ポク太郎です。
そろそろ小中学校へ通う高齢者の子らが夏休みの工作に焦り出す時期。
という訳で、廃材でキーボードスライダーを作成し、素人日曜大工のノウハウをまとめてみました。
一日で作るキーボードスライダー
廃材を切り出してキーボードスライダー
その辺にあった適当な廃材を切り出して材料を作ります。
木工用ボンドで完成させるキーボードスライダー
木工用ボンド、クランプを駆使して組み上げます。
完成キーボードスライダー![]() |
スライダーを引き出した様子![]() |
内部のスライダー金具![]() |
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TV・ディスプレイの重量に耐えられるよう背面には柱![]() |
日曜大工に必要な一般的な工具
以下は一般的に日曜大工に必要な工具。今回のキーボードスライダー作成にも使用しました。
1 | ノコギリ | |
2 | カンナ | きれいにピッタリ寸法を目指すため。 |
3 | ヤスリ | |
4 | (電動)ドリル | “穴”は色んな所で利用できるので、穴開け加工向けに電動が望ましい。 |
5 | ドライバー | ネジクギを締めるため。 |
6 | クランプ | よほど強力な締め上げが必要でなければプラモデル向けの簡易的なものでOK。 |
7 | 木工用ボンド | 水性、通常の物でOK。コニシの木工用ボンドが定番。 |
8 | コーススレッド | いわゆるネジクギ。強度が必要な部分に打ち込みます。ネジクギの芯の太さ分の下穴をドリルで空けてから。 |
以下、上記のキーボードスライダー作成を例に、素人日曜大工にとって有効と思われるテクニックを列挙していきます。
規格品の太さ・厚さと突当てを利用 ~日曜大工ノウハウ1
“長さ”は規格品の太さ・厚さ利用
素人なので0.1㎜のズレも無く木材を切り出そうなんて幻想。“長さ”はほんの少し違っても組み立てに影響を与えます。
なので、“規格品の太さ・厚さ”を利用します。先のキーボードスライダーでの高さ調整がこちら。
規格モノである角材・板材の太さ・厚さを利用し、左右の高さをピッタリ一致させています。
突当てを利用しピッタリカンナ
人間の指は0.1㎜の段差まで検出可能と言われます。なので指で触ると気付いてしまいます。やはりキチッと揃ってる方が高級感。
そこで利用するのは突当て接着+カンナ。

突当てた状態で木工用ボンドで接着→接着した塊に対してカンナ。これで完成品を触った際に段差を感じないピッタリな出来に仕上がります。
木材にこだわる必要ない ~日曜大工ノウハウ2
特殊板材も視野に
圧倒的な圧力を発せられる工作機械と特殊な接着剤により生み出された多様な板材が当たり前のようにホームセンターで入手できます。
強度・扱いやすさもさることながら一番便利なのは“反らないこと”。無茶苦茶反る木材合板コンパネ・構造用合板とは比較にならない程平面度が安定しています。
1 | 集成材 | 小さな材を継ぎ接いだ板。一般的には軽くてノコギリ切断しやすい印象があります。 | 反らない |
2 | パーティクルボード | 木材チップを破断・圧縮し表面を薄い板で挟んだもの。化粧板で挟まれたものはオーディオラックなどのローボードによく使われる。中身スカスカのイメージがあるが、強度は下項MDFより強いらしい。 | 反らない |
3 | MDF | ミディアム・デンシティ・ファイバーボード…中密度繊維板かな?粉末木材を力任せに固めたもの。木目が無く方位性も不均一性も無いので端面をカンナで斜め加工しやすい。パーティクルボードよりは密だが、湿気に弱いので塗装はした方が。個人的に非常によく使う。 | 反らない |
4 | OSBボード | 削片状の薄い木材を接着剤で固めた強力なボード。構造的にはメチャクチャ強いが表面がガサガサなのでテーブルの天面に使う場合は上にベニヤ被せるなどが必要。 | 反らない |
先のキーボードスライダーでは天面と底板が3番のMDF廃材、キーボードが乗っかるスライド板が構造用合板(たまたま反りが無かったので)です。どちらも12㎜厚。
強度だけでなく、“反らない”こと・端面加工のしやすさにも着目し板材選定を行うと○。
強度は金属カナグ利用
1/10の厚さで木材と同レベルの強度が得られるのが金属。なので、便利なものがないかホームセンターの金物コーナーを物色します。今回使ったのはレール金具とコーススレッドだけですが。
因みに、キーボードスライダー向けのレール金具は大きく分けて種類が2つ。ベアリング式の重量・耐荷重型と今回使った車輪二つだけの簡易型。
“ヒジを置く”など体重をかける場面が想定される場合は今回使った簡易型ではレールが変形してしまいます。
そこでベアリング式の重量・耐荷重型(下写真)。でもスライド板の幅調整が若干シビアで難易度は高くなります。(レールの遊び寸法が非常に小さいので)
Amazonで探すと種類が結構たくさんあります。「引き出し金具レール、棚スライドレール、テーブルスライド、デスクレール」辺りがキーワードっぽい。
木工用ボンド>>木材
現在の木工用ボンドは木材より強くなる優れもの。無理やり接着面を剥がそうとすると先に木材が割れます。そんな訳で、素人日曜大工ではそれを積極活用すべき。
重要なのは接着面積。広い面積で接着すればまず剥がれません。
定番はコニシの木工用ボンド。速乾タイプと通常タイプの違いは水分の含有率。均一に塗るため接着面を濡らす場合は速乾の意味がないのでうちは常に通常タイプ選択。
下記詰め替えパック1kgを購入し、準備した500gボトル2本へ→そこから通常使う180gボトルに補充しながら使っています。(その位多用する文明の利器。)
接着の際に重要なのは圧着。簡易的な固定に使うプラモデル向けラチェットバークランプが便利。キュッと締め付ける位しかできませんが乾燥まで固定する程度なら非常に使いやすいです。
スピーカ製作など強烈な圧力でのプレス目的なら金属製のU字クランプ、ハンドルクランプが必要になりますが、この程度なら上記ラチェットバークランプで十分。
材料不足を利用 ~日曜大工ノウハウ3
今回行った二例を紹介。
●幅30㎝のMDFしかなかったので底板と天面をずらしてスライドレールの長さ確保。
●角材の長さ足りないので分断。
それによりできた空間はケーブルを通す穴として活用します。
スライドレールの長さは35㎝。でも天板・底板に使えそうなMDFが30㎝幅のものしかありませんでした。
そこで、レール取付用の角材のみ36㎝でカットし、天板と底板をずらして奥側下方隅に空間。ディスプレイケーブルを通す穴とします。また、他の角材も不足→分断して配置しそこも穴に。
“机”となればそこに必ず置かれるのは電化製品。ケーブルの取り回しが自由になるよう準備しておくのは重要。
安全確保に棒と穴 ~日曜大工ノウハウ4
これを棒状にしたのは、転落防止用にディスプレイの支柱と紐で連結させるため。もし“背もたれ”の形状であれば大きめの穴を左右に開け、紐が通せるようにしておきます。

「棒と穴は紐を安定に使えるようにする便利なもの」であることを常に意識しておくといいかも。紐を引っ掛けるための切り欠きを棒に入れれば尚ヨロシ。
ケーブルも紐と同じ。無線LANのアンテナ配置、USB延長ケーブル取り出し口など、色々使えます。
実はここでのキーボードスライダー作成はその高さ確保目的。ついでにキーボードも置けるようにしただけ。自分自身の首が辛かったので。
面取りサボらず安心感 ~日曜大工ノウハウ5
締めくくりに上記のまとめ。
1 | “長さ”は規格モノと突当てカンナ | ノコギリでの0.1㎜調整を素人はできないので規格モノの寸法利用。また、段差無くして高級感出すため突当て接着+カンナで成型。 |
2 | 文明の利器利用 | 特殊板材・金属金具・木工用ボンドを活用し簡単作成。 |
3 | 材料不足を利用 | 材料足りないなら隙間を作ってケーブルルートとして利用する。 |
4 | 安全確保に棒と穴 | 棒・穴があれば“ヒモで結ぶ”が使えるので安全確保に便利。 |
5 | 面倒臭がらずに面取り | 全部の辺を面取りし鋭角排除で安心感。 |
それでは夏休みの工作頑張ってください。本サイトのおススメは→簡単DIY|夏休みの自由研究に自作ヤスリ台。
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