ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目はヴォランティス。エッソス大陸における常識=王政でない統治によるカオス社会が代表イメージですが、その中の一番の大都市の歴史・特徴をヴァリスが説明します。
エッソスの大都市ヴォランティス
古代ヴァリリア帝国に真っ先に攻められた街
ヴォランティスはエッソス南岸、大河ロイン川の河口部に位置します。
古代ヴァリリア帝国の中心地ヴァリリア半島のすぐ西。それ故真っ先に支配されました。動画中にありますが“最初の娘”を自称します。
奴隷商人湾沿岸部は古代ギスカリ帝国の名残である奴隷制ですが、それとはルーツが異なるもそれ並の奴隷制の街。
名物は古代ヴァリリア帝国の黒壁とロングブリッジ。あんまり『ゲーム・オブ・スローンズ』では話題にならないシロモノ。
ドラマで関係するといえば、負傷したラニスター兵の援護中ロブが惚れたタリサ
の出身地です。その後、逃亡者が通りすがって拉致された程度。
なので、視聴するのに必須な情報ではありませんが、『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界観を作り上げるための後方支援の設定。おぞましい古代イメージを作り上げます。
ヴォランティス~特典映像
HBOドラマのブルーレイメディアにのみ収録された以下の映像特典を参照します。
〇History and Lore Volantis – Varys
語り手:ヴァリス![]() |
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ヴァリリアは新興なので若者らしく種を広めようとした。最初の娘は帝国国境の雄大なロイン川沿いの前哨地ヴォランティスだった。ドラゴンの貴神はそこで有名な黒壁を築いた。継ぎ目のない融合したドラゴン石は高さ200フィート、毎年街の創設を祝う式典で6台4頭立ての騎馬車が並走できるほどの広さだ。今日まで古代のヴァリリアに先祖を持つ者だけが黒壁内に住むことを許される。古代の血統の子孫、つまりもちろん、古代の高貴な歩兵の血統の子孫からの明確な招待がなければ、足を踏み入れることさえ許されない。
※古代の高貴な歩兵…古代ヴァリリア帝国がドラゴンを得る前の時代のヴァリリアの戦士ではないかと。多分。限定的に“歩兵”と言ってるので。
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最初の100年間、そこに住むのは守備隊だけだった。しかし、兵士居る場所には悪徳が付き物だ。黒壁外には飲み屋や娼館が出始め、サマー・シーでの人気貿易品である奴隷を運ぶ商船も寄港し始めた。東岸は家や店、社交場が溢れた。そこで飲み屋や娼館は西岸に移り、外国人や傭兵や海賊が淫行、泥酔、殺人などの街の暗部を築いた。
※東岸、西岸…大河ロイン川の東岸、西岸のことと思われ。
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やがて西岸は犯罪と堕落の巣窟となり、ヴォランティス人は秩序と良識を取り戻すため奴隷兵をロイン川の対岸に派遣するしかなかった。この任務は成功し、撤退し、失敗した。ヴォランティス人はロイン川対岸まで毎年兵士を送るのに疲れ、ヴォランティス名物ロングブリッジを建設した。これは1000頭の象と更に多くの兵士を渡らせるだけの十分な強度を持つ。ヴォランティスのロングブリッジは今日、世界最長の橋として知られる。ヴォランティスの統治者はこの橋で東岸の教養を西岸に広めようと目論んでいた。でも逆に西岸の堕落が東に広がった。橋の両側には店、寺院、飲み屋、宿屋、娼館が立ち並び、ほとんどは3階か4階建てで各階が下の階より張り出している。ロングブリッジでは何でも買えるし、手が速ければ盗むこともできる。でもそうでない場合は…。とはいえ、少なくともこの彩りの半分は親方に不快を感じさせる以上の罪は犯してない。
※そうでない場合…何でしょう…?何も買えず盗みも働かない人間の末路…。さらわれて奴隷として売られる?
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ヴォランティスでは自由人1人に対し奴隷が5人おり、この割合は奴隷商人湾の都市並だ。ヴォランティスの親方は永久的な傷である顔のタトゥーで奴隷の種を示す。奴隷兵士は顔に緑のトラの縞模様を刻む。奴隷娼婦は片目下に涙。馬や象の糞集めはハエ。小象が引く荷車ハタイの運転手には車輪など。
※ハタイ…ヴォランティスに居る小さな象に引かせる荷車。人力車のようにも見えるが。てか象居るのかい、ヨーロッパ扱いじゃないのか。
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親方は奴隷に自由は与えられるが、顔を与えることはできない。なので、大量の奴隷や解放奴隷が浄化の炎を説く司祭を頼るのも不思議でない。ヴォランティスの光の王の神殿は世界最大と言われ、ベイラー大聖堂より大きい。この巨大な神殿で奉仕するのはすべて奴隷であり、幼少期に買われ、司祭、神殿の娼婦、戦士になるための訓練を受ける。そして、神殿外の信者も、肉体はともかく心は奴隷と主張できる。 | |
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魔法は使用者以外誰も自由にせず、使えない者を自由にできるようにする。黒壁が古代の血統をそうでない者無しで自由にできるようにするのと同じだ。しかし、エッソス中で鎖が切れる音、奴隷が立ち上がる音、ドラゴンが吠える声が聞こえると、その自由がどれだけ続くか疑問に思うはずだ。ヴォランティスはヴァリリアの長女だと名乗るが末娘ではない。
※その自由…ここでは魔法使用者・古代ヴァリリア血統者の“自由”=力・権力のこと。浄化の炎が接近中なので。
※長女だと名乗るが末娘ではない…最初に支配されて長女なら、次の変化が最初に訪れるのも長女。一番最初に襲われるという意味。 |
ヴァリスが説明する皮肉な話~ドラゴンに決定権
ヴァリスが説明するエッソスの代表都市ヴォランティス。
ちょっと話のスジが1本でなく、黒壁やロングブリッジのネジ込みが浮いてますが、まぁ主題は“ヴォランティス紹介”なのでそんな感じで。
古代ギスカリ帝国ルーツでない奴隷制の街。顔にタトゥー入れさすなどおぞましい文化が紹介されます。
象まで居るとのことなので、インド辺りまでの地域の特徴をギュッと詰め込んで設定したかのような。画面に映る景観もそういえばインド・アラブ風。あの汚さ・埃っぽさは確かに。
んで、ヴォランティス街で着物姿で演説してた赤の祭司が日本人俳優福島リラ。ちょっと頭蓋骨の形状おかしくないか?とも感じるほどスリムなモデルさんです。
のその主張は「生まれた竜の女王が救世主となる。」あの場所がロングブリッジの一角だそう。
皮肉な話です。
ヴォランティスの奴隷を生み出した原因古代ヴァリリア帝国の最期の生き残りが奴隷解放者。
結局、ドラゴン所有者の信念ですべてが決まるよってことなんでしょう。
七神正教も光の王も七王国の王様もどうでもよく、それだけが決定権を持つという分かりやすいお話でした。それに散々な目に合わされるのがカンスのように生まれては死ぬ民衆。
哀れと感じたかもしれませんが、最近は日本人もそのカンスなんでっせ。
『ゲーム・オブ・スローンズ』はウェスタロスの王位争奪戦に着目した物語であって、その世界にはこーやってたくさんの創作都市が存在し、別の物語も入り込んでいます。
ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』とはそんな密接に関わることがない要素ではありますが、世界観を知る上では役に立ちます。
まぁドラマの内容が掴めてきた以降に、こーいった背後の深掘り情報を知るのも非常に楽しいです。
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