ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目は古代の身分制社会の常識落とし子。王后に落とし子指摘されたエリア・マーテルがその常識を説明します。
ゲーム・オブ・スローンズは古代の身分制社会
〇History and Lore The Bastards of Westeros – Ellaria Sand
ドーンでは扱いが異なる落とし子
落とし子は出生した地によって名乗り方が異なります。父親方の地盤を名乗るのか、母親方の地盤を名乗るのか判別が付かなくなるからと思われます。
動画内で説明されますが、それぞれが名乗る姓は以下。
北部: スノウ |
鉄諸島: パイク |
リヴァーランド: リヴァーズ |
谷間: ストーン |
王都: ウォーターズ |
岩: ヒル |
嵐: ストーム |
リーチ: フラワーズ |
ドーン: サンド |
正室以外から生まれたサイテー最悪なヤツらと、一切責任の無いその子供が理不尽に差別されるのが『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界。
その落とし子制度が原因で国乱に至った例も。そんな中、ドーン公国だけは扱いが異なり蔑視されない風土です。
落とし子~映像特典動画
語り手:エラリア・サンド![]() |
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性。単純な行為を表す単純な言葉だ。そして人はそれを複雑にする。妻から生まれた子供は神からの贈り物、愛人や下賤の娘から生まれた子供は落とし子であり、父の名に値しない。 | |
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代わりに生まれた土地に因んで子供たちを呼ぶ。リーチではフラワーズ、西部ではヒル、ヴェイルではストーン、ストームランドではストーム、リヴァーランドではリヴァーズ、王都ではウォーターズ、鉄諸島ではパイク、北部ではスノウ、そしてドーンではサンドだ。 | |
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これらの名前により、たとえ父親がそう扱ってなくても誰でも落とし子だと分かる。莫大な金や娘を持つ父親は落とし子を嫡出子と認め、家名を与えるよう王に求めることがある。正妻が反対したら次の妻は反対しない。しかし神の冗談か、後に正妻が実の息子を授かることが時にはある。このようなことが起こると子供は死に父親も死ぬ。
※次の妻は反対しない…跡継ぎを産んだ女性を妻にするという意味かと。
※子供は死に父親も死ぬ…既に家名を与えられた落とし子が邪魔な正妻の息子と、ソッチを後継者指名するであろう父親を殺しちゃうという意味かと。 |
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高貴なターガリエン家でさえ、兄弟が姉妹に飽きると落とし子が産まれた。多くは征服王の剣に因んでブラックファイア家を名乗った。エイゴン無才王が死の床で落とし子全てを正統化すると、彼らは本当の後継者に反抗した。ウェスタロスは血を流しドーンは呆れた。
※兄弟が姉妹に飽きる…ターガリエン家は近親相姦家系なので通常后は兄弟の姉妹。
※ブラックファイア家…家名を名乗る時点で定義上は落とし子ではありませんが、周知の事実なので。 ※エイゴン無才王…100年位前の歴代最悪の王Aegon, the Unworthly。字幕では“エイゴン下劣王”でした。正統化されたブラックファイア家が正統な後継者だと主張し玉座を巡り大戦争を巻き起こしました。 |
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ブラックファイアの反乱はウェスタロスほぼ全員が既に知ることを証明しただけだった。落とし子とは裏切りであり、欲望と恥から生まれた。しかしドーンでは欲望は恥ではない。落とし子だからといって他より裏切り的でないことをドーン人は知っている。人は助けを必要としない。
※既に知ることを証明しただけ…エイゴン無才王の跡継ぎデイロン二世の施策に抵抗する勢力が後押ししただけで、結局落とし子ブラックファイア家が悪者扱いされただけの結果に終わったから。
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ゲーム・オブ・スローンズの身分
“貴族”・“落とし子”しか存在しない社会ではなく、ややこしいので整理すると、
緒名家 | ターガリエン王家・スターク家を始めとする最上級貴族。 |
旗手 | オレナ・タイレル実家レッドワイン家、サムウェルのターリー家、ハイタワー家など緒名家に匹敵する上級貴族。大昔その地方の王だったとか、大富豪だとか色々。スターク旗手モーモント家・アンバー家も8000年の歴史があったり。 |
下級貴族 | 貴族らしからぬ貴族。マウンテン・ハウンドのクレゲイン家やリトルフィンガーのベイリッシュ家など。食もままならず壁へ向かうエディソン・トレットの家系とか。場合によっては八方から蔑視されるフレイ家や何の役にも立たない海賊グレイジョイ家を指す場合も。 |
落とし子 | 上記家系の長が正妻以外の女性に産ませた子供。ドーン以外では蔑まれる存在。 |
平民 | 壁のグレン・ピップ・ラストや娼婦ロス・シェイなど。ただし、ヴァリス・ブロンや学匠らパイセル、ルーウィン、クァイバーンなど権力中枢に入り込む者も。ボルトン家の家来ロック・犬舎長娘ミランダもこの分類。 |
奴隷 | エッソスでは軸が違いますがもっと酷い環境も。ミッサンディ、グレイワームが奴隷。エッソス起因の赤の祭司ミアのソロス、メリサンドルもこの分類と捉えて差し支えないかと。エッソスでは語り部ですが。 |
『ゲーム・オブ・スローンズ』導入用資料としての特典映像なので、重箱の隅突っつくのは適しませんが以下例も。
壁北捜索中に反乱を起こしたカール・タナーとか。
タナー家てのがある訳でなく、王都のタナーズショップなる怪しい場所を示すようです。貴族の娘が暴漢に襲われできた子供の名前だとか。闇の深い世の中です。
落とし子が蔑視される概念
いわゆる奴隷制と同じ概念から生まれるもの。
奴隷とは戦争相手・敵国の人民なりその兵士。信用できないけど全部殺してたらキリないので最下層でこき使おう→その子供も遺伝してるかも→身分として固定しよう。
サノバビッチなる言葉で表されるように、落とし子とは“浮気・不倫したチーターから生まれた信用ならぬ人物”。
「子供は親に似る」は判明済だけど、何の要素がどこまで似るのか全く不明な古代なので割り切れず結局それが制度に。当然「同じ人間カモ?」なんて発想しない権力者側の既得権益でもあるし。
サーセイにそんな思案できる訳ないもの。
奴隷制を敷いてないウェスタロスの地でも、それと全く同じ概念で制定する被差別階級が落とし子でした。
登場した落とし子
『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場した落とし子は、
ジョン・スノウ、ラムジー・スノウ
、エラリア・サンド
、オバラ・サンド
、ナイメリア・サンド
、タイエニー・サンド
。
意識してないと思いますが、

スピンオフ『ダンクとエッグの物語』とは問題のブラックファイアの反乱後のボロボロのウェスタロス内を旅した王族少年エッグの物語。そこに登場する筈の人物です。
「自分の子供が一番大事」な人間なので当然日本でも同じ。奴隷が存在せず「百姓」と呼ばれるように全員が家系を持つ地なので落とし子は無いですが、別の優劣が。
北条得宗家の長男北条時輔は側室の子だから劣等、正室の子である年下の北条時宗が優先されました。生物学的ルールでなく人間のルールなので当然無茶苦茶。何とでも言い張ります。
徳川家康の次男結城秀康とは徳川幕府を継いだ三男徳川秀忠の兄。長男松平信康は21歳で切腹。
ギリギリの戦国時代を乗り切るためとの言い訳でしょうが、どう頑張ろうが人間がそう決めただけのクソルール。
なので時の権力者が「落とし子でない」宣言すると名家の跡継ぎに早変わり致します。ファンタジー要素として紹介する“落とし子”ですが、そのポイントは自然現象が勝ります。
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