ポク太郎です。
話題は『ゲーム・オブ・スローンズ』界の最重要な城ハレンの巨城とドラゴンストーン城。
300年前の征服戦争以降、ターガリエン家の直轄地なので前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でも重要施設となるはずの城について調べます。
HBOによる事前動画参照。語り手はキャトリン・スタークとスタニス・バラシオン。
シーズン1の
を含みます。またシーズン7、8の出来事に多少触れる部分を内包します。ブルーレイ映像特典であるYoutube動画の自動字幕参照
今回はその内の以下2つを見て、『ゲーム・オブ・スローンズ』の大前提征服戦争時の地政学的な戦況を想像します。
●「History and Lore of Westeros – Harrenhal」
●「History and Lore of Westeros – Dragonstone」
ブラックウォーター湾周辺地図

1 | 神の目 | ハレンの巨城南の湖。 |
2 | 顔のある島 | 神の目中央に浮かぶ島が“顔のある島/the Isle of faces”。古の神々を信奉したハートツリーが生息する最南端。 |
2 | ブラックウォーター川 | 神の目とその西ストーニー・セプトから流れ出る2本が王と南で合流し、ブラックウォーター湾へ流れ出る川。 |
ハレンの巨城歴代城主
動画内で語られますが、ハレンの巨城は巨大すぎて誰も維持できない呪われた城。複数の家系が統治者として任命されていますが、いずれも滅亡しています。
1 | ハロウェイ家 | ハレンの巨城城主ルーカス・ハロウェイの娘アリスが3代目残酷王メイゴルの2番目の妻。残酷王は既にハイタワー家から后を娶っておりイザコザ発生。征服王の姉で残酷王の母ヴィセーニャも絡んでたようです。 |
2 | ストロング家 | 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でキャスト発表済の家系。法相ライオネル・ストロング、剣士ハーウィン・ストロング、次男ラリス・ストロングの家系。 無関係かもですが、原作小説ではマウンテンの遺体から製造されたとされるマウンテンロボ |
3 | ロシュトン家 | 動画内で語られる怪談話に登場する家系。 |
HBOドラマの“ハレンの巨城”逸話・言い伝え
語り手:リヴァーランド出身キャトリン・スターク![]() | |
1 |
|
顔のある島北にある神の目の湖岸には、傲慢と残虐のモニュメント、ハレンの巨城がそびえ立つ。船自慢の鉄諸島人らが略奪を持って船を離れる機会をとらえ、平和なリヴァーランド領主らから古くさい略奪で広大な王国を切り開いた。帝国はハレン・ホアレ王の下で頂点に達した。脅迫された人々や部下からは“暗黒王”と呼ばれたが彼らはそれを誇った。 顔のある島…ハレンの巨城南の湖が神の目、その中央に浮かぶ島が“顔のある島/the Isle of faces”。古の神々を信奉したハートツリーが生息する最南端。 | |
2 |
|
ハレン王はリヴァーランドを奴隷にし、ウェスタロスが見たこともないような強大な要塞を築いた。城壁内に100万の兵を駐屯させることができる程広大な城なため、冬到来から去るまで、攻略を依頼された軍隊は城が落ちる前に老いて白髪になってしまう。彼が注文した5つの塔は、握った指のように天に向かいおぞましく伸びる。彼が征服の象徴として私らの人民に建設を強制したものだ。 | |
3 |
|
しかし、奴隷が最後の石を置いたその日に、エイゴン・タ-ガリエンとその姉妹が南に到着した。彼らが小軍隊を連れて到着すると、ハレンは笑いながら門を閉じた。ハレンの巨城は最初の簡単なテストを受けることになるが、失敗に終わる。ハレンの巨城はウェスタロス全軍からの攻撃に耐えられるが、ハレンはどんなに高く厚い壁でもドラゴンに対しては無意味と学んだ。ドラゴンは飛ぶからだ。ハレンとその息子たちが死んだことで、ハレンの巨城はすぐにエイゴンに降伏した。 エイゴン・タ-ガリエンとその姉妹が南に到着…征服王エイゴン、姉ヴィセーニャ、妹レイニスがドラゴンで攻め込みました。三人ともドラゴンライダー。ドラゴン名は順にバレリオン、ヴェーガー、メラケス。 | |
4 |
|
タリー家は鉄諸島に反乱、リヴァーランド領主に昇格し、エイゴンと共に鉄諸島人を海に追い返した。本来なら城の石を一つ一つ撤去し崩すべきだったが、ハレンの巨城は壮大な褒美に使える城だったので、エイゴンは指揮官の一人に与えた。ただし、それを保持した家系はすべて絶滅してしまうが。 | |
5 |
|
ハレンの巨城について語るとき、彼らの声は、巨大なコウモリを送り込んで子供たちを鍋に集め、血を浴びて人肉料理を振る舞ったと言われるマッドレディー・ロシュトンについての囁きに変わる。ハレン暗黒王とその息子たちの亡霊は今でも夜になると城を歩き回り、全く健康な使用人も睡眠をとると燃えてしまい朝には灰となって発見される。 マッドレディー・ロシュトン…ダネル・ロシュトン/Danelle Lothston。ハレンの巨城のレディでロシュトン家当主。怪談話の登場人物。ハレンの巨城城主はハロウェイ家→ストロング家→ロシュトン家→いづれも滅亡してしまう。 | |
6 |
|
強情な子供を怖がらせたり、若い娘を興奮させるための話に過ぎないのは間違いではない。ハレンの巨城は値打ちのある難攻不落の城で、ウェスタロスで一人の男を最も偉大な領主の一人にするのに十分な土地と収入がある。しかし、それも完全に正しいとは言えない。 | |
7 |
|
ハレンの巨城が王の恩寵で自分のものになったとすると、今度は自分が守らないといけない。修理や維持が必要で、手を尽くしても城全体に管理を行き渡らせることはできない。5つの塔のうち4つを家臣に与え、次に3つ、そして2つ、さらにその下の3分の1だけを家臣に与える。100か所のホールを全閉鎖し、自分の部屋で食事を採るとしてもハレンの巨城とその広大さが自分をむしばむような脱力感はぬぐえない。後年、最後の一族である孫やひ孫を埋葬するとき、あなたの家系が終わったことを知る。 |
完成日に廃墟にされた呪われた城。色んな怪談話が存在するようです。
前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は『ゲーム・オブ・スローンズ』時代の180~200年前。
当時の城主ストロング家は王朝の重責にたくさんの人材を輩出。またハレンの巨城は選王会議なども行われる“大評議会”開催の場。
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではハレンの巨城を映し出す壮大な映像が登場すると思われます。非常に楽しみです。
HBOドラマの“ドラゴンストーン城”逸話・言い伝え
語り手:ドラゴンストーン城城主スタニス・バラシオン![]() | |
1 |
|
ターガリエンがなぜドラゴンストーン島に来たのかは誰も知らない。当時のヴァリリア帝国は絶頂期であり、狭い海までの文明世界の中心だった。ウェスタロスは7人の王が国境や小栄光を巡り争う薄汚い僻地であり、進歩とは程遠いものだった。 | |
2 |
|
島自体は昔も今も何もない。ヴァリリアの貴族が好むような金や宝石はなく、あるのはほとんどが岩で、戦争には脆く建築には鋭すぎる光沢のある黒い石だけだ。ターガリエンは“ドラゴングラス”と呼ぶが私に言わせれば“役立たず”だ。 | |
3 |
|
でもターガリエンはここに城を建てた。ターガリエンがエッソスから小軍隊を連れてきたことを忘れる単純バカはヴァリリア魔法を使ったと言う。魔法が支援部隊な訳ないが確かにこの城はウェスタロスのものとは一線を画す。ターガリエンが故郷を懐かしみ不毛な遠征拠点を後悔してなかったとしても異質で奇妙だ。“破滅”はこの愚行を永遠のものにした。ヴァリリアは波に呑まれ消滅しもう存在しない。東を見れば前にも後にも偉大な文明があったのに廃墟となった祖国を見ることに。が、エイゴンがしたように西を見れば、征服に適した肥沃な土地が見えてくる。 “破滅”はこの愚行を永遠のものにした…“破滅/The Doom”とは古代ヴァリリア帝国が1日で崩壊し海に消えた天変地異のこと。“破滅”が発生し、ターガリエン家の僻地遠征が永遠に続くことに。 | |
4 |
|
もしかしたら新しいヴァリリアになるかもしれない。ドラゴンストーン島はエイゴンがウェスタロス侵攻への絶好の拠点だった。ブラックウォーター湾は大陸へのアクセスを容易にした。その土地はリーチ、鉄諸島、ストームランドの3つの王国が取り合いをしていた。たとえ3国の王たちが、エイゴン来襲が誰のせいなのかといういがみ合いを止めれたとしても、それら3王国の首都は遠く離れておりエイゴンが足場を築く前に軍を展開することができなかった。それは遅すぎた。エイゴンは最初の拠点をうまく選んだ。東には湾、南には川、北と西には広大な野原があり、彼の軍隊は奇襲を受けることがない。侵略のための完璧な場所であり、いつかは首都であるキングズランディングになる。“破滅”はターガリエン家に避難所の重要性を教えた。 3つの王国が取り合いをしていた…ブラックウォーター湾周辺はリヴァーランドを征服した鉄諸島人ハレン暗黒王と嵐の王国のせめぎ合い、そこにリーチも参戦してたようです。鉄諸島の拠点はパイク、リーチはハイガーデン、嵐の王国はストームズエンド。いずれも遠方。ブラックウォーター湾周辺の地図へ。 東には湾、南には川、北と西には広大な野原…神の目とその西のストーニーセプトからブラックウォーター湾に流れ出る2本の大河ブラックウォーター川/BrackWater Rush。西にはリーチ平野、北にはリヴァーランドの平原。 | |
5 |
|
征服後、ドラゴンストーン城は鉄の玉座の後継者である皇太子の居城となった。それは彼らのためにはなったが、300年後、私の兄、ロバート・バラシオンが鉄の玉座に反旗を翻し、ラニスターが狂王エイリスとその一族を虐殺した後のことだが、私のためにはならなかった。ロバートはターガリエンの子を始末するため私を派遣したが、私が到着する前に忠実な騎士が彼らを安全な狭い海の向こうに亡命させていた。 ドラゴンストーン城は鉄の玉座の後継者である皇太子の居城となった…17年前のロバートの反乱時、ドラゴンストーン城主は狂王の第一王子レイガー・ターガリエンでした。 | |
6 |
|
ターガリエン憎しがロバートを盲目にし不当にも私を非難、一族の城であるストームズ・エンド城を奪い、代わりにドラゴンストーン城を与えた。長年に渡り私が権利の回復を要求する度に、ロバートは私に島の王家の血統を思い出させ、私に敬意を払っているように見せかけた。あたかも私が簡単に騙される酒場の女であるかのように。 島の王家の血統…ロバートだけでなくスタニスから見ても忌むべきターガリエン家のこと。 | |
7 |
|
しかし、ロバートは死んだ。私、スタニス・バラシオンはウェスタロスの正当な王であり現在、簒奪者と反逆者を鉄の玉座に座らせている。私がドラゴンストーン城からヤツらの喉に短剣を突き刺してやる。 |
500年前 | ターガリエン家がドラゴンストーン城建造&“破滅”により古代ヴァリリア帝国滅亡。 |
500年前 ~ 300年前 | ターガリエン家はドラゴンストーン城で約200年間力を蓄えた。 |
300年前 | ドラゴンストーン城を拠点として征服戦争開始。 征服王エイゴンが完成直後のハレンの巨城粉砕、ハレン暗黒王に抵抗するタリー家がそのまま服従、鉄諸島の代表者グレイジョイ家選出。リーチのガードナー王を倒し、ローレン・ラニスター王を跪かせる。 戦況を見たトーレン・スターク王が兵士を守るため降伏、アリン家も戦わず降伏。 ※ゲリラ戦でドラゴンを回避するマーテル家だけ征服できず約150年後に縁組を通じ懐柔→ターガリエン家が七王国統一。 |
17年前 | バラシオン家がロバートの反乱を起こし、後継者守るためターガリエン家家族がドラゴンストーン城へ避難。嵐の中、デナーリス![]() 側近たちが生き残りをエッソスへ逃がす。追ったスタニス・バラシオンが、仕留められなかった罰としてこの貧しい城の城主に任命される。 |
上記動画では“ターガリエン家がこの地に来た理由は不明”。が、原作情報では交易目的でした。
また、そのターガリエン家の到達地に“大量のドラゴングラス”。これに対するスタニスの物言いは、
タイウィン公とはまた違い、自分が興味ないもの・自身の不満の根源ドラゴンストーン城の象徴に対し吐き捨てるスタニスの人物像。思わず吹き出してしまいました。
是非動画内のスタニスの言い方を確認してみて下さい。笑います。
『ゲーム・オブ・スローンズ』内のお城と言えば最初はウィンターフェル城。が、深く入り込めば入り込むほど、これらファンタジーなお城が目に着いてきます。
各地方を表す風習から作り出される逸話、特徴に矛盾が無い。それがこのドラマをスペクタル映像の決定版にさせてるのかも。
途方もない情報量を元に世界観が作り上げられております。
ロバートの反乱全貌|“HBOの”ロバートの反乱|キャスト説明の映像特典で見る前に学習 |
グレイジョイの反乱|溺神信奉の異常家系“グレイジョイ家”と鉄諸島~アイロンボーン独立戦争 |
ナイツウォッチ|北部と南部の認識違いからウェスタロスの世界観を知る |
壁北の野人|何にも縛られない自由民の常識と壁との対立理由 |
鬼火ワイルドファイア|狂王支持する王都の錬金術師ギルド、火術師パイロマンサー |
クレゲイン家|タイウィンに調教された殺人鬼家系~マウンテン、ハウンド |
リーチ河間地方|リーチ王=ガードナー家とタイレル家の関係 |
ファンタジーな城|ウェスタロス最重要拠点|ハレンの巨城とドラゴンストーン城 |
エッソス自由都市|古代ヴァリリア帝国から解放されたエッソス大陸自由都市 |
知られざる地|東の果て貿易都市クァースと黒魔術師パイアット・プリーの噂 |
暴君 残酷王メイゴル | 暴君 無価値王エイゴン四世 | 暴君 狂王が狂った原因 |
王都の呪い | ユーロン逃亡理由 | 野人がみた“南部人” |
コメント