DIY|テレビ下CDラック内蔵した自作バックロードホーンスピーカの設計

ポク太郎です。

ブログも更新せずに何してんだい?と誰にも言われない程誰も来ないブログ。あり得ませんが、万が一聞かれた場合の返答。

自作スピーカの設計をしておりました。

思いもよらず突然スピーカを作ることに。本投稿はその設計作業の概要。複数回に分けて書いていきます。


TV下設置のバックロードホーンの製作~構想

現在ホームシアターのTVは55インチ。諸事情からそれ以上の大型は想定しておりませんでした。

が、ひょんなことから突然降って沸いたのが「75インチのテレビ購入」。という訳で、使い回し先での55インチ用スピーカが必要となりました。

その昔、同じくテレビ下用に作ったバックロードホーンがこちら。

DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|TV下BH

これは32インチTV用で横幅60㎝。適当なアンプ回路で駆動する適当なフルレンジスピーカーを使った適当なバックロードホーン。TVのイヤホンジャックからの信号をアンプに通し駆動します。

今回は55インチテレビ用にそれと同仕様の大型版。

DIYの醍醐味は特殊な個別事情対応&ジャストサイズ。便利に感じるのが使う人だけであっても一向に構いません。

ポク太郎の悩みは「CDが邪魔」。本・漫画とは形状が異なるので本棚収納だと無駄スペース、CD専用ラックも使用場所から離れるのは変わりないし、ラックそのものも邪魔。

今回のは設置面積がかなり取れる大型なので、そのスピーカ前面にCD収納部分を設けてみます。

現在構想中の外観、正面図がこちら。

DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|外観

CDメディアケース、DVDの寸法から方針決定~調査

収納物の候補は以下。寸法を測りました。

寸法測定したCD・DVD、メディアケースのサイズ
DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|CDケース、DVD紙カバー寸法測定 DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|CDケース、DVD紙カバー寸法測定
表記の単位は㎜。

欲を言えばDVDの19㎝収納できるのが贅沢。でもそうするとさすがにスピーカの背高すぎ…。てことで選択肢は[CDだけ対応]または[メディケースまで対応]の二択。

右上の指先の絵のように取り出しますが、その操作がしやすいのは8㎜以上。メディアケースの場合は指が入るのでその8㎜は不要。

CDそのものの場合は高さ127+8(指先)=135㎜、メディアケースの場合は指の差し込み隙間不要なので高さ142㎜→差は7㎜。少差なのでメディアケースまで対応することに。

となると、おおよその外形は、

DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|内部構造

横幅100㎝、奥行38㎝、高さ16.6㎝の背面開放型(側背面開放?)バックロードホーンスピーカー

余談ですが、かねてから挑戦しようとしてるのがMCAP-CR型ダブルバスレフの2段目の部屋を複数にし自由度を上げたもの。

ただ、扁平的な潰れた空間を利用してのバスレフ系は経験的に上手く行った試しなし。今回は“薄っぺらい”構造なので高さ方向の寸法が確保できずMCAP-CR型は断念。

結構いい加減な適当ホーン形状とする~設計指針

体積が十分でないので、左右2ch用のホーンを途中で合流させるいい加減ホーン。

DIY|テレビ下CDラック内蔵バックロード・ホーン・スピーカの設計|形状の問題

“途中で合流”させないといけない理由は、

  • ステレオの左右は隅-隅に離した配置必要。
  • 左右それぞれに同一のホーンとすると1本当たりの体積小→増強効果薄い。

上記を鑑み“太いホーン一本”の道を選ぶと、どうしても途中合流するイビツなホーン形状。でもそのイビツな道を選択。

ただしここで仮定してるのは「増強させる低音域は左右で常に同音量。」理論上はそうなるし特に今回は背面開放だし。

録音時、回折角大な低音は左右に同音量。背面開放なので回折角小な高音は開口部まで出てきたとしても正面で聴く人間に届かない。

問題となるとすれば、

  • イビツなホーン形状により、右chスロートから左chの空気室までの音道で定在波発生。結構長いので多数の周波数でディップ。

あまりに酷いようなら右chのスロートを封鎖して左chだけを増強する対応策プランB。低音部分に限定すれば左右は同一の音源なので。上記回折角の話。

ただ、バックロードホーンは太さ変化位置で反射され至る所で定在波発生→上記が破綻するならスタッガードも同じく破綻してる筈。

スタッガードバックロードホーンとは…スピーカーユニットがある一つの空気室から広がり率・音道長の異なる複数本のホーンを生やしたタイプ。スタッガード/Staggered=食い違い状→“ずらした”て意味。

なので、一応対応策は準備しておくものの、大丈夫臭い&適当ホーンなので結論は、

これでいいや。

上で写真貼ったヤツもここまで酷くないがイビツホーン。

自慢のホームシアター用ならこーいうセンタースピーカ的なのでなくキッチリフロント2本作るが、これはちょと豪華にしよカナ程度。なので、

イビツでもいいや。

広がり率を確保できるか表計算ソフトで確認~設計

欲しいのは低音な訳で、その増強量はホーンの広がり率により決定。設定した広がり率での必要な音道幅を確保し、それが体積内に収まるかを確認しないといけません。

各音道の寸法から自動的にグラフが表示される計算ツールを表計算ソフトで作ります。寸法を入力すると、全体の音道長・ホーン断面積・縦横比を自動計算して表示してくれるもの。

バックロードホーンの構成は音道の組み合わせが多数思い付くので、確認や再計算を楽にするために。

そーいう計算シートをまず頑張って作ります。

それにより確認した全体のホーン形状は以下。

DIY|テレビ下CDラック内蔵バック・ロード・スピーカの設計|ホーン形状の表計算グラフ

ここで使用してる式は、

S = So exp( m x )
S:ホーン断面積
So:スロート断面積
m:広がり率
x:スロートからの距離

左chの広がり率は1.2、それに辻褄合わせた右chの広がり率は2.51.2でも相当デカい→右の2.5はあり得ない数字。でもまぁいいや。

因みに第一音道を細いまま長ーく引っ張るのはポク太郎の特徴。スワン型の真似。第一音道をそうした方が成功した経験が多いから、です。

また、コニカルや低角度接合は使いません。徹底して直管、積極的に180°折り曲げで構成します。でもCWでなく必ずVWを実現。

コニカルホーン…細かく斜め接合しエクスポネンシャル計算の広げ方に近付けた形状のホーン。
CWVW…ホーンの広げ方。一方向(幅)を固定したまま高さだけを広げてくのがCW、幅・高さ両方を広げてくのがVW

今回のはイビツではあるものの、音道の形状自体は単純で板材の数も少。なので3次元設計図を書いてみるにはいい機会。

という訳でこの後SketchUpで3次元立体図の図面を描いてみようと思います。

今回はその設計図から必要板材の洗い出しを行うことにします。

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