ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目はターリー家。リーチ軍を最強たらしめる軍事貴族。後継者サムウェルを追い出したガンコ親父ランディル・ターリーがその理由と当主の責任を語ります。
角の丘城ホーンヒルは軍事キャンプ
ターリー家~特典映像
History and Lore House Tarly – Randyll Tarly
特典映像→〇語り手:ランディル・ターリー | |
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布の旗なんぞでそうなるかのように、ほとんどの家は野生の獣をエンブレムにし、自らを熊・ライオン・雄鹿と呼ぶ。ターリー家とは異なる。我らの紋章は弓引く猟師で単なる空想ではない。ターリー家の息子はスプーンを握れるようになるとすぐ弓を与えられる。少年が馬に乗れるようになるとすぐ父親が狩りに連れて行く。彼らは牡鹿、トナカイ、イノシシ、キジのツガイを持ち帰る。たとえ何日掛かろうとも。たとえ1週間掛かろうとも。たとえ少年の一生掛かろうともだ。
※ほとんどの家は野生の獣をエンブレムにし…ほとんどの家は家系紹介時に必ず他家を批判します。ランディル・ターリーもそこは違わず。
※たとえ少年の一生掛かろうとも…追い出した長男サムウェルへの捨てきれぬ期待も見え隠れするお言葉。 |
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角の丘城ホーンヒルは我らの拠点だ。リーチ最古で、最も名誉ある一家にふさわしい城だ。伝説によると、ガース・グリーンハンドの二人の息子、猟師王ハーロンとホーンのハーンドンが英雄時代に城を築き、100年間家と妻を共有したそうだ。大家のほとんどは起源についてそういう意味のないこと口にする。少なくとも我が一族は他のように失った古代の王冠を主張してない。ターリー家ターリー家は兵士を育てるのであって王を育てない。
※リーチ最古…リーチの宗主は庭師王ガース・ガードナー。鉢植えにより手が緑色だったのか本文のようにグリーンハンドとも呼ばれます。ガードナー家は300年前に征服王エイゴンに倒され滅亡。庭師王の息子2人が創始者なので“最古”ですが、子だくさんが庭師王の武勇伝→リーチの名家はほぼ全部庭師王の子孫なので、ほとんどが“リーチ最古”てことに。
※家と妻を共有したそう…英文見るに妻も共有したかのような。でもA wifeとは言ってないので単に二夫婦が一緒に暮らしただけかも。 |
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ガードナー家がリーチを支配した頃、我らは忠実に仕えた。ガードナー家が滅亡し、彼らの執事であるタイレル家にエイゴンがリーチを預けた後、我らは忠実に仕えた。タイレル女は分かってないが、我らは自分の立場を知る。
※タイレル女は分かってない…誰のことを言ってるのでしょう?ドラマに登場したタイレル女と言えばオレナ・レッドワインとマージェリー…。
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エイゴンの息子がドーンのハゲタカ王の反乱に直面した際、我が先祖荒くれサム・ターリーはハゲタカ狩りに王軍を率いた。我が祖先から伝わるヴァリリア鋼、家の誇り心臓裂きハーツベインはすぐに先端から柄まで反乱者の血で真っ赤になった。ロバート・バラシオンがエイリスに反乱を起こした時、私はタイレル軍の先鋒を率いアシュフォードの戦いで彼に唯一の敗北を与えた。
※エイゴンの息子…病弱な2代目王エイニス。300年前の偉大な征服王エイゴンが亡くなり、当時の敵対国マーテル家が必死に逆襲してました。このハゲタカ王とマーテル家は無関係だと後に証明されましたが、以降100年以上ドーンと戦争を繰り返します。
※アシュフォードの戦いで…17年前のロバートの反乱当時。アシュフォード城とはリーチ領内でストームランドと隔てる山脈中にある城。破竹の勢いで迫るロバートの進軍を防ぎ北方へ逃亡させました。 |
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しかし猟師は一瞬のミスで獲物を失う可能性を知る。名家は弱い後継者1人により滅びた。サムウェルは出生時は息子に見えたが、娘のようにふっくらと柔らかく育った。私はヤツが台所で巨大に広がる口にケーキを押し込んだり、訓練の場である庭で本を読むのを目にした。私はヤツを男にするためウェスタロス中から武術の達人を雇った。ヤツは鎖かたびらのまま眠って雄牛の血を浴びた。分からせるため母親のドレスを着せ城中を歩かせ恥をかかせた。ヤツはますます太り更に臆病になるだけだった。妻がもう1人の息子ディコンを授かるまで私は家の行く末に絶望していた。本物の息子であり立派な後継者だ。サムが邪魔しなければそうなる。ある朝、私はサムを城外の森に連れて行った。私はサムに勘当の理由は一切無いが、ハーツベインは振るうだけの力を持つ男に与えられるべきだと言った。サムはその柄に触れる資格もない。彼が黒衣を着て弟の剣と称号への権利全部放棄するか、私がヤツを豚のように追い詰めるかどちらかだ。もちろん、危険と困難に面した彼は臆病者の道を選び、壁に向かいよちよちと北へ向かった。
※訓練の場である庭…武人ランディル・ターリーは自身の城を軍事キャンプのように捉えてるので。
※臆病者の道を選び…“死を選ぶ”が武人の選択なので、恥も外聞も捨て生きながらえようと壁行きを選ぶのは臆病者の道。 |
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私の行為を残酷と言う者も居るだろうが気にしない。私より前に父が、そして私より前にその父がそうだったように、私はターリー家に対し責任がある。猟師が手ぶらで帰れば家族は飢える。戦士が空の鞘を持ち帰れば家が焼ける。ターリー家は何千年間存続してきた。私の監視下では崩壊させない。家族がどれだけ涙を流そうとも。
※家族がどれだけ涙を流そうとも…妻メリッサはもっと先進的な考えの方。凝り固まった爺のこだわりを妻に罵られてる様子がドラマ内でも演出されました。
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武人ランディル・ターリーで見る古代の事情
“望みの子供でない”から排除する、虐待する。ティリオンしかり、スタニスの娘シリーンしかり。
例えばティリオンの場合、強靭で戦闘に長けるラニスター騎士に成れるか、シリーンの場合、亭主が熱望する男児に成れるか。いづれも明らかに無理。なので判断は簡単。
じゃあ、サムウェルの場合は?→矯正可能かどうかの判断が非常に難しいポイント。
現代なら人権が幅を利かせ“子供の個性”重視、不向き・本人が不向きと判断する方向へ向かわせるのは不適当と判定されます。
が、ここは健常者でも生き残ることが難しい古代が舞台。
兵士のヘルメットを被り、“姫”には相応しくないおてんば娘を父が面白がればトラブルは無いですが、それで生き残れるかは別。
文中に壁行き=臆病者の選択と表現してますが、武人として死を選ぶならそれで滅亡→本末転倒じゃねーかと思ってしまいます。
ですが、古代においてはソッチが詭弁。
現在のように漁船に乗ったことない者でも毎日魚を食える世界でなく、医学が発達しLGBTに理解を求められる世界でもありません。
夜盗に襲われても復讐どころか、機を狙う隣人にまで更に盗まれそうな古代。
生き残った理由はターリー家の家訓・信条。妻メリッサに小言を言わせるポリコレ対策気味のアレが何とも安っぽいですが、絶対に曲げる訳にはいかない家系の信念が歴史に重みを与えます。
つまり、根拠も怪しい向き・不向きの判断が認められる、男か女かを自分で選べるなんてのは「それでも生きてけるヌルい世界が作られたから」。
当然、プーチンや金正恩を殴り殺す戦闘力が無けりゃそんな世界継続できませんぜ。
ふと思ったのは「エダードがターリー家の当主だったら」。別方向でタイウィンでもいいや。
どうなるんでしょ。
そーいう話考えるの得意な人居るでしょ。小説書いてる方とか。面白そうだから、ソッチ系のスピンオフ書いてみてよ。
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