ティリオンと父タイウィンの関係から「常に息子だった」発言をほじくり返す|ゲースロ考察

本ブログでは各緒名家に関連する名称はこの色使いで強調しております。家名、人名、地名など。サイドバー内には簡易地図。
ターガリエン家スターク家バラシオン家
アリン家ラニスター家タリー家
タイレル家グレイジョイ家マーテル家

ポク太郎です。

悲劇、惨劇がショッキングな大ヒット海外ドラマ『ゲームオブスローンズ』の設定はAC200年辺り。古代を想定したファンタジー。

当然作り話ですが、各描写を構想する製作陣の意図を考えて視聴すると深く深く入り込んでしまいます。

このドラマで描かれる胸糞悲劇といえば差別・偏見。

ここでは、描かれた描写に対する初老の解釈を書き連ねます。”差別・偏見”となると、当然着目するのはティリオン

シーズン4までのネタバレを含みます。


ゲームオブスローンズは古代の物語

物語の時代設定は迷信、差別何でもありの大昔。魔女狩りがあったとされる15世紀よりまだまだ昔の話。

ルネッサンス前の世界、恐らく理屈が全く通らない社会。現代人にはとてもじゃないけど理解できる世界ではないと考えます。

モノが上から下へ落ちる、3:4:5の長さで三角形を作れば直角三角形になるなど、簡単に証明できるようなことは当然理解してました。

エジプト文明では既に年金まで存在し、民は現在と同じように毎日ビールらしき趣向品を嗜みながら生きてたなどの話はよく聞きます。

が、サラッとやってみせられない、証明できないものに関してはこじつけが当たり前。

 “神”に仕える宗教者が発する理屈、理由付けに大義名分が与えられてたものと思います。

天変地異が起きたのは神の教えに従わない誰々のせい、「約束の王」の血を受け継ぐ者を生贄にすれば戦に勝てるはず。

“人知を超えた何か”に複雑怪奇な因果や無関係をこじつけ、大量の犠牲者を生み出してきたものと思います。

ゲームオブスローンズ中の迷信

猿から進化した人間の特徴は意思伝達。妄想や想像を他に伝えることができます。となると、中途半端に原因究明できちゃう集団に出来上がるのは迷信。

世界一の富豪一門ラニスター家を襲った悲劇。母ジョアンナよじれた悪魔に取り付かれ、その悪魔が産まれ来る際に殺されました。

産まれ出たよじれた悪魔の猿ティリオン・ラニスター

ゲームオブスローンズ登場人物似顔絵|ティリオン・ラニスター/Tyrion Lannister演じる俳優ピーター・ディンクレイジ/Peter Dinklage|GOTイラスト

どうにもならぬ悲劇に対しやり場のない怒りを何処かへぶつける。そこに持ち出すは世でささやかれるこじつけ。

こじつけと共に肉親も含めた世の中は小鬼インプとして扱います。

現代人が見るドラマなので“小鬼”を単なるあだ名として捉えてるかと。

ドラゴンが飛び回るファンタジーなので、試しに「人間に寄生し命を奪う亜種と扱われてた」と考えてみて下さい。そのようなフシが思い当たるのでは。

タイウィンゲースロキャストicon|タイウィン・ラニスター/Tywin Lannisterの発言は「絶対にキャスタリーロックは継がせない。」

理由は「母ジョアンナを殺したから」「娼館巡り&飲んだくれの邪悪な出来損無いで、肉欲と下劣な滑稽さの塊だから」。

ラニスター家として扱うのは“息子でない”ことを証明できない&謙虚さを得るため自分に与えられた罰だから。

が、神に逆らってでも「キャスタリーロックを娼館にはさせず。」

上記はシーズン3でスタニスから王都を守ったティリオンキャスタリーロック後継を要求したシーン。

会話スタート時に生活改めず寝室に娼婦連れ込んだと嫌味言われてるので、そのせいと受け取ってしまいます。

が、「意地でもキャスタリーロック継がさず」の理由は「母親殺したから」。つまり「ティリオンよじれた悪魔の猿」が理由。

生活改めない現在の件も非難してるので勘違いしますが、「悪魔だから母親殺し、悪魔だから生活改めず」=出生時点のティリオンを“矯正不可な悪”として非難。

直前に労い求められ、タイ「拍手喝采求めるのは芸人、お前はラニスター。」=上で言ってる通りの行動。

つまり、上の“悪魔だから云々”はタイウィンの中での論理的な追求結果。

現代で考えれば、言いつけ聞かないティリオンが悪いんですが、その聞かない理由と母親を殺した理由を同じものと断定しています。

タイウィンが“ティリオン=非人間な悪魔”と信じ込んでたのでは?と伺えるシーン。この場面はシーズン3エピソード1の28分辺り。

関係ない話ですが、語気を強くした要因は他にもあり、怒る理由をわかりづらく隠します。ゲームオブスローンズの特徴です。
この時ティリオンが「ジェイミーは王の盾になり相続権放棄した」と無神経発言。王の盾となったのは、狂王跡継ぎ奪い凹まそうと嫌がらせで任命したから。これはだけを重んじるタイウィンが最も激怒することであり、結果、王の手辞任。ドラマ開始前の出来事。

悲しいのは、ティリオン自身も鎧としてまとってるだけでなく「自分=悪魔」と認識してそうな所。

もちろん出生時の事件は故意ではないが、不可抗力と確信するための社会的常識存在せず。

分かってるのは兄ジェイミーだけ、ブロンは気にしてないだけ、ポドリックは言わないだけ。

父タイウィンとティリオンの関係を表す描写

細切れシーン構成のドラマなので整理しづらいですが、父タイウィンティリオンの関係を示す主なシーンを。

1. 対ロブ戦での野営地でティリオンに王の手代理任命。
長男ジェイミーが捕われ緊急会議。王都を任す娘サーセイが使えず苦慮→状況を理解してるティリオンを王の手代理に。

理由を聞かれ、タイ「息子だからだ。」←ティリオンはビックリしております。

そこへ辿り着くまでの描写は以下。
●再会時久方ぶりの親子会話:タイ「死んだていう噂はデマか。」ティ「失望した?」
●先陣を命令され、ティ「殺すなら別の方法で。」

タイウィンにとって邪魔者と、常々伝えてきたことが伺えます。

王都のシナリオはごちゃごちゃしてるので整理すると、
→この後、ティリオンが王都防衛。
→使い捨て。
→上で書いたキャスタリーロック要求のくだり。
タイレルの策謀潰しから発生したティリオンサンサの結婚。
→棚ボタ北部総督後継要求の際、再度「波にさらわせたかったが息子として育てた。」とダメ押し。
ジョフリー暗殺からティリオン死刑判決。

その後、脱獄したティリオンが向かったのはタイウィンの部屋。

2. タイウィンに何かを確認しに行った脱獄後のティリオン
予想外にシェイ→絞殺→ジョフリーのボウガンを携えて便所へ。

確認事項は「ずっと死んで欲しかったのか?」
タイウィンの答えは、「そうだ。が、処刑はさせんぞ。お前はラニスター、私の息子だ。」

再質問。
「犯人でないと知ってて自ら息子に死刑を宣告した。なぜ?」
→便所なので部屋に戻ろうとするタイウィン

ここでタイウィンシェイを娼婦と呼ぶなとの警告を無視→ティリオン、矢を発射。

タイウィンの捨て台詞「お前など息子でない。」に対し、「アンタの息子だ。」

「常に息子だった。 I have always been your son.(現在完了形)

ティリオンはタイウィンの息子

息子だ、息子でない←捨て台詞的にも使われる言葉なので、なかなか真意は分かりませんが、注目してるのは「常に息子だった。」発言。

どういう思いでの発言なんでしょうか。

タイウィンの発する「私の息子だ。」は「都合のいいときだけ」という感じはありません。理屈は通ってるので。

また、シェイを絞殺しボウガンまで携えてるので、ティリオンは既に覚悟を決めてたと思います。

2番タイウィン射殺のシーンは恐らく全シーズンを通して最もシリアスなもの。だから皮肉的な捉え方は除外。

「ずっと死んで欲しかったのか?」の答えは恐らくティリオンも承知済。

これまでのタイウィンの言動、このシーンの「そうだ」発言の表情を見れば、ずっと本当のことを言ってたと分かります。

でも更に質問を重ねました。「息子へ死刑宣告はなぜ?」もうタイウィンは答えず戻ろうとし、シェイを再度娼婦呼ばわり→矢発射。

切れたタイウィンの「息子でない」発言に、

「アンタの息子だ。常に息子だった。」

ティリオンが飲んだくれて娼館巡りをしてるのは事実。

が、の一員としての責務を果たすため、“剣には砥石、精神には書物”と夜も寝ずに書物を読んできました。

よじれた悪魔なのに父タイウィンに「息子だからだ」と王の手代理に任命され、王都を死守。

諦めてたはずの“父親によじれた悪魔でないと認められるかも”と一縷の望みに賭けてきました。

ティリオンがグンッグンッと虫を潰す従兄弟オーソンをずっと観察し続けたのは、「理由なく殺されるのは酷いことだから。」理由を探し続けてきました。

が、最後まで娼婦を認めないよじれた悪魔でないと改める訳なし。七王国一の実力者で一番の味方になるはずの人物が理由があるのかないのか考えを変えず。

やはり殺害前最後の一言は、

の一員として尽くしてきたこと。
悪魔を否定してくれない絶望。
○殺されることに理由なしを確信した諦め。
○世を捨てる覚悟。

この辺りを表現した心の叫びと受け取るのが正解でしょうか。

辛いドラマです。

王の手代理任命時の忠告「シェイを連れて行くな。」を破り、その後、王都防衛→キャスタリーロック要求のくだり。

タイウィンの台詞がそこを重要視してるように見えるので、ティリオンの忠告無視が原因であんなこと言われてると受け取ってしまいます。

が、とんでもないことを言い放っております。

何気に隠されてる「常日頃からティリオンを邪魔者としてた描写」に気付くと、捉え方が変わってしまいます。

「息子が邪魔者」と現代人にとって非常識な描写を突然サラッと入れ込み、その時点では気付かせず、よくよく台詞を調べるととんでもないこと言ってることに気付く。

その辺りも非常に難しいドラマですが、その見方の変遷を考えるのもゲームオブスローンズ』の楽しみ方の一つと思います。

一つのドラマでドンだけ楽しんでんだよ。暇人過ぎるな、反省します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました