万が一転載するにしても必ず著作権者に許諾依頼の連絡を行うはず。だって俳優業の周囲はその道のプロだもん。

でも決定権は権利元~現実と法律

上で出てきたいくつかのパターンを表にまとめると、

訴えられないケースと決定権の在処
↑権利者側に決定権↓ 1 ばれない ローカルな商売。
でも現在SNS当たり前社会。
2 権利者側の方がダメージ大で見逃される ローカルな商売。
3 権利者側のメリット大で見逃される 美川憲一に注目集めたコロッケとか。弱小似顔絵師歓迎して好感度狙う方もいるかも。
4 権利者側弱すぎで歓迎される ポク太郎の例。
5 法律を守ってるので文句言われない ←調べてるのはコレ

1~4番は権利者側の一存、保証されるのは5番だけ。だから現在“法律”を調べてることを忘れずに。

特に有名人とは他人の真似・寄生することを嫌い“己”を主張し大成した人物。周囲はマネジメントで稼ぐプロ事務所。腹をくくれば法律で阻止。イラスト似顔絵ではないが以下例。

  • 矢沢B吉北海道でのライブ差し止め…矢沢B吉を紹介した大昔のテレビ番組。
  • ものまね芸人石山琉大ニュース…ややこしいが矢沢氏が提訴、否定されたまね側も逆訴訟した案件。芸能ニュースなので感情論混入してるが。
  • 矢沢永吉パチンコ肖像事件…結果は原告永ちゃん側敗訴。でも永ちゃんはこーいうの許さない。

こちらは肖像権郷ひろみに似てる「ケンタ君人形」が肖像権侵害で訴訟を起こされ敗訴(1977年~1980年)。つまり酷似してれば肖像権が認められたていう結構すごい判例。

タイムリーな話題は著作権。『鬼滅の刃』のキャラを描いたケーキを無許可販売してたケーキ屋が書類送検(2021年)

ツイッターでの反応を見るとこんな感じ。これら分かってない方々がバンバンSNSで広める訳ですから、現在のネット時代にバレないことを想定してもほぼ無理。

次は要注意なパプリシティ権の詳細。

要注意は有名人が保有するパブリシティ権

被写体となる人物の名誉を守るのは当然。それはクリアしたとして問題は上記のパブリシティ権パプリシティ権についてはここが分かりやすい。

ただし、早合点してはいけない点は「著作権とは別物」てポイント。

パブリシティ権と著作権は別物

上記リンク先に「Webページに写真を貼っても、本文との関連性が認められればパプリシティ権の侵害には当らず。」とあります。

が、その前に自分の著作物でなければ著作権法の複製権公衆送信権の侵害パプリシティ権とは別の権利。

著作権法においては引用は認められるが、写真内のお城の構造を論じる、何かを論じるため付けてる髪飾りを指し示すためなど、必要最低限だけ。

著作者により画像が公開されてるなら可能だが、そうでなければ加工が必要=複製権・公衆送信権をクリアできない→動画の場合、実質引用は不可能

こことか参考→咲くやこの花法律事務所-ネットの画像や原稿を引用する際の正しい方法

以降はパプリシティ権侵害の具体例。

パブリシティ権侵害-独立鑑賞対象型

例えば芸能人自体を鑑賞する目的のもの、ファンが勝手に写真展を開くなどはパプリシティ権の侵害。イラスト似顔絵は表現の鑑賞になるのでドンピシャではない。

パブリシティ権侵害-キャラクター商品

勝手に利用すれば当然パプリシティ権の侵害。

似顔絵の話をすると、皆が誰だか分かるから有名人を描くわけで、それを販売すると侵害。上で挙げた肖像画でなくともイラスト似顔絵でも該当。肖像権でなくパプリシティ権の侵害。

プロの似顔絵師が「芸能人と一緒のシーンを」とお客さんに依頼され、その芸能人に無断で販売すると侵害。なので真っ当な似顔絵師の場合は頼んでも受けてくれない。

グレーゾーンは“芸能人のイラスト”そのものの販売でなく自分の絵はこうと伝えるため展示するもの。集客目的にもなり得るので侵害とされる場合も。

パブリシティ権侵害-広告型

商品やサービスの広告において、勝手に有名人の名前や肖像を利用する場合。「この人が常連さん、この人ご愛用」などと印象付けるものが該当。

この方が来店しました!と店内に事実を伝える張り紙程度ならまだしも、吹聴するように宣伝するのは侵害。

このブログは広告が貼ってあり一応商業利用。イラストや何かの販売は行っておらず。

似てもない似顔絵A誰々ですよと紹介Bし、似てないポイントを探すことで人物を憶えるために使用するブログ。広告的側面のある各記事のタイトルに有名人の名前Cがあることも。

A:非肖像画なイラストで、更には“似てない”ので肖像権の侵害なし。
BAを誰々ですよと明言してるので要注意は名誉権プライバシー権
C:記事内容を表す文言=タイトルを検索エンジンが並べてるだけなので内容と合致してればパプリシティ権は無関係。集客目的と抗議された場合はグレーゾーンへ。

対策のしようもなし。記事内容に即すしかない。

てことは自分がすべきことはBの人格権侵害への注意だけ。よし、今後は誰であろうとも思いっきり美人イケメンに描くことに致します。

て、そんなバカなこと気にするより修正ポイントいっぱい見つかったよ。単なる個人だけど発信する以上は責任が付きまといます。ブログ運営って結構辛いもの。

他人様所有物ネタ以外で発信できないなら発信するな」←これが正解。ご自身の名前で商売する有名人からすれば一般人ブログ運営者は単なる寄生虫。そりゃそうだ。

結局本サイト運営者のように何も持たざる人間には厳しい現実になるのが当たり前で、

窃盗を“罪”と規定する法律が
他人様の所有物から得る利益を
保護する訳がない

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