ポク太郎です。
先日バッテリーを交換したPS3の無線パッドDS3ですが今度は別のトラブル発生。押してもないボタンがオンと検出されてまともに操作できません。
という訳で、原因究明と対策を施してみました。
【 】
本記事の内容は参考とし、すべて自己責任でお願いします。何があっても筆者は一切の責任を負いません。
PS3パッドは主電源が無く、常に通電状態なので、何だかんだやってる最中はバッテリーを抜いた状態で行うことをオススメします。
道具:はさみ、カッター、ドライバー、その他ピンセット、竹串等
改造部材:スポンジゴム5mm厚少々、スポンジ付両面テープ少々、場合によってはボール紙、またはただの紙。
現象-押してないボタンが反応するPS3パッド
コントローラのプロパティからその様子を録画しました。
XBOX360と表示されるのは上記ドライバでそれに化かしてるため。
青二重線はアナログスティック奥にあるL3・R3ボタン。赤線のボタン群と赤二重線のハットスイッチが、押してないのにONにされてしまうボタンです。
アナログスティックを激しくガンガン動かしてみました。
グリグリ操作し始めると、押してないはずの赤線、赤二重線のボタンがチラチラONになる様子が分かります。これはイライラします。
原因-激しい操作で信号の接触部が振動
蓋を開けるとすぐに原因が判明。以下二つを押え付けて導通させる作りでした。
○フレキシブルケーブル。各ボタンのスイッチング信号が繋がっています。
つまり、
■(写真上)アナログスティック=つまりは基板をガンガン動かす→接触不良。
■(写真下)接触用の押え付けはスポンジの弾性力=圧力不足。
これはアカンわ…。
対策-接触部を更なる圧力でサンドイッチ
仕方ないので、
○「表面のスポンジをもっと強力に。」
○「表面に入れることで基板が“たわむ”ので背面からもスポンジ。」
というサンドイッチ作戦。
使うのは、スポンジゴムと両面テープ。
スポンジゴムはホームセンターに売ってる5mm厚10cm角~100円のもの、両面テープはスポンジ付きの厚めのもの。
詳細は表裏それぞれに以下で説明しますが、まずは対策後の状態を先に。
これが表面の対策。受け皿内部にスポンジ追加しました。
表面ががんこに膨れ上がるので、背面の樹脂からもスポンジゴムで押し返す機構を作ります。
以下、詳細です。
表面のスポンジ追加
受け皿に元々スポンジが入っていますが、更に“何か”を追加します。
“何か”と書きましたが、必要な条件は、
●フレキケーブルを当て、それを基板で押えたときに十分な反発力。
●分厚過ぎを入れて基板がたわまないこと。一瞬でピキッと逝きますので要注意。
“何か”の大きさは、おおよそ5mmx25mm位にカット後、受け皿に当てながら形状を微調整します。
■他人に勧める対策
基板がたわまない程度の挿入なら、背面のスポンジゴム対策は不要。
たわんだ基板をネジ締めする際にピキッとやってしまい、“半田クラック”という現象が起きると尚更厄介です。
■自分がした対策
両面テープが1mm厚のスポンジ付だったのでそれを二重にして2mm。(真似するにしても1mm未満にすべき。)
基板ががんこにたわむ程表面に挿入した場合は、背面の押し返しスポンジゴム必須。
上のような書き方をした理由は、いづれにしても根本対策でなく暫定策に過ぎないからです。
改善はするので、慣れてない方はダメになったらまた調整し直すつもりで慣れていくのがベスト。回数を重ねれば必ず理解が深まります。
紙、スポンジどちらにしても、一番の注意点は基板のたわみ。PSボタン下辺りの留めネジを締める際、ピキッと半田クラックができないよう慎重に。
背面のスポンジ追加
バッテリーに負荷を与えたくないので、プリント基板角を押し返しています。スマホバッテリーと異なりこの程度の小容量なら大したことないけど、バッテリーてすんごい危険なのでね。
表が膨れ上がることによる基板のたわみ対策。基板にアナログスイッチが直付けされてるので、たわんだ状態でグリグリやると確実に逝きます。
写真左下にある5mm厚x2のスポンジゴムを作り、DS3の背面樹脂で押し返します。
位置は背面側樹脂の下写真の赤枠位置を狙います。
横には、リセットボタンとトリガーL2?があるので、干渉しないよう確認しながら形状を微調整。
言葉では伝えにくいので、色んな方向からの写真を。
これで正確に組み立てられればサンドイッチ構造の完成。
組み立ては慎重に
難易度がかなり高め。いびつな形状故になかなか蓋が閉まりませんが、投げやりにならずに深呼吸しながら慎重に、慎重に。
まず外れやすいトリガー部L2、R2ボタン?をしっかり組み立て直し。パッドに対し垂直に、無理せず差し込み。バネの正しい入れ方は下。
次に背面のふた。これが難所。電気を通さない爪楊枝、竹串を準備しておくとベスト。
1. まずL2、R2両方がしっかり入るようにトリガー部分をはめます。
2. 下側からバッテリーの位置調整をしながら無理せずはめ込み。その時竹串で裏面に貼り付けたスポンジゴムが目的の場所に当たるよう調整しながら。
通常でもかなり厳しい組み立てが、スポンジの反発力で更に厳しく。無理しないよう慎重にはめ込み、しっかり握り締めた状態でネジ止め。
結果-無関係なボタンが反応しなくなった動画
老体に鞭打ちガンガンガンガンとアナログスティックを、グリグリグリグリグリしております。
余計なボタンは反応しなくなりました。めでたしめでたし。
所感-酷過ぎませんかソニーさん
キーボード内部はフレキケーブル2枚。その接点を基板と接続するための構造は、
・基板とフレキの接触部を重ね、
・約8mm厚の耐震用級のゴム(スポンジではない)を挟み、
・長さ約25mmx厚さ2.3mmの板金の両側ネジ止め圧着。
上記が市場価格1500円のキーボードの構造。いくら乱暴に叩いても振動が接触部に伝わらない構造のキーボードです。それでもここまで頑丈に。
圧着にて導通を保証するためには、空中配線する際には…など、設計者は他メーカの製品をよく調べますが、このPS3のコントローラは酷過ぎレベル。
このDS3、保証期限までは使えるだろうし使えなかったら不良品として交換。だから「DS3は欠陥品」などとここで断言できません。
が、ソニーと言えば、技術立国日本のイメージを確立させた代表格、世にない新しいものを生み出す先進的メーカー。
もう一つのイメージは、リリース後に後からマネシタだけの会社にシェアを奪われる先頭ランナー。
考えられる理由の一つは、既成部位の設計を軽んじてないか?と疑ってしまう設計品質。ソニータイマーなる言葉まで聞いたことあります。
細部を軽んじない設計品質を確保し、真似する前提で待機するマネシタだけの会社に追い抜かれないメーカーになってくれと、一日本人が期待したら迷惑ですか?
無線の状態やMotionInJoyなどのドライバの不具合かな?と思っていましたが、思いっきりコントローラそのものの問題でした。
何にせよ、また起きたら対策すべきこととして記録しておきます。
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