ポク太郎です。
なかなかスッキリと理解できない『ゲーム・オブ・スローンズ』の歴史。HBOドラマは原作と違うだの、矛盾する記述があるだの。
そこで、HBOの映像特典にて言及される情報から、ウェスタロスの王国変遷年表を作ってみました。
歴史の教科書によくある、この時期・この領域がオスマン帝国だったとか、この時期は東ローマ帝国だったとか一目で分かるやつ。アレ、アレ。
そこまでキレイなのは無理ですが、とりあえず出来上がりました。
これはあくまでオタク向け情報です。まだ『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界に入り込んでない方は見るべきではないです。理由は意味不明な名前だらけで余計に混乱するから。
「ドラマに出てくる情報は氷山の一角だけなんだよ」てことだけ知って下さい。
ウェスタロスの王国変遷・勢力年表
こちらがその王国変遷、勢力年表。黄緑色の★印は伝説の英雄とされる人物です。
注意点は横軸=年代表記が均等割りでないこと。古い時代ほど目盛間隔が小さいので、大昔の国が何千年と盛隆したかのように見えてしまう点。
GRRMさんが設定してない以上、映像特典での言われ方も上図と同様に大雑把なんだけど、まぁそれはそうなるもんとして見て下さい。人類史と一緒で、不明だからこうしとくみたいな。
また、勢力年表と言っておきながら、古代ヴァリリア帝国が北の王国より小さかったり。これは紙面の都合なのでご勘弁。
統一まで漕ぎ付けたのはターガリエン家。300年前の征服戦争時に六王国を征服し、その後最後まで征服できなかったマーテル家を懐柔し、ウェスタロスが統一されました。
以降、各ラインについて特記事項を書いておきます。
王国変遷・勢力年表の特記事項
北部
1 | バロウ王とは | 北部で一番最初に王を名乗った人物。バロウとは古墳て意味。スターク家はそこに仕えてた様子。ただそこに居座るバロウ王に対し、ブランドン建設王が壁建造・ナイツウォッチ設立と人望を集め、最終的にスターク家に跪いたとのこと。ボルトン家の祖だと認識してますが、そこは決定的な言及無し。 |
2 | ワーグ王とは | 北部北西の半島に居た別種族の王。森の子らと同盟を結んでたらしい。スターク家が倒し支配。 |
3 | 沼地の王とは | 地峡ネックの地に居た別種族の王。スターク家が倒し、この地をクラノグメン=北の王と森の子らの混血であるリード家に任せて支配。酷い沼地で通常の軍隊は侵入できず、特殊な人種の天性の能力で防衛する地域。クラノグメンとは小柄でカエルを食すと言われます。 |
4 | ホアレ家の存在と旗手ら | 8000年前の太古から至る地で暴れ回ってたのが海賊ホアレ家。熊の島も支配していました。何千年後かにスターク家が追い出しモーモント家へ。また、スターク家が北の王として立身する中、味方として常に居たのがアンバー家。6千年前以前にリーチから追放されスターク家に拾われたのがマンダリー家。カースターク家は700年前頃にカーロン・スタークに興させた分家。 |
5 | 北部について | ウェスタロスの大事件とは6千年前のアンダル人来襲。北部以外はほぼ蹂躙されアンダル文化に染まりました。が、北部だけはその侵入を防ぎ、最初の人々の文化・風習を現在まで色濃く残します。地峡ネックでリード家が足止め、海からの侵入はマンダリー家が防ぎ、スターク家が逆に敵地アンダロスの地ペントス北方に攻め込み反撃したとか。 |
谷間ヴェイル
1 | ファルコン・ナイト鷹の騎士について | アリン家創始者アーティス・アリンのこと。6000年前にアンダル人がヴェイルから侵入してきました。アーティス・アリンはウェスタロスで生まれ育ったアンダル人。当時の支配者ロイス家を倒し、支配者となりました。 |
2 | 青銅の王と旗手について | ヴェイルを支配してきたのは最初の人々で、当時の支配者ロイス家のこと。ドラマに登場するヨーン・ロイス公はブロンズ・ヨーンと呼ばれます。その当時から存在した旗手がコルブレイ家。残存する最も古いヴァリリア鋼レディ・フォローンを所有し、ブレーヴォスから来たリトルフィンガーのひぃ爺さんを生垣の騎士として雇った家系。 |
鉄諸島
1 | 鉄諸島の統治について | 伝説のグレイキングを英雄視する地域。グレイキングとは千年生きた・人魚を娶ったなどと言われるおとぎ話。100人居たとされる息子らが殺し合い、どうにも決着が付かず始めたのがキングス・ムート選王民会。なので、この地では王様が支配というより賛同を得たホアレ家が大昔から各地を蹂躙しています。360年前にリヴァーランドまで進出し島と川の王国を建国したのもホアレ家。 |
2 | グレイジョイ家について | 300年前に征服王エイゴンがリヴァーランドに居座るホアレ家を灰にし、断絶したホアレ家に代わり選出されたグレイキング末裔を名乗るグレイジョイ家に統治を任せます。グレイジョイ家が歴史上に姿を現すのは、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の話題双竜の舞踏時のダルトン・グレイジョイが最初←グレイジョイ的英雄=不意打ち成功するけど反撃されてフルボッコ。他にあるとすれば9年前の無謀なグレイジョイの反乱で、そちらも不意打ち成功するけど反撃されてフルボッコ。何の成果も挙げてない家系です。 |
リヴァーランド
1 | リヴァーランドについて | 一番分からない地域。肥沃で水資源豊か・周囲を囲まれてるため各地から狙われます。一番古い記述は川の王を名乗った最初の人々最後の王国であるマッド家。アンダル人国家や嵐の王国に攻められ滅びました。地域は嵐の王国やラニスターに編入されたり。一度全土を支配したのがジャストマン家。仲が悪いで有名なブラッケン家とブラックウッド家双方の落とし子でしたが、300年位続く王朝川と丘の王国を築きました。その後、360年前に鉄諸島から進出してきたホアレ家が島と川の王国を建国し、ハレンの巨城を建造。リヴァーランド住民を蹂躙し続けました。 |
2 | タリー家と旗手について | ドラマでは緒名家に挙げられるタリー家ですが王を名乗った記述を見たことがありません。陸の孤島として機能するリヴァーラン城を建造したのが1000年前辺り。ハレン暗黒王に蹂躙されてた300年前に征服王エイゴン側に寝返ったのがリヴァーランドの長=トライデント最高領主となった契機。また、フレイ家は数百年前に双子城を建造しその通行料でのし上がってきました。 |
3 | ハレンの巨城城主について | リヴァーランドと言えば最も有名なのはウェスタロス史上最大の城ハレンの巨城。ですが、巨大すぎて誰も守れず、守ろうとした城主はことごとく滅亡する呪われた城。歴代城主は建造者ホアレ家、ハロウェイ家、ストロング家、ロシュトン家。いづれも滅びました。ドラマ内ではシティウォッチ指揮官ジャノス・スリント・リトルフィンガーが城主に任命されますが、どちらかと言えば王都が都合よく褒美に使う“実態無き名目上の城主”て感じ。フレイ家はこの城を欲しがってるようですが。 |
嵐の王国ストームランド
1 | 英雄デュラン・ゴッズグリーフについて | グレイキングと同じくおとぎ話的な。神の娘を娶り、神の怒り=嵐に抵抗した英雄。ゴッズグリーフとは“神の憂鬱”。ストームランドは船壊し湾から吹き込む雨雲により暴風雨多発地帯。それがおとぎ話の根拠かなと。その嵐にも負けずに建つストームズエンド城を建造した英雄。ブランドン建設王の知恵も借りたとか。その末裔はデュランドン家を名乗ります。 |
2 | バラシオン家について | 創始者オーリス・バラシオンは征服王エイゴンの腹違いの兄弟で、300年前の征服戦争時に嵐の王国攻めを任された司令官。投降させられたデュランドン家の娘アージェラを娶り、バラシオン家がデュランドン家の標語とエンブレムを受け継ぎ生まれ変わりました。だから一番新しい緒名家とは言え、血統は嵐の王国です。 |
3 | 嵐の王国の旗手について | 歴史的に特に有名な家系は聞かず。ドーンとの国境付近に城を構えるドンダリオン家が剣術に優れるイメージ、また、七王国一の剣士バリスタン・セルミーは嵐の王国の旗手。でもセルミー家という記述を歴史中に見たことはありません。 |
岩の王国ウェスターランド
1 | キャスタリー家とラン利発王について | 実在するのか不明な家系。猟師の家系で、ライオンを追い詰めるが、そこに居た子ライオンを逃がしてやったので神が褒美として金脈を見つけさせたと言われるおとぎ話の主役。金鉱を内包したキャスタリーロック城を築きました。その城を武力を使わず騙し取ったのがラン利発王。時代的にアンダル人でなく最初の人々だと言われ、ラニスター家がその末裔だと主張します。その辺を皮肉りラニスター家=偽計・騙し討ちの家系と揶揄したり、自身は誇りとしたり。 |
2 | ラニスター家について | 一度も陥落したことが無いキャスタリーロック城を拠点とし、莫大な金で世界を購入する大金持ち。6千年前のアンダル人来襲時にはウェスタロス東に大量のアンダル人国家が出来たそうですが、それを懐柔し・招き入れ鉄文化を学び、逆にアンダル人国家を襲ったそう。恐らく“百王国時代”と呼ばれる時代のことかと。なので、太古の昔からずっとこの地は岩の王国。 |
リーチ王国
1 | 英雄ガース・グリーンハンドと諸家について | 庭師王ガース・ガードナーの家系ガードナー家がリーチの支配者となり、既に君臨しそこに知識の城シタデルも有してたハイタワー王国も吸収します。ただし、ハイタワー王国に力が無かったのでなく、防衛・戦争を押し付け自らは収益性の高い研究・貿易に専念するためとも言われたり。ハイタワー家は後に進出してくるアンダル人国家とも婚姻関係を結び、現在まで生き残ります。また、大量の子孫を作った英雄が庭師王なので、ターリー家始め、フロレント家緒家もガース・ガードナーの直接の末裔となります。 |
2 | タイレル家について | ガードナー家に雇われた執事。元はアンダル人側だそう。雑士として入り込み数千年間ガードナー家に仕えました。300年前の征服戦争時、ガードナー家が征服王エイゴンに滅亡させられた際にガードナー家の居城ハイガーデン城を明け渡し、南部総督に任命されました。寝返りにも見える行為ですが、リーチでは勝てない戦より迎合を選ぶ風潮があった様子。ハイタワー家も迎合してるし。もちろん軍事家系ターリー家や一番ガードナー家に近いフロレント家は不満を抱いてるみたいですが。 |
3 | ホアレ家の存在と旗手について | ここでもアーバー島が一時期ホアレ家に支配されていました。アーバー島とはウェスタロス南西角のワインの産地。リーチ王国が中央集権化する中、徐々に追い返されたとのこと。この地はレッドワイン家が与ります。世界の必需品ワイン生産と安全輸送のための大規模海軍を有する大富豪。そこの娘との縁談を何故か断り生涯を掛けて兄弟喧嘩に明け暮れたのがホスター・ブリンデンのタリー家兄弟。 |
ドーン
1 | 風変わりなドーンについて | 1.2万年前の夜明けの時代、最初の人々が侵入し、ウィアウッドの木伐採が原因で森の子らと戦争勃発。その最初の人々の侵入口がドーン。現在のステップストーンは陸続きでエッソス大陸と繋がっていました。ウェスタロス内でドーンだけは亜熱帯気候。また、山脈で隔たれウェスタロス北方とも隔離されるため風土・文化・考え方も異なります。北部の名誉とは少し違う、強行的に名誉を果たす風潮があります。それ故か、ドーンの統一は1000年前まで実現しませんでした。 |
2 | マーテル家について | おおよそ1000年前にドーンを統一したのはエッソスロイン川流域から亡命してきたナイ・サール王国の女王戦士ナイメリア。モース・マーテルと婚姻し、統一戦争を率いました。元からこの地に存在したマーテル家ですが、英雄ナイメリアを称えエンブレムを合体、家系の祖として扱われるように。正式にはナイメリア以前をマーテル家、以降現在までをナイメロス・マーテル家と呼ぶそう。“ナイメリアの”て意味。 ナイメリアが亡命した理由は古代ヴァリリア帝国のドラゴン。戦士がほぼ殺され民衆を連れて脱出しました。でも、ドラゴンの貴神ターガリエン家が最後まで征服できなかったのがナイメロス・マーテル家。非常に興味深い出来事です。 |
3 | デイン家について | 隕石落下地点に拠点スターフォールを構えた歴史ある家系。そこから取り出した剣が名刀“暁”。ヴァリリア鋼並に切れ味がよく、また、持つにふさわしい騎士不在なら伝承せず城内に保管する特別な扱い。 ドーン統一戦争でナイメリアに敗れデイン家の長が壁送りにされますが、その勇敢さを称えナイメリアが金の足かせを付けて送ったとの逸話が。また、エダードが倒した暁の剣士アーサー・デインなど有名騎士を多数輩出する家系。 亭主を失ったナイメリアがダヴォス・デインと再婚、息子出産。ロイン人の風習は均等王位制長子相続制なので、長女を後継者としましたが、血統は残ったので現在のデイン家も女王戦士ナイメリアの子孫てことに。 |
エッソス-ヴァリリア以西・以北
1 | サナール王国について | エッソスの大草原ドスラクの海北方の古代王国。起源は不明。非常に背の高い人種による国家だった様子。王様の呼び名はハイ・キング。ドスラク人の襲撃により滅びました。正しいカナ振りは不明で、サルノア王国が正解かも? |
2 | ロイン人国家について | エッソスの大河ロイン川流域に存在したロイン人による国家。川の精マザー・ロイネを崇め、魔法使いも擁する古代国家。文明は古く古代ギスカリ帝国と同程度だったとか。日本人のように余所者を無防備に招き入れる人種で、古代ヴァリリア帝国に蹂躙されることになった水の国。ある時一致団結し反撃に出ますが、そのリーダーガリン王子が捕まり一族郎党全部処刑。後に古代ヴァリリア帝国が滅びその首都ヴァリリアが石化人を捨てる廃墟となりますが、灰燐病とはガリン王子の呪いを含んだ汚水を被ると掛かる伝染病と言われております。 ガリン王子の死を知り、女王戦士ナイメリアが脱出を決意したとか。 |
3 | 古代ヴァリリア帝国とヴァリリア人について | ヴァリリアに居た羊飼いが北方の火山でドラゴンの卵発見→世界の半分を支配する大帝国へ。ヴァリリアの石とは一切継ぎ目のない建築用資材。ドラゴンの炎で石を溶かし形成するそう。ヴァリリア鋼・ヴァリリア魔法など不明な技術が噂される大帝国。ただし、4、500年前の謎の天変地異“破滅”で半島が破壊され一日で滅びました。その“破滅”を予見し、ウェスタロスへ脱出したのが下級貴族ターガリエン家。 そのヴァリリア人がすぐ横の植民都市ヴォランティスに作ったのが黒壁。一切継ぎ目のないヴァリリアの石で囲われた、ドラゴン獲得以前のヴァリリア戦士の血統以外立ち入り禁止とした区画。血統を残そうとするヴァリリア人の思考回路→ターガリエン家の伝統は近親相姦。何かつながるね。 |
4 | 古代ギスカリ帝国について | 奴隷商人湾南東に存在したオールドギスを首都とした古代帝国。奴隷制で栄え、ドスラク人にも敗北を味合わせた奴隷兵士穢れなき軍団アンサリードを作った国。 古代ヴァリリア帝国が勃興し、敵対した古代ギスカリ帝国がドラゴンで殲滅されました。征服でなく殲滅=畑に塩をまき二度と復活出来ないよう焼き尽くし。それ故、南に浮かぶ島上のニューギスにて帝国復活の運動も起きましたが失敗に終わります。 |
東方~知られざる地
1 | イ・ティ帝国について | エッソス東骨の山脈以東にある大帝国。古代中国相当。東南アジアの古代遺跡・日本・台湾ごちゃ混ぜイメージ。夜のライオンを崇拝し、皇帝が国を治める体制。古代ヴァリリア帝国との交易もあり、ドラゴンを持つ皇帝も居たとか。 本サイトは読み方が分からずイェチ帝国と書いてましたが、目ん玉金色とか金を食すとかアジア人の酷い言われようを知りたい方は「イェチ帝国」で検索してみてね。 |
HBOが踏襲する原作を調べるため、該当部分それぞれ対応する映像特典動画にリンク貼る予定でしたが、大変過ぎて断念。
それについては別の機会に何か考えます。
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