ポク太郎です。
引き続き『ベター・コール・ソウル/Better Call Saul』解説シーズン6。振り返り用の短文あらすじ。
登場人物相関関係、トラブルのきっかけや理由、変遷、結末を、なるべく視聴済の方だけが分かるような文章でまとめてあります。
シーズン6までの
を含みます。
ジミーのS1不正横領役人利用法 シーズン6



基本方針はハワード=薬物依存のレッテルを張ること。共同原告であるCデイヴィス&メイン所長クリフ・メインらに第三者からの噂を聞かせるのが目的。
絶対にバレない方法としてシーズン1に登場した不正横領役人ケトルマン夫妻を都合のよい第三者として利用しました。
まず、ケトルマン夫妻に代理人契約署名させ情報「亭主の有罪判決は薬物依存な主任弁護人ハワードの裁判で出されたもの=無効」。
ジミーを恨む妻ベッツィが裏切りクビにしてくることは想定済。「情報の出所がジミーなので報酬出る」と負け惜しみ放つ←こうしておけばベッツィは絶対ジミーの名前出さないので。
後は勝手にベッツィがジミーの名前を伏せて言いふらしてくれます。
ここでもうベッツィは用済み→強烈な脅しで口止め。キムが内国歳入庁にケトルマン夫妻=税務申告代行業詐欺としてチクり強行。ハワード狙いと見抜いたベッツィに「忘れろ」と脅しました。
ハワード陥れ策の全貌は次項。
キムとジミーがハワードを陥れた方法 シーズン6


Aサンドパイパークロッシング | 問題の老人ホーム経営。 |
Bシュワイカート&コークリー | Aサンドパイパー側の法律事務所。被告側。 共同事務所を心待ちにするジミーの要望を断るかのようにキムがDメサ・ヴェルデ案件を持ち込み雇われた法律事務所。 |
Cデイヴィス&メイン | Aサンドパイパー係争でHHMと共同訴訟する事務所。原告側。ジミーが雇われた大手法律事務所。 |
Dメサ・ヴェルデ | 大手銀行。キムが獲得した大型案件。 |
Eガトウッド石油 | 石油会社。キムがDメサ・ヴェルデから紹介されたビリーの会社。 |

キムが目標とするのは“富裕層向けの弁護を庶民にも”。キムが乗り気な理由は恐らくハワードがAサンドパイパークロッシングの被害者救済でなくHHMが獲得する賠償金記録を優先してるから。
被害者が受け取る賠償金が数十ドル減るだけで、早期和解が高齢な被害者のためと判断してるからと思われます。
1 | ゴルフの高級クラブでハワードのロッカーにベビーパウダー仕込み、共同訴訟相手Cデイヴィス&メイン所長クリフに薬物として見せる。 |
2 | シーズン1に登場した不正横領役人利用し方々にハワードの噂広めさせる。 |
3 | ヒューエル使い、ランチ店の駐車係からハワードの車のキーをスリ、合鍵作成。 →ハワードセラピー中に車盗み出し。 →変装したジミーが車道で娼婦ウェンディ放り出す姿をクリフに見せる。 |
4 | 受付フランチェスカ使い、Aサンドパイパークロッシング調停の暗証コード入手。調停会議を盗聴するため。 |
5 | ヤミ獣医から瞳孔が開く薬物入手。ハワードに見せる写真に散布。 |
6 | Aサンドパイパークロッシング訴訟の調停役に選ばれた元判事カシミーロへ賄賂渡すジミーの偽造写真作成しハワードに見せる。 |
結果は、調停の会場でハワードが瞳孔開いた状態で調停役追求。ジミーの賄賂写真はすり替え済→被告側Bシュワイカート&コークリーから提示額落とすと脅され、クリフが和解決定。
この時、別機会で話してたクリフがキムの理想に賛同しジャクソン・マーサー基金に推薦、昼食会に呼ばれていました。つまりキムの理想を叶える絶好のチャンス。
が、決行日に判明したのはAサンドパイパークロッシング訴訟調停役の元判事カシミーロが怪我でギブスしてたこと。写真が偽造とバレてしまいます。
中止を主張するジミーに対し、キムは昼食会をキャンセルしてとんぼ返り。ハワード陥れ策を優先しました。これはもう完全に“滑りのキム”。
ナチョがガスに出した条件と交渉 シーズン6


誘導に従いモーテルに隠れますが、発見したのはガスからナチョ監視を指令された監視人でした。
人員は手配できてるのに監視してるだけ←つまりナチョ救助のつもりなし。ナチョ死ぬしかガスにとって安全な道が無いと見抜きました。
- ナチョ捕まる…ガスの犯行とバレる。
- ナチョ逃亡…ずっとガスが疑われ続ける。
サラマンカ家双子をかわし、親切な民家から父親の無事を確認するため電話→覚悟。
ナチョはガスに条件「自分の命と父親の安全の交換」。マイクが脱出させ最後の晩餐、その後ラロ殺害首謀者として差し出されました。
父親の安全を保証させるため、ナチョは以下を吐いた後、自分の頭を撃ちました。
・ペルーのアルバレスロス・オディオスと通じてた。
・ヘクター殺そうとしたがガスが助けやがった。
ラロがジミーとキムにガス宅襲撃させた理由 シーズン6


アメリカ国内に戻ろうとしますが、連絡したヘクターからガス犯人の証拠探せと指令を受け、しつこくドイツ人設計者ウェグナーを追います。
ウェグナー妻にも接近し弟子を発見。クリーニング工場まで突き止めました。
地下に潜り証拠を集めますが、“ガスが建設したもの”と証明できません。
そこで採った策がガス誘き出し作戦。
ジミーとキムに強要しガス宅襲撃強要→弁護士に自宅襲撃を強要させたと知ればガスはクリーニング工場狙いと気付くはず→誘き出し。
証拠ビデオを撮影するため、クリーニング工場に侵入しガスを待ち構えました。
ソウル・グッドマンが裏社会悪徳弁護士になった理由 シーズン6


ハワードを陥れたジミーとキム。ハワードはジミーの策と分かっています。
ジミー宅へ怒鳴り込みますが、しらばっくれるジミーらの元にラロ。
クリーニング工場がガスのものと証明したいラロが陽動作戦にジミーを使おうと押しかけ、その場に居た無関係なハワードが巻き込まれました。
そんな結末まで想定してなかったジミーとキム。絶対に闇に葬らないといけないガス配下マイクの指示で依存症の失踪事件に仕立て上げてしまいました。
弁護士として生き、何の罪もない人物の命のみならず名誉まで奪ったキム。
ジミーほど免疫のないキムはその罪悪感に耐え切れず弁護士資格を返上し、ジミーの元を去りました。
キムまで失ったジミーは“世界で2番目の弁護士”カップを“世界一の弁護士”カップに変え、本編『ブレイキング・バッド』の悪徳弁護士ソウル・グッドマンへ突き進むことになってしまいました。
ここから黄金のトイレを手に入れるほどの荒稼ぎを始めるようです。
最終話へ続くジーン・タカヴィクの物語 シーズン6


シーズン4第1話:
シーズン5第1話:
人消し屋“ベスト・クォリティ掃除機”に電話するも途中で心変わり。自力で何とかすると電話を切ります。
ここからシーズン6第10~13話。
タクシー運転手ジェフの母親に接近し家屋に入り込み。ジェフに儲け話を持ち掛けます。ネタはブランド品の窃盗。
救急搬送してくれた警備員の元に夜な夜なシナボンケーキ差し入れ&勉強したスポーツ話題で時間を稼ぎ、監視カメラから目を離す時間を計測→3分15秒と調べ上げました。
決行日、デパートにジェフ入り大型配送品。一日だけ置いてもらうよう工作→シナボン差し入れ時にブランド品を盗ませました。
目的はジェフへの恐喝。州を超えた盗品輸送・販売で30年の刑。相互確証破壊を説明し、ジミー逮捕=ジェフら刑期30年と脅しました。
全て終わったジミーはデパート店内で高級派手シャツを手に取り鏡で自分に合わせますが、その後商品を戻し立ち去りました。つまり、ジミーは二度と表舞台には出ないようです。
と、思ってましたがまだ続き。ジーン・タカヴィクとして生きる現在を白黒で、過去の回想をカラーで表現する当初からのお洒落な構成が続きます。
逃亡者ソウル・グッドマンが元受付フランチェスカと連絡。海外の隠し資産も差し押さえられたとの話。
ここでまた“滑りのジーン”。タクシー運転手ジェフ利用し、バーで酔わせた金持ち宅侵入→カード、他一切の情報を集め偽造屋へ流して金稼ぎ。
そんな生活の中、遂にソウル・グッドマンの素性がバレ逮捕。
いつもの調子で格安の検察取引を引き出しますが、弁護士から『ブレイキング・バッド』時代ずっと離ればなれだったキムの情報。
ハワードに対する償いに生きるキムに影響され取引内容を自らすべて白紙へ。ジミー・マッギルは何に耐え切れなかったのでしょうか。
何を仕込んで、なんでこーなってと実際に画面上で策を実行し辻褄が会う結果を表現するのが最も面白い物語。
ハワード陥れ策はまさにこれ。瞳孔開かせる発想とその細かいこだわりに爆笑しました。
ただ一つの不満はハワードが雇った探偵。ジミーと通じてましたが、その探偵をどう雇わせたのかが不明のままです。
結果だけ写して実はこうでしたとするのはご都合主義代表『ルパン三世』。その部分も複雑怪奇な策で実現してくれればスタンディングオベーションだったなぁ。
いよいよラストだからなのか、パタパタと登場人物が死亡。この人殺すか~?てのも。ジミーだけでなくキムも極悪人。
その罪悪感に耐えたのがこのドラマの主人公ジミー・マッギル。『ブレイキング・バッド』時代をソウル・グッドマンで駆け抜けました。
結局、罪悪感、もしくは、身内からも認められない自分を初めて認めたキムの信頼を裏切れなかったのか、こーいう結末。
関係ありませんが、チンッヘクターと並ぶ『ブレイキング・バッド』のキワモノ娼婦ウェンディ登場に歓喜。この辺はスピンオフならではの楽しみでしょうか。
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