七王国における“正義”の価値観を無法者ブロンが論じる動画

ポク太郎です。

海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をまだ見ぬ未視聴者のために、再度大元情報から振り返る資料。

今回の注目は七王国の正義。七王国における“正しい”とは何ぞや?と大金持ちの裁判で名乗りを挙げて人生に成功したブロンが説明します。

シーズン4のメディアに収録された映像特典です。


裁判制度が存在するウェスタロス

“裁き”なのか“正義”なのか翻訳困る

エッソス大陸と異なり、ウェスタロス大陸には裁判制度が存在します。

ゲームオブスローンズ地図-略してゲースロGOTマップ-ウェスタロス

片方ともう一方の言い分が異なる場合、どちらを支持すればよいのか決められないので、それを決定付ける場。片方が嘘かも知れないし、両方が嘘かも知れません。

また何を“正しい”とするかが問題。

例えば、ライオンがシマウマを襲うのは正義か、悪か。

ライオンが悪とすれば、シマウマ襲えないライオンは絶滅しますし、ライオンが正義とすれば、民の農作物を王が全部召し上げ全員餓死させてしまいます。

更に例えば、同じ行動でも正義か、悪か。

タクシー運転手を殴り殺すのは悪ですが、プーチンを殴り殺すのは正義です。

それを“何が正義”と決定付けるのが“裁き正義”を意味する言葉Justice

単一民族でみんな価値観同じ、奴隷制が存在せず、暴君を思い起こしても織田信長程度しか出てこない日本人には、ちょっと馴染みのない概念。

動画中には“正しい”=別単語righteousと表現を変える部分も。

良い・悪いの価値観が極端に揃っている日本人には、言葉Justiceが上手く訳せず、下の翻訳では場所によって裁き正義を使い分けております。

その辺も念頭に置いてブロンの言い分を聞いてみて下さい。

七王国の正義~特典映像

HBOドラマのブルーレイメディアにのみ収録された以下の映像特典を参照します。
History and Lore Justice of the Seven Kingdoms – Bronn

History and Lore – Justice of the Seven Kingdoms – Bronn
語り手:ブロンゲーム・オブ・スローンズ登場人物|用心棒ブロン役俳優ジェローム・フリン
1

Justice is a funny thing. For the poor, it’s what keeps them alive, and starving, depending on how the local lord feels about his woods, his streams, his crops. For the rich, justice is what you get if you are not careful enough, or rich enough. Usually how it works is, you commit a crime and the local lord sends his guards after you, or your victim’s family kills you and the guards go after them instead. Or you do nothing, and the guards come after you anyway. Either way, someone is brought before the lord and he decides what’s to be done. Could be a fine, if you are rich enough to pay. Otherwise it’s the dungeons, the chopping block or the Wall.

引用:HBO『Game of Thrones』Blue-Ray映像特典 Youtubeによる自動字幕

裁きとは奇妙なものだ。貧民にとってそれは彼らを生き延びさせ飢えさせる。地元の領主が自分の森、川、作物についてどう思うかによる。金持ちにとっての裁きとは不注意や十分でない金持ちでなかった場合に得るものだ。通常機能しているものとは、犯罪を犯し地元の領主が衛兵に命じお前を追跡、あるいは、被害者家族がお前を殺し代わりに衛兵がソイツを追跡。または、お前が何もしてなくてもとにかく衛兵がお前を追跡。いずれにせよ誰かを領主の前に連行し処遇を決める。金持ちなら罰金かもしれない。そうでなければ地下牢、断頭台、あるいはだ。

※「その地の領主が理由関係なく処遇を決めること」をブロンは“裁き”と表現してるように聞こえます。
2

You’d think that most folks would choose the Wall. The North is nasty, dark and cold, but so are most dungeons, and every man knows how the Night’s Watch earned their name, all they can do is watch. I don’t blame the men who choose a quick chop rather than life without one of its few joys. If you are in the capital, it’s the King’s Justice who takes your head. Elsewhere in the south, the headsman of the local lord. But in the North, it’s the lord himself. The man who passes the sentence should swing the sword, they say up there. Sounds noble, but given some of the Northern lords I’ve met, they just don’t want anyone else spoiling their fun.

引用:HBO『Game of Thrones』Blue-Ray映像特典 Youtubeによる自動字幕

ほとんどはを選ぶと思うだろう。地下牢もほぼそうだが、北部は汚く暗く寒い。ナイツウォッチがその名を得た理由は誰もが知っている。見張るだけの生活だからだ。ただでさえ楽しみの無い人生より、サッサと断首を選ぶ人間を責めるつもりはない。王都に居るなら斬首は王の処刑人がする。南部のどこかなら地元の領主の首切り役だ。しかし北部では領主自身が斬首する。判決を下した者が剣を振るうべきだと北部では言われる。気高い話に聞こえるが、出会った北部の領主には単に楽しみを他人に取られたくないと言うヤツもいた。
3

If you’re so unlucky to be in the Vale when you are caught, you might never make it to sentencing thanks to their sky cells. Open on one side to a long fall, with the floor sloping down towards it like a woman’s thighs. After a few days, they say the sky starts calling to you. Men jump with smiles on their faces, expecting the wind to lift them into the sky, it doesn’t. To think Lord Tyrion was one tit shaped cloud away from death.

引用:HBO『Game of Thrones』Blue-Ray映像特典 Youtubeによる自動字幕

ヴェイルで捕まる不運な状況なら、天空房スカイセルのおかげで判決まで到達せずに居られるかも。片側が開いた上空で、床は女の太もものように空に向かい下がっている。数日経てば空が呼び始めると言う。人が笑みを浮かべて飛び、風が自分を持ち上げると期待するがそうはならない。乳の形した雲一つ分しか死から離れてないと考えるそうだ、ティリオンが。

天空房スカイセルのおかげで判決まで到達せず…シーズン1ティリオン高巣城で入れられた天空の独房。床が空に向け解放された側に傾いており、寝てると数千フィート下に落下するので評決まで到達しないて意味。
4

Lucky for him, he was highborn. If your family honor goes back hundreds of years to a time when your ancestors hit other men harder than they were hit, you had another option, trial by combat. You either fight your accuser, or you both pick champions to fight on your behalf, and the gods will favor the righteous man… as long as he’s also the strongest, the quickest or the luckiest. Once in a long while, you may get two real highborn shits having a go at each other, and one of them might be fool enough to demand a trial by seven. Exactly how it sounds, seven men against seven men. Makes for a good show, I guess. But any man who’s been in battle knows that the more men involved, the less skill needed, the more chance of accidents. Just ask that Targaryen prince who got his head staved in by his brother all those years ago. And all for some hedge knight.

引用:HBO『Game of Thrones』Blue-Ray映像特典 Youtubeによる自動字幕

幸運なことには高貴だった。お前の家系の力が数百年遡れて、自分を殴る側より先祖のパンチ力の方が強いなら別の選択肢がある。決闘裁判だ。告発者と戦うか、互いにお前に代わる擁護者を選ぶかのどちらかで、神は正しい側を支持するだろう…ただし、擁護者は最強で最速、または、最も運が良くないといけない。たまに貴族生まれのクソ同士2人が殴り合うことがある。一方が愚かにも七人裁判を要求するかもしれない。言葉の通り7対7だ。見応えあるだろうな。だが、人数が多ければ多いほど必要スキルは少なく事故率が高くなるのは戦闘経験があれば誰でも知っている。何年も前、に頭を刺されたターガリエン家の王子に聞けば分かる。それもどこかのヘッジナイトのせいでな。

どこかのヘッジナイトのせい…多分『ダンクとエッグの物語』のダンカン・ザ・トールのこと。兄ベイラー王子ダンカン側の擁護者として出場することになってしまい、敵方でである後のメイカー一世に刺されて死亡しました。
5

If you ever find yourself arrested in the Seven Kingdoms, just remember that justice is up to the judge. Beg him for forgiveness, or pay him for it, or ask to be allowed to take the black. But remember that he doesn’t have to let you. There are plenty of lords out there who think hands and heads are great decorations for their spikes. The septons claim that justice is of the gods. Nice of them to keep it up there to themselves.

引用:HBO『Game of Thrones』Blue-Ray映像特典 Youtubeによる自動字幕

七王国で捕まったら、正義は評定者次第だと忘れるな。彼に許しを乞うか、賄賂を払うか、あるいは黒衣を着せてと頼むことになるが、彼には許す必要がないということも忘れるな。人の手や生首がスパイクの素晴らしい飾りだと思う領主はたくさんいる。裁きは神のものだと司祭は言う。それを隠しておくのは彼らの親切だ。

黒衣を着せて行きで許してと頼むこと。
スパイクの素晴らしい飾りスパイクとは晒し首台に生首を引っ掛けるためのフックかと。

無法者が理解するゲーム・オブ・スローンズの正義

平民殺し屋ブロンが理解するウェスタロスの正義

北部での斬首責任の価値観やヴェイルの特殊な独房スカイセルの話を無理矢理ネジ込んでますが、それは主題とは無関係な話。

ブロンが言ってるのは「正しい方が擁護される社会でない=正義なんて存在しない。」

なので、野宿する姿見て誰がどう言おうと自分の宿譲れば金がゲットできる条件=ティリオンの提案に乗ります。それが得だから。キャトリン拉致した宿屋での初登場時の話。

思い出して欲しいのは高巣城での決闘裁判。

いくら腕に自信があったとしても、普通あの状況で名乗りを挙げることができますでしょうか。敵方はアリン家スターク家の奥方二人+城内の全員でした。

あの場で“裁判を邪魔する平民”として処刑もアリなのがこの世界であることにご注意。あの場面はどう見ても肩入れ側ティリオンに助けるだけの力が無い状況だったわけですから。

大博打に成功し、パトロンを得たのが教養も無く殺し屋で稼ぎ、状況見て賭けに出た単なる平民。

動画の中では「正義は評定者次第」と発言しております。賭けに出る場面では評定者には従わず、そうでない場合は「(評定者が)許す必要がないということ」を忘れておりません。

これシーズン4の動画なのでまだその出来事前ですが、評定者の前に連行されたブロンがヘコヘコする場面が確かにあります。その姿を思い出しニヤッとなりましたが。

まぁだからこれだけ優秀な人間でないと生き残れない、正義なんて存在しない世界、それが『ゲーム・オブ・スローンズ』なんですわ。

ダンクとエッグの物語』の例を出して「確かにそうだろう?」と同意を尋ねられ理解するのは、この映像特典を見なくても既に知る視聴者。

この動画は「世界観をまだ知らない視聴者を引き込むためのもの」な筈。

どこがおかしいか分かりますか?これがHBO。この“既に知ってる視聴者は分かるけど知らない視聴者には意味不明”特徴はドラマ本編も全く同じです。

なので、『ゲーム・オブ・スローンズ』見てみたけど全然分からない…と仰る方を見かけたら下を是非伝えてあげて下さい。

分かったと答える人は分かってないから“分かった”と思い込んでるの。あなたが正常なの。
分かった人が“全然分からねーんだけど?”と答える筈の構成なの。

上記は本ブログ開始以降ずっと書き続けてること。一貫して次の言葉で表現しています。

“クソドラマ”
ゲーム・オブ・スローンズ

コメント

  1. あんじぇりく より:

    こんにちは。
    いつも楽しく読ませていただいております。
    梅雨時期で体調管理が難しい時期ですが、元気であられますように!

    • pokutaro pokutaro より:

      >あんじぇりくさん

      こんにちは。
      先ほど下痢でトイレに駆け込みましたが、それは変な物を食しただけであって、体調は全く問題ありません!
      コメントありがとうございます!

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