ポク太郎です。
『オレンジイズニューブラック』の面白ポイント紹介でよく見る言葉は“女の子社会”。誰と誰が喧嘩し無視され対処するべく右往左往。その他LGBTの話とか。
懐かしいと思うのかよく上記に焦点が当てられます。
が、ここでは爺が男目線での見どころ=面白ポイントをアピールしてみようと思います。
着目するのは大量のマヌケ受刑者、老朽化刑務所施設、アメリカ国内問題が複雑に絡み合った結果生み出される爆笑被害者ジョー・カプート。
シーズン4までの
を含みます。
OITNBの落ちキャラ=ジョー・カプート
刑務所管理職ジョセフ・カプート
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刑務所管理職:ジョセフ・サルヴァトーレ“ジョー”カプート |
俳優:カプート役俳優ニック・サンドウ | |
“好き”の反対は“嫌い”ではなく“無関心”。女性にその“無関心”扱いされる男性。その点ではカウンセラー刑務官ヒーリー![]() オフィスで受刑者想像しティッシュ準備、娘並みの年齢の新人を本気でデート誘う、幼稚なし返しや味方の不運を喜んだり。最低のおっさんとして描かれます。 ただし、受刑者のことを一番考えてる善人はこのカプート。なのに社会問題も含む複雑な要因が絡まりボロボロの状態に陥る『オレンジイズニューブラック』の落ちキャラ。 年甲斐もなくバンド活動に勤しんでおり、バンド名は『横乳』。 |
カプートの人柄
最低の中年管理職として描かれますが、キャッチコピーでカプート人柄を言い表せば、
- 学生時代のレスリング。最強相手に自ら当て馬立候補し肩脱臼。選手生命終了。
- カプートが作り上げたバンドがツアー契約ゲットした所へ自分の彼女がメンバーハンクの子供妊娠。彼女の反対押切り面倒見ること宣言&バンド離脱し刑務所員へ。
- ハンクがツアーで大成功しレコード契約も→彼女がソッチへ。尽くした話で引き留めるカプートに「誰も頼んでない」。確かにカプートが強引に面倒見ようとした。
カプート周辺の管理側人物~フィゲロア
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刑務所長代理:ナタリー・フィゲロア |
俳優:フィゲロア役女優アリシア・ライナー | |
政治家の妻で元刑務所長秘書。
初登場のシーンはフィゲロア「いつでも質問して下さい」→囚人挙手→「無視して退出」。囚人に全く興味がなく、自身&亭主の出世しか眼中にない女性としてアピールされます。 パイパーが設備費横領の証拠得るためフィゲロアのオフィス侵入→カプートに見つかる。
目の上のタンコブの汚職喜ぶカプートが所長にチクり→フィゲロアクビ。ただし、スキャンダル公開恐れた所長はフィゲロアを表彰し退職という形に。 |
カプート周辺の管理側人物~MCCリンダ
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MCC重役:リンダ・ファーガソン |
俳優:リンダ役女優ベス・ドーバー | |
民間企業MCCの重役。
MCCは刑務所管理をビジネスとする強欲な民間企業。日本でも2000年頃から目立つようになった短期利益でモノを評価する浅薄経営者集団。 当然受刑者は眼中になく矯正施設としての予算を自社の利益に乗せ換えることだけに集中。 リンダは“経費節減のスター”と呼ばれる骨抜きビジネスウーマン。 |
S2~所長代理就任直後、ダヤ妊娠真相と脱獄x2
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部下ベネットと囚人ダヤが恋に落ち妊娠。囚人らによる工作活動で嫌われ者メンデスに罪を擦り付け済でした。
罪悪感に悩むダヤとすれ違いが起きてたベネットが覚悟を決め、フィゲロア退職直後の新所長代理カプートに自供。 部下である刑務官が囚人を妊娠させ別人を逮捕させてた大スキャンダルが就任2日目に発覚しました。 |
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ジミー![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
当時の問題はボケ老人囚ジミーの釈放問題。何故かフラフラとカプートのライブ会場に現れたジミーを管理できずと問題になっていました。
刑務所側は恩赦の名目で釈放→ボケ老人を道端に放り出したとしてシスターがハンガーストライキ。教会からは追放されてるも周囲に集まるはデモ好きの修道女。 この時ちょうどフィゲロアが横領問題で追放、すべてフィゲロアのせいにしシスターを説得→デモで集まる修道女への説明をマスコミに注目させようとしてた場面。 そこへ突っ込んできたのが余命僅かを宣告された末期ガン患者ローザが運転するバン。刑務所で死んじゃダメと護送係ローナが脱獄を促し渡したバンでした。 間髪入れずに別の脱獄を知らすサイレン。黒人仲間に正体ばれ復権不可と判断したヴィーが抜け穴から逃亡しました。
訂正)先にヴィー脱獄の警報→そのドサクサに合わせローナがバン渡し→マスコミ前でカプートが警報に慌てふためいてる所へローザのバン。
重鎮刑務官ワンダ・ベルすら経験のない脱獄事件が、就任2日目、マスコミに注目させてる最中に、2件同時に発生してしまいました。 |
S3~所長就任直後、全看守退職&大量脱獄事件
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シーズン3の話題は刑務所の閉鎖。予算確保できずリッチフィールド刑務所の閉鎖が決定。知ったのは唯一クビにならないカプート。ただし刑務官らは薄々察知。
部下守るためフィゲロアも恐喝→民間委託の話を入手。この件がフィゲロアも頭を悩ませてた問題。 民間企業MCCに視察を頼み業務委託決定。ただし受刑者無視の経営にカプート仰天。 刑務所内は囚人取り違えや制圧不可など未訓練看守でトラブルだらけ。ベテランは時短なのに人員は募るMCC。ベテラン看守らは組合設立の会合を設けカプートをリーダーに祭り上げます。 秘密裏の設立活動のため敷地内の長年行かない場所で密談するカプート。そこで見つけたのはチャンがミカン袋を隠すフェンスの穴→フェンス貼替工事。 未訓練看守のせいでこじれてたのは囚人バーセットへのイジメ。看守が制圧できないため懲罰房で保護するのがMCCの方針でした。 当初はMCCの方針に従ってたダニー・ピアソンも遂に切れ辞職。残ったカプートはバーセットを懲罰房から出す思案をしていました。 この時カプートが密会してたのはゲイ亭主と別れたフィゲロア「受刑者のために危険冒せば尻拭いで人生終わる。」 前へ出るタイミングを常に間違うカプート。ダニー・ピアソン後任“人間活動部長”=所長に就任し刑務官の賃上げ却下。 “人間活動部長”に就任直後、頼みの綱である訓練済ベテラン刑務官全員が出て行ってしまいました。 |
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開抜け受刑者が多いリッチフィールド刑務所。受刑者が夢中になるのは根も葉もない“ノーマの奇跡” ・天井からクスリ ・無言のノーマに喋り倒してスッキリ ・レッドが調理場責任者に復帰 ・取り違えでアンジー出所 単なる偶然なのでその内崩壊。落ち込むノーマが見つけたのは上記でカプートが指示したフェンス貼替工事。 終焉を迎えたものの注目を受けてたノーマ。床ジラミ発生によりベッド入替中でほぼ全員が外で待機する中、ノーマが走る先に注目→フェンス無し。 “人間活動部長”就任直後、ベテラン刑務官全員退職直後に起きたのは、ほぼ全受刑者が刑務所敷地外へ出る未曽有の大事件。 |
S4~正義感で対抗した瞬間、暴動発生
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カプートが深く関わるようになった相手はMCCの“経費削減のスター”リンダ。MCCとの関係が強くなる一方、制御できなくなるのは異動してきた看守と新人看守。
シーズン4の大トピックはパイパーのビジネス「罪とパンツ・ドット・コム」とアレックスの死体遺棄。 パイパーパンツビジネスでの勢力争いが波及しドミニカ勢への看守の嫌がらせ→パイパーが差別主義者に囲まれ周囲離れる→ドミニカに狙われる→結局パイパー反省しドミニカ応援するような抗議行動。 また、アレックスの隠した死体発見され、カプートが制御できてない看守ら暴走→更に囚人締め付け。 団結する囚人らの抗議行動中に未訓練看守ベイリーが体重40kgのプッセイ押さえ付け、意図せず殺害。 MCCが行うのは責任逃れのマスコミ対策。新人看守ベイリーをスケープゴートにと目論みます。 散々MCCやリンダに矯正策を骨抜きにされたカプート。根本原因は責任果たす気が無いMCC経営と分かっています。新人看守ベイリーのプッセイ殺害も未訓練が原因。 前へ出るタイミングを常に間違うカプートがMCCに反乱→記者会見本番中、リハーサル無視した「看守ベイリーも被害者。」 でも、囚人にとっては看守ベイリー=プッセイ殺害犯。その場で聞いてた(経費削減用に囚人を秘書として使ってた)、プッセイの親友テイスティが暴れ出し暴動発生。 覚悟を決め“正しいこと”を貫いた瞬間、刑務所を占拠される暴動発生。 |
カプート、フィゲロア、MCCリンダの違い
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矯正施設の責任を全うしようとする受刑者想い。MCCによる矛盾に抵抗し部下を守ったり。最低のおっさんとして描かれるが一応正義の人。 |
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行政の責任としての矯正施設管理者。政府、知事、政治家の立場で受刑者を監督。受刑者に興味なし。 |
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矯正施設を“金ズル”としてしか見ておらず、行政予算を自社の名義へ転化することだけに着目。受刑者に興味なし。 |
リッチフィールド刑務所は重犯用でなく軽犯罪の受刑者向け。
特に人種差別、移民問題、里親問題を抱えるアメリカでは、生まれながらに社会からつまみ出された行き場のない人物も。それら人物の駆込寺的機能も持つ収容施設。
“犯罪者”なので重犯罪人の立ち振る舞いを真似しイキったりはしますが、受刑者の興味は家族、子供。ほとんどは凶悪犯罪者に非ず。
恥文化により罪を犯さない日本人と比較すればよっぽど罪の意識高い系。耐性は低いけどね。
出所しても所持金数十ドル=つまり全財産数千円なのに公道に放り出され宿もなし。放免の3日後には手詰まりな受刑者ら。クリップ100個盗んでわざと刑務所に舞い戻る人物も。
もちろん“貧困を理由とする犯罪”でも無罪に非ず。が、上記勢力から垣間見えるのは“合法な犯罪”。アメリカだけでなく日本にも広がりを感じる重大な社会問題。経団連なんてまさにそれ。
それに立ち向かう最低オジサンを散々な目に会わせ爆笑を取るのが『オレンジイズニューブラック』。そのポイントでも色々問題を感じます。
もちろん爆笑してこんな投稿してる側にも問題アリ→ポク太郎。
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