ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目は聖兵。アンダル人が信仰した七神正教を守る守備隊です。結局、信仰とは武力によって守られることをハイスパローが認めてしまっています。
アンダロスの地で生まれた七神正教
聖兵~特典映像
HBOドラマのブルーレイメディアにのみ収録された以下の映像特典を参照します。
〇History and Lore The Faith Militant – High Sparrow
語り手:ハイスパロー | |
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現在、人は七神を聖堂内の彫像として知る。しかし、昔は神々自身が人々の間を歩き回っていた。彼らはアンダル人最初の王として丘のフゴールに冠を被せ、彼の子孫が別大陸で偉大な王国を統治することを約束させた。その時が来て、アンダル人が七芒星を体に刻み狭い海を渡り不思議な地ウェスタロスに向け出航した。アンダル人戦士が王国を巡り最初の人々と戦う間、アンダル人の司祭は魂を巡り戦い同様に丁重に迎えられた。勇敢で敬虔な者がどれだけ命を失ったか分からないが逆境は強さを生み出した。最も純粋な正義の信者は敵から信仰を守るため剣を取った。こうして七神聖兵が編成された。
※その時が来て…6000年前のアンダル人来襲時期のこと。
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征服王エイゴンがウェスタロスに上陸すると、総司祭は7日7晩聖堂に閉じ籠った。最後に老婆が黄金のランプを掲げエイゴンに道を示した。総司祭自らがエイゴンを七王国の王として聖別し戴冠した。そして七神聖兵はエイゴンの元に結集し、新たに統一された国家を統治した。しかし、エイゴンと姉妹は信仰を完全に受け入れなかった。総司祭はエイゴンと姉妹の結婚を、すぐに消え去ると思われるヴァリリアの伝統の名残として認めていた。でもエイゴンの跡継ぎが娘と息子を結婚させると、教団はもはやその忌まわしい行為に耐えられなくなった。
※300年前の征服戦争時の話。
※ヴァリリアの伝統の名残…ヴァリリア半島から渡来したターガリエン家では姉妹を后とするのが伝統でした。エイゴンは征服前に既に婚姻しており、上記“跡継ぎ”は妹レイニスとの間にできた息子エイニス。エイゴン自身は七神正教に改宗し総司祭を重んじていました。 |
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総司祭はターガリエン家告発を主導した。ウェスタロス全土で七神聖兵が王朝とその支持者に対し剣を取った。七神聖兵は婚姻の儀式を執り行った司祭を攻撃し罰した。七神聖兵のより強硬派は城壁をよじ登り、王の盾が防がねば王と家族を殺害していただろう。恐れをなした王はドラゴンストーン城に逃げたがすぐに痙攣死した。
※恐れをなした王…病弱な2代目王エイニス。逃亡先で痙攣死しました。
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そして王の弟、残酷王メイゴルが即位した。彼の最初の行動は彼の統治が不敬虔なら自分を殺すよう七神聖兵に挑戦することだった。永遠の教団の名誉のため彼らはそれを受け入れた。サー・ダモン・モリガンは7人裁判を提案した。サー・ダモンと6人の七神聖兵が王と6人の勇者と対決する裁判だ。王国そのものが賭かったこの戦闘にはたくさんの物語や伝説がある。しかし、最終的にメイゴルだけが生き残り王位は正統に彼のものと証明された。彼は黒竜バレリオンに乗り、七神聖兵が朝の祈りを捧げる最中に王都の聖堂を焼き払った。焼け落ちる者らの叫び声が街中に響き渡ったという。メイゴルは7人裁判で勝利し、七神聖兵と信仰そのものを完全に破壊することを要求した。彼は至る場所で教団と戦争した。しかし七神聖兵は降伏せず自ら軍隊を組織し、メイゴルの領主らを彼に敵対させた。ファーザーの正義は常に迅速とは限らないが確実なものだ。ある朝、メイゴルは鉄の玉座上での死亡が発見された。なぜそうなったのか誰も知らない。メイゴルの残酷さは彼と一緒に消え失せた。
※正統に彼のものと証明された…決闘裁判の根拠は「神が正しい方を勝たせるはずだ」なので“証明”という言葉で表現。
※王都の聖堂を焼き払った…残酷王メイゴルはこの焼け跡にドラゴンピット竜舎を建造しました。また七神聖兵はこの反乱時にドラゴンも襲って殺したらしい。 ※鉄の玉座上での死亡が発見された…暗殺・自殺両方の噂があります。ハイスパローは教団との対立にのみ注目してますが、残酷王メイゴルの即位は継承権争いも同時発生、また、呪われた血なのか子供は全員死産。気がふれてしまい重鎮含む周囲に完全に見放されて最期を迎えました。 |
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彼の後継者は統一された王冠と信仰の知恵を理解し、彼の王の手は総司祭と協定を結んだ。鉄の玉座が信仰を守る限り、教団側は自らの剣とターガリエン家への非難を脇に置くことになった。おそらく総司祭は妥協以外道なしと思ったのだろう。何年も蹂躙されていた七神聖兵はかつての姿の影に過ぎなかったからだ。
※彼の後継者…調停王ジェへアリーズ一世のこと。王の手は恐らくメイゴルを見限り調停王を擁立したデイモン・ヴェラリオンと思われ。
※脇に置くことに…近親婚を黙認するってこと。 ※妥協以外道なしと思ったのだろう…これはあくまでハイスパローの見解。狂信者なので。 |
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信仰自身の守護者が居なければ、教団は腐敗した世俗の王とその腐敗した世俗の宮廷に頼らざるを得なくなる。何千年もの間、七神聖兵は見守ってきたがその信仰は日没を迎えた。戦争・破壊・忌まわしい行為・冒涜の年月が経ち、暗闇の中歩んだことに異論を唱える者は居ない。太陽が昇るべき時が恐らく来たのだ。
※太陽が昇るべき時…“太陽”とは七神聖兵が額に入れる七芒星を指してのことかも。意味深。
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狂信者の主張は“武力で思想押し付け”
狂信者と呼ばれる所以か、信仰は武力で押し付けるものと飛躍してしまった様子。被害者ムーヴ=防衛の語り口ですが、従わない王様をとっちめることを善としてそうです。
この残酷王メイゴル時代は“七神聖兵の蜂起”と呼ばれ、「七神教団との悶着」と「継承権争い」が同時に発生してるため分かりづらいです。スッキリと全部知りたい方はこちら。
注目すべきは次の名君ジェへアリーズ一世調停王。ハイスパローは教団側が仕方なく応じたと発言しますが、“調停王”とまで言われる名君なのでホントのとこはどうなのか。
上手に王家側の言い分を認めさせたて意味の調停なのか、それとも万人を納得させたて意味の調停なのか。
ハイスパローの発言です。
視聴前の方へ。ドラマ本編でのその200年前が調停王ジェへアリーズ一世です。聖兵の武装禁止令を受け入れさせました。以下ポイントを頭に入れて下さい。
○この協定は教団側に何を飲ませたのか。
○その一部を破棄しろと命令したのはどんな人物か。
もちろんその人物は「一部だけの破棄」と言い張るでしょうが、正確な周知手段の無い古代。当然「全部破棄だろ?」と思い込む輩も。
これが『ゲーム・オブ・スローンズ』最大のギャグ。是非、背景を知って爆笑して頂きたいと思います。
シリアスな歴史ドラマと勘違いしてる視聴者も是非再度『ゲーム・オブ・スローンズ』を見つめ直して下さい。
ローマ教皇やアラーの神他、宗教的な象徴を茶化したり冗談に使うことは一般的にタブーとされてる気が。
物語中とはいえ七神正教とはゲーム・オブ・スローンズ中のキリスト教。聖なる信仰、神聖な儀式、ホーリーな世界。
それをあの人物のギャグに展開するというのはどうなんでしょう?日本人だから爆笑してますが、海外では受け入れられてるんでしょうか。
何にせよ、神聖なる宗教をネタに最大のギャグを構成するここの制作陣は、
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