ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目はタリー家とリヴァーランド。各地から蹂躙される河川地域。婚姻による生存を目指すも、各地の紛争に巻き込まれる中原地帯。ハレン暗黒王・ブラックフィッシュがキーワード。
主役にも見えるエダード・スタークの妻キャトリンの実家のため、視聴者には近い緒名家であるもそこまでの存在感はない、このドラマを分からなくする原因でもあります。
緒名家の一角にされるタリー家
リヴァーランドは各地から蹂躙される地
リヴァーランドはウェスタロス中央に位置する河川地域。
北部、西部、南部、嵐の王国のように伝説の英雄が居る訳でもなく、8000年の歴史を持つ家系もない“支配され側”。
キャトリンの実家としてタリー家が緒名家の一つとして紹介されるので勘違いしてしまうが、七王国の一角であった訳ではありません。
ファンしか知らない『ゲーム・オブ・スローンズ』の常識となりますが、この地で七王国の1つとして君臨したのは“島と川の王国”。その実態は鉄諸島から侵略してきたホアレ家でした。
暴君ハレン・ホアレ暗黒王が完成させたのがウェスタロス最大の城“ハレンの巨城”ハレンホール。
その間、タリー家を始めとするリヴァーランドの住民は鉄諸島人に蹂躙されていました。
また、それ以前は嵐の王国に組み込まれたり何だかんだ。肥沃な土地で食いもん豊富だけど基本的に支配され側。
300年前に征服王エイゴン・ターガリエンのドラゴンによりホアレ家全滅&断絶→代表となったのがグレイジョイ家。歴史に名前が出るとすれば9年前のグレイジョイの反乱程度。
タリー家~映像特典動画
〇History and Lore House Tully – Brynden Tully
語り手:ブリンデン・タリー![]() |
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他家はエンブレムにドラゴン、クラーケン、ライオンを選んだ。我らタリー家はマスを獲った。特に水から飛び出すときが最も恐ろしい魚だ。リヴァーランドに住んでいると選択肢はそれほど多くない。もっと酷いことになっていたかもしれない。我らは雑魚だったかもしれない。でも我らは小麦をたくさん作る。水だけでは我らの地ほど肥沃にはならない。古の川の王、嵐の王、岩の王らは、鉄諸島人がやって来て彼らを斧で殴るまでは、何千年もの間ここで血を流し、新しい玩具取り合う子供のように争っていた。
※鉄諸島人がやって来て彼らを斧で殴るまで…リヴァーランドは各地の王が取り合いしてた肥沃な土地。そこを侵略し七王国の1つ“島と川の王国”を建国したのがハレン暗黒王のホアレ家=鉄諸島人。
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ハレン暗黒王の統治下で王国は神の目まで広がり、そこにウェスタロスで見たことのない最大の城を建てた。学匠らは、ハレンは愚かだったがある程度の分別はあったと教える。民全員を奴隷にし拷問するなら、厚い壁を作り背後に隠れるのが最善だ。しかしハレンの巨城に最後の石が置かれたまさにその日、エイゴン・ターガリエンがウェスタロスに上陸した。地平線にエイゴンの軍勢が見えるとすぐに私の祖先エドミンはリヴァーランド側の集団脱走兵をエイゴン側に導いた。ハレンは気づいてなかったと思う。巨大な城の問題はその大きさと傲慢さにより外部が見えなくなることだ。
※神の目…ハレンの巨城直南の湖。
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鉄諸島人にそれが欠けていた訳ではないが、文明の落とし穴に対し無知であることを彼らは誇りとする。でもパン屋なら誰でも火が石の壁をオーブンに変えると言う。そしてハレン暗黒王は遂にその名に恥じない最期を迎え、リヴァーランドの領主らは鉄諸島人を海に追い返した。エドミンの奉仕への見返りとして、タリー家はエイゴンの新トライデント最高領主に任命され、他の領主は全て我々に忠誠を誓わなければならなかった。
※パン屋なら誰でも火が石の壁をオーブンに変えると言う…征服王エイゴンの乗るドラゴンバレリオンの炎で城ごと丸焼きにされたので。
※その名に恥じない最期…真っ黒コゲの炭にされたから。 |
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しかし、古い習慣はなかなか消えない。リヴァーランドは今も昔もウェスタロスの中間子であり、各地のあらゆる屁を嗅がされる。私の先祖はタリー家生存のため同盟が必要だと知っていた。我らマスは何世紀にも渡り非常に多くの川を泳ぎ、非常に多くの王朝に飛び乗ってきたのに、現在の王国のエンブレム半分がヒレを持っていないのは不思議なんだが、タリー家の子供らはタリー家標語“家族、義務、名誉”を教えられる。タリー家のケツの痛みもだが。
※タリー家のケツの痛みもだが…各地の紛争には巻き込まれるのに、自分が巻き込む側にはなれないという意味かと。各地からコキつけられるのに自分の屁はカマせられないので。
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私がナインペニー王の戦いから戻ると、人は“サー・ブリンデン”と呼び、兄ホスターは私に婚約者を呼んだ。確かに大富豪との婚姻はありがたいが、私は戦争で大勢を殺した直後だったので、いつ誰と結婚するかなど決められたくなかった。私は彼との関係を断ち切り、個人エンブレムと共により威圧的な黒いマス“ブラックフィッシュ”を名乗った。当時の私は頑固すぎ、他家が剣で戦うのに対しタリー家は結婚で戦うことに気づいてなかった。
※大富豪…リーチのレッドワイン家の娘です。大量のワインを生産し、その安全輸送のために大規模な海軍を持つオレナ・タイレルの実家。大金持ちです。
※“ブラックフィッシュ”を名乗った…ハレン・ザ・ブラックハレン暗黒王=この地における最低・最悪のもの→“ブラック”は兄ホスターに対する最上級の挑発に値するんだと思います。 |
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その後、私の姪キャトリンがブランドン・スタークと婚約したことで、私たちは狂王との戦争に巻き込まれ、もう一人の姪ライサがジョン・アリンと婚約したことで反乱が激化した。もっと早く兄に従っていれば、ウェスタロス最大の海軍も同行しており、勝利は早かっただろう。もちろんそれを兄に話した事はない。それを謝罪として受け取るだろうから。
※ブランドン・スタークと婚約…狂王に抗議し処刑されたエダードの兄。それで反乱勃発。処刑後もタリー家との同盟を継続するため、弟エダードは会ったことも無いキャトリンと結婚しました。
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兄は既に死に、甥のエドミュアがリヴァーラン城を統治している。釣り針とエサの区別もつかないマスだが、神が我らを助けてくれるはずだ。しかし、彼はタリー家の人間で未婚、戦争が起きている。結末がどうなるかは誰もが知る。たぶん彼女は美人になる。たぶん彼女は金持ちになる。彼女が剣と男らをタリー家に連れてくる限り、彼女は我らがリヴァーラン城城内に吊るされる魚のように見るかも知れない。彼は家族に対する義務を果たし、理解し飲み込むだろう。一家に一匹のだけのブラックフィッシュは無視すればよい。次に、それらを全部愛らしい旗手に変える必要がある。
※彼女…本動画は の特典映像。“彼女”と呼ばれる存在が登場するんでしょう。それに対しブリンデンが今後の期待する展開を話す内容となっております。
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流れに身を任せた婚姻を指針とするタリー家
婚姻により生き残りを賭ける家系タリー家。美人局的な計略でなく魚のように流れに任せる生き方。ただし、それが災いし各地の紛争に巻き込まれるのを特徴とした、ある意味不幸な存在。
家族構成は、
●当主ホスター
●当主の弟ブリンデン
●長女キャトリン→スターク家へ
●次女ライサ→アリン家へ
●長男エドミュア
●里子ピーター・ベイリッシュ
タリー家標語に従い、初対面のエダードと結婚した長女、親子並の年の差ジョン・アリンと結婚した次女。
他でも書きましたが、女性陣は上記なのに対し、最富豪の良縁を断り人生を費やす兄弟喧嘩を続けた叔父に、政略結婚に猛反対する跡継ぎ。
完全に女性の力で生き残った家系として描かれました。それがタリー家。
リヴァーランド~映像特典動画
〇History and Lore The Riverlands – Brynden Tully
語り手:ブリンデン・タリー![]() |
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夜明けの時代から人はリヴァーランドを巡り争ってきたが、地峡ネックの下にあれば当然だ。リヴァーランドがすべてとすべての間にあって何の得になる?ウェスターランドの金、リーチの穀物、ヴェイルの岩山、北部の…雪か? | |
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マッド家はかつて川と丘の王として君臨したが、千年後、家系は衰退し嵐の王に倒され、嵐の王は鉄諸島人に倒された。何年も海で溺れれば、我らの川は海賊と強姦者の類にはかなり魅力的に見えたのだろう。彼らの巨大な城ハレンの巨城は人員や駐屯兵を置くには大きすぎたが、気にする必要はない。結局、鉄諸島人はそこに長く留まることはない。エイゴン・ターガリエンが南に上陸し、以前の多くの征服者と同様リヴァーランドの景観を気に入った。
※大昔~300年前の征服戦争に至るまでの話。
※マッド家はかつて川と丘の王として君臨…元々リヴァーランドを支配してた家系。嵐の王に倒され絶滅しました。本拠地はオールドストーン城て場所だそう。 |
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我が先祖エドミン・タリーは大義のためリヴァーランド領主の脱走を手引きし、ハレン王は自らの塔で焼かれる報いを得た。残念ながらエドミンが得たものはそれだけではなかった。タリー家はトライデントの最高領主に任命された。つまり、何千年も自治してない領主らを統制しなければいけなかった。我々は海の護り城シーガードのマリスター家がいくら生意気な態度でも、ふくれっ面の鉄諸島人から守るために助ける責任を負うようになった。
※300年前の征服戦争時の話。エドミン・タリーが上陸した征服王エイゴンに寝返りました。
※海の護り城シーガードのマリスター家…鉄諸島真東のウェスタロス海岸の町。侵入する鉄諸島人を撃退するための城。マリスター家が治めます。 |
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そこに居た家系を食い尽くしたのに、自分には呪いが掛からないと考えるバカな家系を置いたハレンの巨城を残したまま。統治すべき城を二つ増やされることになる、互いに滅ぼし合うブラックウッド家とブラッケン家を残したまま。他人の懐を狙わないようフレイ家をその地位に留めたまま。マッド家が泥沼に沈むに十分な浅はかさで息子や娘を結婚させたまま。
※自分には呪いが掛からないと考えるバカな家系…リヴァーランドを蹂躙したホアレ家のこと。
※統治すべき城を二つ増やされることになる…ブラックウッド家とブラッケン家は常にいがみ合う代表例として用いられる位仲の悪い家系です。 ※他人の懐を狙わないよう…通行料だけは与えておかないと常に裏切るフレイ家なので。 |
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ターガリエン家の統治下ではリヴァーランドは数世紀、いや、恐らく経験したことない間、平和だった。しかしすべての良いことと同じく遅かれ早かれ全部台無しになる。その台無しには名前があった。エイリス・ターガリエンだ。ウェスタロスには暴君が数多く居たが、同時に複数の有力家系を脅迫しない分別はあった。エイリスは瞬時に三国同盟を作らせた。北部、ストームランド、ヴェイルが彼に反旗を翻した。当然のことなんだが一番血を流したのはどこだと思う?兄ホスターは姪を北部総督エダード・スタークと結婚させ流血を決定付けた。少なくともホスターは彼女をロバートに送らなかったんだから。それでリヴァーランドは狂王との戦争に巻き込まれ、我らの川の一つでレイガー王子が死に、王朝の運命が決まった。
※17年前のロバートの反乱時の話。
※彼女をロバートに送らなかった…“彼女=姪”とはキャトリン・スタークのこと。もしキャトリンをロバートと結婚させてたら、ストームランドは地理的に王都の南なのでリヴァーランドで戦闘は起きず、タリー家の立場も対ターガリエンが鮮明にならなかった、てのがブリンデンの言い分のようです。 ※我らの川の一つでレイガー王子が死…トライデント川の支流で天下分け目の決戦を行い、王軍が敗れました。 |
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ロバートは偉大な軍人であり恐ろしい王だ。誰もが欲しがる玉座に座ってるのに飲酒と買春は狂気の沙汰だ。彼が亡くなりまた戦争が始まった。また軍隊が進軍しまたリヴァーランドは焼けた。ウェスタロス全体が注意しないと、我らの民はこの安全な領土を捨てるのが正解とすぐに導き出すだろう。ドスラクの海のように。そりゃ冗談だが。リヴァーランドは我らの故郷であり、神々が救う。我らはここを愛す。「王が喰らうと、王の手は糞を喰らう」とよく言われるようにリヴァーランドでも同じだ。「七王国が小便するとリヴァーランドは様相を変える」。
※ドスラクの海のように…エッソス大陸の中原域のこと。騎馬民族ドスラク人が荒らし回るので、誰も統治せず草しかない放棄された土地になっています。
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リヴァーランド=常に被害を被る土地
争いが起きると常に荒らされる土地リヴァーランド。ドラマでも、スターク家を攻めようとするラニスター家がまず踏み込んだのはリヴァーランドでした。
大陸中央にあるとはそーいうこと。
それだけならまだしも、肥沃な大地と豊富な魚だけでなく、そこにあるのはハレンの巨城、ブラックウッド家、ブラッケン家、フレイ家、鉄諸島人が突っつく海の護り城。
征服王エイゴンにトライデントの最高領主に任命された先祖の誉も災難のように表現するブリンデンが印象的でした。確かに碌なの居ませんわ。
これも他で書いたことですが、このタリー家・リヴァーランドは『ゲーム・オブ・スローンズ』におけるコミックリーフ。
サーセイ王后やティリオンなどのような大富豪のマヌケさとは異なる、何だか情けない緊張感のない地域でした。
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