ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目はハイガーデン城。ドラマの時代は南部総督タイレル家の城でしたが、建造したのは元リーチ王ガードナー家。その由緒ある城をネタに武人ランディル・ターリーがぶちまけます。
優雅なハイガーデン城は元リーチ王の城
ハイガーデン城はガードナー家が建てたもの
ハイガーデン城とはリーチのが建造した竜舎のこと。王都の赤の王城付近にある施設です。
王都南西から流れる優雅なマンダー川ほとりにある優雅な城。
元リーチ王とは8000年前の庭師王ガース・ガードナーが興したガードナー家。胚芽中で花粉が受精するように、大量の子孫を作ったことを武勇伝とする英雄です。
なのでリーチの名家はほぼ全部ガース・ガードナーの子孫。
そのリーチがタイレル家に渡されたのは300年前の征服戦争時。
征服王エイゴン・ターガリエンが来襲し、マーン・ガードナー九世出陣→ドラゴンの炎で一族全員戦死→ハイガーデン城の執事雑士ハーラン・タイレルが城門を開け城差し出し。
結果、タイレル家が南部総督=リーチ領主に任命されました。
寝返りにも見える構図ですが、リーチ全域が“勝てる訳ない戦争”との認識が強かったようで、非難するのはごく少数でハーランの判断に追従した、と認識しています。
「植物が育つように生きるリーチが炎吐く者にケンカ売るなんてあり得ない。」
その後、征服王エイゴンは七神正教教団本部、総司祭の居る当時の最大都市オールドタウンに到達しますが、ハイタワー家もエイゴンを“統一王”として認め、戴冠式を執り行いました。
ハイガーデン城~特典映像
History and Lore Highgarden – Randyll Tarly
特典映像→〇語り手:武人ランディル・ターリー | |
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タイレル家がハイガーデン城の所有権を主張しているが、自ら建てた城ではない。彼らは初代リーチ王の子孫と主張するが女性ラインの血統だ。真実は、領主でなく王としてリーチを統治した時代にガードナー家がハイガーデン城を建てた。名前が証明するように、ガードナー家が庭師王ガースの真の後継者であり、家と王国を興し法と秩序をリーチにもたらした。
※女性ラインの血統…自分のターリー家はガードナー家の息子二人が興した家系。“家名変えた分家”みたいな。武人なので女系をちょっと見下す故の発言。
※名前が証明する…ガードナー家の綴りはGardener。そのまんま庭師です。 |
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彼は娯楽の宮殿でなく要塞としてハイガーデン城を建てた。暗黒時代、アイロンボーンはマンダー川を自由に襲撃し、ドーン人は現在より更に厄介な存在だった。我らの永遠の恥辱だが、かつてドーンの軍隊がハイガーデン城を征圧し、ガース・グリーンハンド自身が築き、歴代ガードナー王が座った玉座オークンシートを破壊した。ガードナー家は賢明にもその田舎を鎮圧し守るため自ら出陣した。角の丘城ホーンヒルの我が先祖も加わり、リーチの他家も加勢した。ハイタワー家すら戦わず服従し、領外に対し弱体化する戦よりガードナー家との結婚を選んだ。
※マンダー川…王都南西からリーチ河口部まで流れる川。オールドタウンへ流れ出るハニーワイン川とは異なる。
※ガース・グリーンハンド…庭師王ガース・ガードナーのこと。鉢植えを触り続け手が緑色に染まってたものかと。 ※ハイタワー家すら…ハイタワー家は庭師王がリーチ王として立身する以前からハイタワー王国として君臨してたので別格扱いです。 |
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しかしそれでも部外者はやって来た。アンダル人がウェスタロス全土を席巻し、多数の古代の家系や王国を滅ぼした。サー・アレスター・タイレル率いる侵略者がリーチに到着すると、ガードナー家は戦より妥協を選び、名誉と結婚が外国人の野心を満たすと期待した。タイレル家はハイガーデン城に世襲で仕える執事として迎合された。数千年後、彼らはガードナー家に受け入れの恩を仇で返した。
※サー・アレスター・タイレル率いる侵略者…6000年前辺りの話。翻訳に自信がないが文脈からも判断するに、タイレル家は侵略してきたアンダル人側のようです。
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エイゴン・ターガリエンがウェスタロスを入手したと宣言すると、マーン九世はウェスターランドのローレン・ラニスター王と同盟を結んだ。真人間が恥晒しとされる程の一族伝統を持つ別の海外蛮族からウェスタロスを守るため彼らは共に戦った。しかしドラゴンが勝った。フィールド・オブ・ファイアがマーンと息子、孫、兄弟全員を奪った。
※ウェスタロスを入手したと宣言…まだ七王国と戦争してない段階、後の王都キングス・ランディングの地にていきなり大陸の統一王だと宣言しました。その時点の話。
※真人間が恥晒しとされる程の一族伝統を持つ別の海外蛮族…アンダル人とは別の、近親相姦文化を持つヴァリリア人のこと。 |
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ハーラン・タイレルは城を本来の目的で使うのでなく、戦わずにエイゴンに明け渡した。代わりにハーランは、彼の家系が何千年間仕えた城と、付随する全領地と領主、我が家系も与えられた。かつてのタイレル家は恐らく偉大だったが、ハーランは海外の侵略者に開けるべきでない門を開けたことでその名誉を手放した。
※彼の家系が何千年間仕えた城…ハイガーデン城のこと。
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それ以来、称号を軽視しないタイレル領主は居なかった。誰もが知るが、女が家を指揮した結果どうなったか見てくれ。彼らの正統な領主、後継者、女王は死に、悲しみ・老衰で王土への忠誠を忘れた縮んだ婆が残った。引き抜く手が来襲したとき、彼女の茨は他の薔薇より彼女を守らない。
※軽視しないタイレル領主は居なかった…ややこしい言い方だが、全員軽視したてこと。
※正統な領主、後継者、女王…当主メイス・花の騎士ロラス・王后マージェリーのこと。 ※王土への忠誠を忘れた縮んだ婆…オレナ・レッドワインのこと。 ※彼女の茨…オレナ・レッドワインは通称“茨の女王”。 |
武人とはかくありけり
「オレナも敵か?一緒に育った幼馴染だぞ」とは言うもののソコは厳格な武人。“統治・指揮”は女の仕事ではありません。
300年前の話で正確に伝わらず確定できませんが、一番説得力あった分析はマージェリーの、
男がこだわる邪魔な男気、トットと捨てなさいよ!」
でも当然それは“武人”には通用せず。
マージェリーの敵は領内に居たようです。アホの相手してる場合ではありませんでした。ソコ説得して味方に付けないと。
でもアホの相手してる場合ではないのは武人も同じ。
女が家を指揮した結果を見ろと発する軍人ランディル・ターリーさんには、女が王国を指揮した結果を是非見てもらいたいものです。
その女はもっと凄いぞ?忠誠誓ってる場合ではありませんよ?
歴史とは勝者が作るもの。そう言われる理由が分かります。
「先見の明あるハーラン・タイレル」と言い表せば多数が賛同したと捉えるし、「寝返ったハーラン・タイレル」と言い表せば出世目的で恩人を見捨てたと捉えるし。歴史もビデオ判定が必要。
原作者GRRMさんはソコ利用して、視聴者に調査させ・ケンカさせ・考えさせています。惹き付けるための最善の方法。上手いこと考えるね。
実際の人類史もそんなパターンが多数あるんでしょうな。日本の戦国時代の研究なんてそればっかりだし。
作り話はそれで夢中になって調べるのに、人類史に対しては一切興味の出ないポク太郎でした。
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