ポク太郎です。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界で難しいのが正義と悪の善悪判定。
世の中が無茶苦茶なので各人の複雑事情→簡単に善悪判定不可。
一見軽薄な悪役に見せながらも、このドラマを重厚な物語に仕立てた立役者キングスレイヤーを擁護するためにある方の行動を物語で例えてみました。
シーズン7までの
を含みます。
キングスレイヤーに反目し続けたのは義と責任の人
シーズン1でまず注目させたのが義と責任の人ネッド・スターク。処刑は宣告した者が執行するべきと己を律し、王の救援要請を自らの責任と引き受けます。
そんな義と責任の人が常に反目するのは、誓約破り代表王殺しジェイミー・ラニスター。自身が誓った君主狂王エイリス・ターガリエンを背後から刺したキングスレイヤー。
自身の信念に真っ向から対立する存在として、ネッドは常にジェイミーと罵り合いを繰り広げました。
まず判明したのは王殺しの真相~シーズン3

まず、ジェイミーの王殺し事件真相が明かされました。
大戦争ロバートの反乱の終盤。王都赤の王城が王側最後の砦。トライデントの戦いに敗れたターガリエン家は敗戦確定でした。その最後の砦で狂王を護衛したのが王の盾ジェイミー・ラニスター。
援軍と称し現れたのは戦争勃発後から狂王がしきりに救援要請を送り続けたタイウィン軍。
父親を最もよく知るジェイミー「父が負ける側に加勢する訳ない。」
ジェイミーは父親の裏切りを確信し狂王に平和的降伏を進言。が、ラニスターの腰巾着であるパイセルを信じる狂王が開城→ジェイミーの予想通りタイウィンが裏切り王都征圧。
怒り狂った狂王が民もタイウィンも鬼火で全部焼き殺せと指令したのを受けジェイミーが王殺し。
つまり、王殺し事件は民と家族を守るための究極の選択でした。
判明するジョン・スノウ出生の秘密~シーズン7

次に判明したのが、大戦争ロバートの反乱のきっかけとされた妹リアナ失踪事件の真相。
上記王都での裏切り制圧の後、ネッドは誘拐された妹リアナをドーンの地で見つけました。
現場は甥エイゴン・ターガリエン出生現場。“誘拐された”と言われた妹リアナは“誘拐犯”と言われた王子レイガー・ターガリエンと正式な結婚を執り行っていました。
大戦争ロバートの反乱の根拠がひっくり返る超真相。
妹リアナは産後に死亡。その死の床で兄ネッドに「約束して。」と嘆願しました。恐らく内容は「赤子エイゴン守って。」
正式な結婚の元に生まれた王位継承者エイゴン・ターガリエン。方々から狙われるのは明らか。
ネッドは自分の落とし子ジョン・スノウとして連れ帰り、以降死すまで沈黙を守りました。
ネッドの行動をより簡単に理解する例え話
アナタは周囲から“必ず約束を守る律義者”と呼ばれるFBI本部の施設管理者。
いつも通りの見回り点検中、施設内に忍び込んだある女性を見つけます。アナタ好みの森高千里並。
その女性の横にはハンデキャップを持った子供。FBIの仕事に憧れる子供に夢を持たせようと見学に来たそう。ハンデを背負う子供に生きる希望を与えようと必死なアナタ好みの森高千里。
次の瞬間、その子供が誤って押したのは炭そ菌警報のボタン。
そこは9.11同時多発テロ直後のアメリカ。警報を受けF35戦闘機がスクランブル発進→情報が錯綜する中、無関係な民間機を墜落させてしまいました。犠牲者は300人規模。
政府「警報はムスリムのサイバー攻撃によるもの」、ムスリム勢力「言いがかり」と次なる戦争に発展しそうな勢い。
子供の将来を心配するアナタ好みの森高千里が内緒にしてとアナタに嘆願します「約束して。」
アナタは自身の妻にも言わず死するまで沈黙を続けました。
軽薄発言を繰り返し、当初は物事を真摯に捉えない悪役として映されたキングスレイヤー。その正体は大義を守るため究極の選択を行い一身に責任を被った悲劇の人。
一方、番組当初から“大人物”と表現された義務・責任の人。約束・誓約に忠実なるも、必死に守ったのはトラブルの根源との約束。
義務・責任の人がすべきことは、世の中大混乱に陥し入れた人物との約束を断ち切り無効化すること。
事情によっては善悪判断どころか“義務・責任の人”の判断がひっくり返ることも。それを表現して見せたのが『ゲーム・オブ・スローンズ』その物語でした。
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