ポク太郎です。
海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。
今回の注目は王の手。権力者王様に代わり政治を与る摂政というか関白というか。いづれ鉄の玉座に座ろうと画策するリトルフィンガーが説明します。
王の手とはどっちかと言えば摂政より関白
元々は“我が右手”
王の手とは王様に代わり政治を与る要職。摂政・関白のような宰相ともいうべき国家の重役。日本における厳密な意味は、(ググりました)
関白…天皇を支える必要がない場合に立てられる補佐職(成人後の天皇健在時など)
つまり、天皇自身が従う義務を持つ摂政の方が強力な権力。でも成人後の天皇にまで口を出せるのが関白。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界での王の手とは、300年前の征服王エイゴンが後の王都となる地で行った戴冠式にて腹違いの兄弟オーリス・バラシオンを「我が右手」と称したことが起源。
西洋は左利きを治さないイメージありますが、それでも一般的なのは右利きで、左利きは少数派だから特殊呼び“サウスポー”。恐らくの理由はガードすべき心臓が左側にあるからかと。
引用:辰吉丈一郎スポーツトレーディングカード
なんにせよ、征服王エイゴンが利き腕、飛車・角の飛車だと宣言したことから始まったとされる要職です。エイゴン一人前時の話なので、王の手とはどちらかと言えば関白に近いのかも。
幼少のトメン即位時にサーセイ
が名乗ったのは摂政太后で、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でアホエイゴン二世
重体時に弟エイモンド
が名乗ったのは摂政王子。
“摂政=支える必要がある場合の補佐職”。当人らは適当に役職を設定してますが、その辺の意味はシッカリ合わせて翻訳してるようですね。
王の手~特典映像
History and Lore The Hand of the King – Petyr Baelish
特典映像→〇語り手:未来の王?リトルフィンガー![]() |
|
1 |
|
「王の夢は王の手が築く」。王、手、手に成ろうとする領主はそう言う。下賤の者は別の言い方だ。「王は食う、手は糞を食らう」。事実、ほとんどの王は統治を嫌う。彼らを責めるべきでない。彼らの唯一の資格は血統だ。彼らが刃でできた玉座を警戒するのは自然なことだ。代わりに統治する他人を見つける方がずっといい。でも王は手をどう選ぶべきなんだ?
※王の夢は王の手が築く…王の理想を実現するのが王の手という意。
※王は食う、手は糞を食らう…王が好き勝手行い酷い目会うのは王の手という意。 |
|
2 |
|
家族か?ある王は誇り高く傲慢な戦士である弟メイゴル王子を選んだ。メイゴルは信仰と王冠を結ぶため総司祭の姪との結婚に同意したが、その後、重婚と異端を巧みに組み合わせるヴァリリアの儀式で密かに2人目の妻と結婚した。それが伝わり王はメイゴルを追放し新王の手として司祭を選ばざるを得なくなった。しかし既に被害が発生してた。王は家族を信じたが、その弟が反乱を起こし、王の統治権と命を奪った。
※王の統治権と命を奪った…リトルフィンガーの間違い。弟メイゴルの2回目の結婚でなく、2代目王エイニスが娘と息子を結婚させて反乱勃発→逃亡先で死亡。反乱を起こしたのは七神正教の聖兵です。その後にメイゴルが後継者指名を受けた息子を押し退け、玉座を乗っ取りました。
|
|
3 |
|
強さか?単なる少年サー・クリストン・コールは伝説のサー・リアム・レッドワインに代わり王の盾に加わり、すぐ総帥に昇格した。でも騎士は争いの解決方法を1つしか知らない。エイゴン王子の父が死んだとき、後継指名された叔母を差し置いたエイゴンの王位就任に反対した顧問の喉をサー・クリストンが切り裂いた。彼の行動は新王エイゴン二世を大いに喜ばせ、サー・クリストンを双竜の舞踏と呼ばれる内戦で王の手に任命した。サー・クリストンも王もターガリエン家のドラゴンすら、この内戦を生き延びれなかった。
※伝説のサー・リアム・レッドワインに代わり…クリストン・コールが王の盾になったのは幼少のレイニラに抜擢されたから。リアム・レッドワインのちょうど引退時です。既に王の盾総帥からも身を引いており、また、次項の司祭バースの後を継いだ王の手でもあります。この例だけ時代が逆転してるし、何だか勘違いしてるようなリトルフィンガーの言い方。
※騎士は争いの解決方法を1つしか知らない…敵を殺すことだけ。 ※後継指名された叔母…リトルフィンガーの間違い。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』観てる方は知ってるかと。後継者指名されたのは叔母でなく、エイゴン二世の腹違いの姉レイニラ王女です。エイゴン二世が生き残ったかどうかはドラマでの修正の可能性もありまだ不明。 ※大いに喜ばせ…リトルフィンガーの間違い。原作ともドラマともかなり違います。自分は嫌だとレイニラ即位を支持し逃げ回ってたので。 |
|
4 |
|
ウェスタロス史上最も賢明な王が王の手選びに最も賢明な選択をするのは恐らく驚くことでない。下賤の鍛冶屋の息子である司祭バースには昇進の可能性がまず無く、家族により幼少期に信仰に身を委ねられてからは更に無かった筈だ。でも王室の記録係としてバースは王に感銘を与えたため、王は高貴な顧問全員無視し司祭バースを自分の王の手に任命した。40年間繁栄が続いた。バースは多くを成し遂げたので貴族や平民の多数が彼を魔術師とみなした。殺しも武術も知らぬ男だったので、魔術師以外の説明が受け入れられなかった。バースが持つのはその両者より稀だったからだ。鋭い頭脳だ。
※ウェスタロス史上最も賢明な王…調停王ジェヘアリーズ一世のこと。司祭バースとはその手を務めた史上最高の王の手。天命を全うし役目を十分果たした王の手ですが、リトルフィンガーが失敗例として挙げるのは後のベイラー一世時代に、「邪悪で不自然な知識」と司祭バースの残した書物を焼き払ったからかと。
|
|
5 |
|
後のタイウィン・ラニスター公ほど聡明な人物は王国には居なかった。歴史に狂王として残るエイリス・ターガリエン王の王の手だ。彼はすべての影に暗殺者や陰謀を見て、沈黙中の囁きを聞き、生きたまま人を焼き殺した。しかし、彼の最大の狂気はタイウィン公を追い払ったことだ。狂王はその後先祖の過ち全て繰り返した。兵士、ゴマすり領主、最後には錬金術師まで。恐らく王家の莫大な出費を山火事で救うためだったのだろう。残念ながら、それは王家も王朝も救えなかった。
※最大の狂気はタイウィン公を追い払ったこと…タイウィンの有能さを妬みラニスター家蹴落とし行動に走りました。その結果、タイウィンが王の手辞任→反乱時に裏切り。ターガリエン王朝の終焉に至りました。
|
|
6 |
|
新王ロバートは里親のジョン・アリン公を王の手に選んだ。ロバートがした中で最も賢明な決断だったが敵が居ない訳じゃない。それが致命的だ。アリン公は古く誇り高い一族出身で名誉者だった。でも名誉は王都の腐敗から身を守る盾にはならない。これはアリン公の後継者ネッド・スタークも学んだことだ。 | |
7 |
|
王の手制度は恐らく間違いだ。ウェスタロスには統治可能な統治者、自ら夢を叶える統治者が必要だ。王国を統治できない王は王ではない。他人の食を汚す手は馬鹿だ。 |
王の手は間違い、自分の即位が正解だ
親族もダメ、武勇に長ける騎士もダメ、平民の天才もダメ、高貴な天才もダメ、忠義者もダメ。
出てきた結論は、

自分なら代理役の王の手なんか必要無いぞと暗に主張しております。
でもそれは暗黒の世。何のための王様か、何のための王の手かが抜け落ちちゃってるのが極悪人リトルフィンガー。
で、その自分勝手に解釈するリトルフィンガーだからなのか何なのか、間違いだらけの認識なので代表的な歴代王の手を整理。
王の手 | 仕えた王 | 備考 |
オーリス・バラシオン | 征服王エイゴン一世 | 初代王の手。エイゴン一世の唯一の親友で最も信頼する味方でした。 |
後の残酷王メイゴル | 2代目王エイニス | 2代目王の手。オーリス戦死し空位となった王の手にヴィセーニャが自分の息子をゴリ押し。結局、七神正教が反対する一夫多妻を強行し、ペントスに流刑。 |
デイモン・ヴェラリオン | 調停王ジェヘアリーズ一世 | 方々から見捨てられる暴君メイゴルを見限り、ジェヘアリーズ一世即位を後押し。 |
司祭バース | 調停王ジェヘアリーズ一世 | 王室の記録係。天才でドラゴン研究にも数々の成果。オス・メス性別変化も必要に応じてできることを突き止めたそう。ただし、その研究結果の書物ほとんどは後の祝福され王ベイラー一世により燃やされました。邪悪で不自然な知識との理由。 |
勇者ベイロン | 調停王ジェヘアリーズ一世 | 調停王の次男、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のヴィセーリス一世の父親。調停王の長男が戦死し後継指名を受け王の手就任。ただし、その5日後に盲腸破裂で死亡。 |
オットー・ハイタワー | 調停王ジェヘアリーズ一世 | 上記ベイロン死亡し急遽抜擢。次々後継者喪失した調停王の晩年を支えた天才。 |
クリストン・コール | エイゴン二世 | 戦争したいアホエイゴン二世が爺であるオットー・ハイタワーを更迭し、クリストン・コールを任命しました。 |
ブリンデン・リヴァーズ | エイリス一世 | 三つ目の鴉。分裂家系ブラックファイア家から攻められる王朝を守りました。そこら中にスパイを忍ばす恐ろしい王の手だったとか。 落とし子ではありますが父がエイゴン四世なので、仕えたエイリス一世の叔父にあたる人物。生母が赤の他人なので正確には半叔父か。 |
タイウィン・ラニスター | 狂王エイリス二世 | 史上最年少王の手。あまりに有能過ぎて狂王の妬みを買い挑発され辞任。結局、300年王朝を終焉させる原因となりました。 |
ジョン・アリン | ロバート・バラシオン | 狂った狂王に対し反乱を起こしたロバートとエダードの里親。平和時代を構築しますが暗殺されて『ゲーム・オブ・スローンズ』の物語開始。 |
エダード・スターク | ロバート・バラシオン | ロバート王の義兄弟。 |
長らく続けてきましたが、これにて全HBOの映像特典の精査が完了。全動画精査し終わりました。
その最後が何故か間違いだらけのリトルフィンガー説明。
これまでの動画では些細な部分も含めて辻褄の合わない間違いはありませんでした。シーズン3の特典で全員の説明が夜明けの時代と英雄時代をごっちゃにした程度。
ブロン等の無教養含めて全員が間違いの無い続柄・役職・歴史を説明して来たのに、リトルフィンガーが間違いだらけ。
何かの意図があるのでしょうか?リトルフィンガーの人物像を表す演出?
最後に突拍子もない何かを喰らわされて、ちょっと面食らっております。
コメント