ポク太郎です。
残した結果だけで物事を判断していいのか。海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』を見ながら考えてみました。注目するのはティリオン。
シーズン8までの
を含みます。【ご注意】
ネタに困り、架空の物語を持ち出して有能無能を考えてましたが、結果として『ゲーム・オブ・スローンズ』結末の最終的な解釈に繋がってしまいました。
勤勉な飲んだくれ-ティリオン・ラニスター

完結してから時間が経ってるのでまず人物情報を整理。
○小鬼と呼ばれる身長130cm。
○七王国随一のリッチ名家ラニスター家の次男。
○飲んだくれて娼館通い。
○口が悪いが寝ずに書物。
○揉め事に持ち出すのは金と親族の身分。
王都でティリオンが残した結果-シーズン1~4あらすじ
怪しい存在であることを利用され容疑者に→拉致、それが元で七王国中を巻き込む戦争勃発。
当のティリオンは自力で脱出→王の手代理として政治を行うことになりました。
ティリオンがまず行ったのは、前任のエダード・スタークの轍を踏まぬよう裏切り者の追放と炙り出し。
嘘が蔓延する王都を知り尽くすティリオンが情報網の整備。ゲットしたのは身内である王后を監視するスパイ。
当時のラニスター家から見た解決すべき大問題は、
・スターク家に捕われた兄ジェイミーの奪還。
・勃発した後継者争いにより、王都へ迫るスタニスに備える。
上記大問題を認識できてたのはティリオンのみ。サーセイもできてたがそこはサーセイ。味方の弱点探しに奔走し邪魔にしかならず。
王后サーセイが目を付けた鬼火で王都を守りました。後にジェイミーも自力?で帰還します。
父タイウィン公入城後は使い捨て気味でしたが、大蔵大臣として金の工面に奔走、ロイヤルウェディングの準備も整えました。
結局、その披露宴での大事件が元でエッソスへ逃亡することになりますが、これがティリオンの治世、残した結果。
買われたティリオンの良識と能力
王都時代からティリオンの能力に着目してたのが密告者の長ヴァリス。親殺し、世捨て人となったティリオンをデナーリスへと導きます。
これは、元々予定してたことではありません。ティリオンの木箱で脱出劇の際、ヴァリスは王都に残る予定だったので。
が、ヴァリスは正体を明かし、ティリオンの統治の才をデナーリスへと要求。その後、拉致→奴隷商人に捕獲など紆余曲折後にデナーリスの元へ。
ティリオンは対スタニス戦勝利後、ペントスへと誘うシェイに「王都内の悪者を出し抜いてたい」と固辞。
恐らくそれがティリオンにとっての“政”。
次なるエッソスの地で“政には自分が”とデナーリスにアピール→すぐに相談役に採用されました。
女王の相談役としてティリオンが残した結果
因縁あるターガリエン家に仕えることになったティリオンが残した結果です。
結果 | ティリオンの策 | 備考 |
× | ジョラー・モーモント再追放 | 既に忠義者だが傍には置けずと追放。 後に女王救出しジョラーは問答無用の信頼ゲット。 |
× | 奴隷商人と和平交渉 | 女王不在時に奴隷商人懐柔策。 大規模攻撃の準備に使われる。 |
? | 奴隷商人一人生かして語り部 | ドラゴンの戦力誇示後に一人だけ生かせた。 |
? | ダーリオ・ナハーリス放棄 | 女王が政略結婚要するかもとミーリーンに駐留させた。 |
× | 王都包囲兵としてドーン兵運搬 | 侵略と取られぬようウェスタロス兵であるドーン兵を包囲兵としてグレイジョイ船団で運搬しようとした。 船団がユーロンに襲われ壊滅。 |
× | キャスタリーロック攻め | 強力なエッソス兵で王都の後ろ盾となるキャスタリーロックを奪取しようとした。 ジェイミーの策により穢れなき軍団足止め。 |
× | サーセイとの停戦交渉 | 一旦決裂するもティリオンの説得によりサーセイが援軍を約束。が、サーセイの嘘だった。 |
× | ジェイミー迎合 | 死の軍団との決戦前、王殺しを女王陣営に迎え入れた。が、決戦後ジェイミーはやはりサーセイを見捨てることできず。 |
ほぼ×なので?について。「奴隷商人一人生かして語り部」と「ダーリオ・ナハーリス放棄」の2つ。
普通に考えれば、支配のため恐怖を植え付ける目的なら前者は良策かと。だからそれはいいとして、気になるのは後者の女王の愛人ダーリオ・ナハーリス放棄。
もしダーリオ・ナハーリスをウェスタロスへ連れて来てたら、デナーリス
とジョン
に特別な感情が芽生えたのでしょうか。
初対面時は凄い態度でした。女王はいきなり、

ジョンが正統な後継者であるという事実はブラン、サムウェル
が突き止めるので回避不能。なので最終的には激突するかも。
が、もし…と気になるのは、ダーリオが居ることでジョンと特別な関係にならなかったら。
デナーリスはウィンターフェル城であそこまで疎外感に悩むことは無かったと予想してしまいます。
その疎外感が連鎖し物語の展開に大影響を与えました。なので、「ダーリオ・ナハーリス放棄」策は結果に対する大根元と見ることも。
この件と上にズラッと並んだ×が、ティリオンが女王の元で残した結果。
「結果がすべて」とは言うものの
王都時代は、持たざる武力補填のためブロンをゲットし、ペテン都市王都で情報網を築き上げました。シェイを守りながらサンサを気遣いながら遂行しました。
でも、デナーリスの元では失敗続き。
ティリオンの出す結果の変貌ぶりに違和感を感じません。理由はすべて理にかなった策だから。
例えば、ドーン兵運搬策や穢れなき軍団によるキャスタリーロック攻めはオレナ、ヤーラ、エラリア含め満場一致で納得しました。
どれをとっても奇習やおかしな計画でなく成功しても視聴者は不思議に感じない策。
よく考えるのはサイコロの1。サイコロを振って1が出る確率は1/6、2回連続が1/36、3回連続が1/216、4回連続が1/1296、無限に続けた場合も全部1が出る確率は0ではありません。
優秀だと当りを引く確率が高いだけで、全部失策となる場合は必ずあります。
現実に上記現象が存在するので、物語やティリオン像に違和感を覚えず視聴が進んでいきます。視聴者もそのティリオン像に違和感なく、せいぜいが「最近調子悪いな」程度。
着目してるのは、有能であるはずのティリオンが失策続き&視聴者も“人物像破綻してるやんけ”と感じてないこと。
「結果がすべて」とはいうものの、どう考えてもティリオンの見通しは間違っておらず、理にかなった策略と言えます。
物語内では、デナーリスは結果でなく周囲の進言通りティリオンを使い続けました。
でもそれが破滅へ至るなら元も子もありません。
一定確率での失策は仕方ないし、でもどこかで失策続きを見限る必要があるし。
現実でも優秀と思える人間の失策続きはいくらでもあります。有能無能を判断したいのは、次に信用するかどうかを決めたいから。人間は未来を予測できないからです。
「理にかなった練られた策を生み出す」ことで判断すべきなのか、「結果」から判断すべきなのか。
上記がすごーく難しいことを架空の物語『ゲーム・オブ・スローンズ』を視聴しながら再認識しました。
策を考案する力か?結果か?と、どーでもいいことを書き連ねました。
が、本投稿を書き終えた直後、ティリオンの失策続きが運命的に繋がりました。
ただし最終章の
ですのでご注意。
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