ポク太郎です。
皆がこの『ゲーム・オブ・スローンズ』の登場人物に対してどう思ってるんだろう、とネットの世界をうろついていました。
んなのブログ始める前に見とけよと言われそうですが、そこは初老。一応見ておりましたが、内容に対する理解度が当時と全く異なります。
で、ちょっと気になることを書いてみました。
シーズン3までの
を含みます。重要部分には一応 。
まず前提条件を整理
“大昔”ですから、
●血筋を重んじる徹底したカースト制度。
警察である王都の守人も緒名家が支配、捜査能力も犬程度。王に聴こえるのは被害が大規模な場合だけ。
●現在に通じる道徳観念は薄く、人間も野生動物。
ドラゴンを持ってる弱者が居れば、方々から奪い取りに来ます。
ドスラク人を“野蛮人”と呼んでおりますが、ウェスタロスも目糞鼻糞。
●登場人物全員がまともな教育を受けてない。
この舞台で教育といえば、学匠ルーウィンがブランに各家の標語を覚えさせてた、剣術、弓矢、乗馬、…。
ブランドン建設王から8000年以上続くスターク家でそれ。クレゲイン家やヴァリス、ブロンが何かを教育されてるとは思えません。
上記が前提。ここに、魔法、化けモン、妖術が天変地異のように降り掛かり物語が動きます。
無能なジェイミー一人だけあらすじ
それを重視するからこそ登場人物は素の人格であるとし、好き、嫌い、コイツは無能と評価してるのかもしれません。
が、ここでは、そう言われてる人物を擁護的に分析してみます。
王の盾:ジェイミー・ラニスター、俳優ニコライ・コスター=ワルドー

男前なのか、顔面ホームベースなのか判別しにくいお顔。ラニスターゆえ金髪で、身に付ける物は装飾眩いまさに貴族。
ドラマのアイドルブランにいきなり悲劇をもたらす。周囲から王殺しと呼ばれるが、一切気にしない素振り。自分勝手で軽薄な人物に見せる。
口達者なティリオンの兄だけあり相手を煽る口先は超一流。
ジェイミー一人だけあらすじ~シーズン1
その仇を討ったとジェイミーは主張してみるも、誓約破りの正当化に父と兄を利用と忠義に厚いエダードに一蹴される。
その後、弟ティリオンがスターク家に拉致され、エダードを襲う。怒り狂ってるがティリオン拉致の原因はブランを突き落とした自分。
上記事件を起こした後、王都から本拠地キャスタリーロックへ逃亡。
父タイウィンは「格好付けてラニスターの名を利用してない。」と説教。
ジェイミー一人だけあらすじ~シーズン2
遠い親戚も捕虜となり同房となった際、牢屋番の注意を引き付けるためだけに殺害。犠牲にして逃亡を計るが再捕獲。
ロブ軍の檻にて、キャトリンとの会話。誓約破り“王殺し”を持ち出されても、「誓約多過ぎで実現不可が当然。」と軽口。この場ではティリオンの兄らしく口達者、煽り達者。
ジェイミー一人だけあらすじ~シーズン3
が、よく考えればジェイミー自身が金を利用しようとしたのは初めてかも。上のタイウィンの言い付けの影響でしょうか。
自身にも悲劇が起き気弱になったのか、風呂場にてブライエニーに真相。
王殺しの真相は、
つまり、究極の選択を迫られたジェイミー。
選んだのは王殺し。
ジェイミーの人柄と境遇を追ってみる
状況を整理できず、また、それをうまく説明できず虚勢を張ってた時期がシーズン1~2。
ジェイミーはラニスター家の長男なので教育に関しては武芸、その他それは熱心に。が、教育したのは父タイウィン公。
タイウィン公といえば唯我独尊、「獅子は羊の意向など意に介さん」。金をチラつかせ世からどう思われようが、100年後、1000年後に残るはラニスター家。
公権力や絶対的な王が存在しない舞台、やらなければやられる世界。姉弟と同様父親に反発はしますが、信じざるを得ないのは父タイウィン公。
親戚を利用したのもその教えから来るものかも。
自分が原因で弟が拉致されたのを逆ギレしてエダード襲う、簡単に親戚を犠牲にしたジェイミーですが、もっと以前、王殺しになった瞬間選んだのは民。
タイウィンなら鬼火にも多少は抵抗できるでしょうが、民は無力。
別でも書きましたが、このドラマは大昔を舞台とし、民のことなど気に掛ける人物は極小数。
タイウィン公に育てられながらも、民を優先したジェイミー。元々ジェイミーはそんなお方。
長らく軽薄男として生きておりましたが、ブライエニーとの旅で何か変わってきました。
ブライエニーといえば醜い巨体女。女性でありながら戦士という幸せとは言えない立場。女戦士故に成果も挙がらず信用も得られず。
世からの蔑視を受けてるのは自分と同じだが、生まれに起因する蔑視。
最初は煽りまくるものの、そのブライエニーがふて腐れることなく、必死に忠義を尽くす様を見せ付けられることに。
大切な弟、小人症ティリオンが重なったのかもしれません。
そこからジェイミーの本領発揮。頭の良い人らしい組み立て戦略。
自分の嘘が元で熊と対決させられていたブライエニーを救助。ボルトン兵に囲まれますが、ロックに言い放ったのは、
●でもルース・ボルトンの最優先の目的はラニスターの長男を無事帰すこと。
「褒美を奪ったからと自分を殺したら、ロックの主君ルース・ボルトンは許すと思うか?」
ブライエニー同行をルース・ボルトンに直接頼んだ際には却下されてました。不在時にロックに無理強い。
一切譲らず全部持って行きます。さすがジェイミー。ラニスターの名を自分の形で利用します。
他にも、
ジェイミーの策は、
●タイレル軍に雀を制圧させる→大事な娘マージェリー救出。
●トメン王には知らせず→后マージェリーが戻って文句言う訳ない。
全員の利益を整理し、自分の目的と方向を一致させます。
結局これは間に合わず失敗に終わりますが、ジェイミーはこーいう組み立て得意なんです。
さすがはティリオンのお兄さん。無能とは言えませんなー。
単なる作り話中の登場人物を有能、無能と語るなんてまさに生産性ゼロ。
分かっていてもこの『ゲーム・オブ・スローンズ』、噛めば噛むほど味が出て入り込んでしまいます。
ただよく思うのは視聴者は第三者の目で見るから何やってんだいと見ますが、このような世界に居たと仮定したら結構怖くなります。
自分は何も見えず、周囲も何も見えてない世界。果たして自分は周りの状況を掴めるのだろうか?と不安になります。
教育もなし、教育が必要であることも分かってない時代。そんな中で自分はこうする、人はこうすると勝手に動いています。
そう考えると、自分はコレと確信してしまうのは、マウンテンに襲われエダードの元へ陳情に来たリヴァーランドの住民。
あーなるよなぁ…、俺目端利かないしなぁ…。でも陳情って行動が思い付くかなぁ…。
着眼ポイントを変えると各人物の見え方が変わってくる、にもかかわらず矛盾点があまり見つからない、不思議なドラマです。
と言う訳で、もし別の着眼点で見た方はそれを変えて『ゲーム・オブ・スローンズ』を再視聴するといいかも。噛み続けると更に味が出て面白いです。
今回、着目したのは“教育”でした。
次はこーいうタイトルで書くかも。
タイレル家の悲劇はマージェリーのババアが原因ではないのか
マーテル家の悲劇は落とし子に甘すぎるのが原因ではないのか
タリー家の悲劇はホスター・タリーの教育が原因ではないのか
アリン家の悲劇はホスター・タリーと関わったのが原因ではないのか
グレイジョイ家の悲劇はベイロン一人が原因ではないのか
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