ポク太郎です。
ご心配おかけしております。が、ブログを辞めるつもりはありませんので更新です。
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1全体を通しての感想文。結果は「イマイチ」。
ただし、これは「神ドラマゲーム・オブ・スローンズと違うから」という、成功例から変わった点に対するありがちな不満とも取れる内容であることは最初にお断り。
一応シーズン1の
を含みます。話が急展開すぎ~『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』不満
ゲーム・オブ・スローンズの良い部分からは逃げ、悪い部分だけ伝承した形に見えます。
王の手オットーの更迭理由が不明確なまま
王后アリセントのレイニラ王女
不信につながった王の手
解任。レイニラ王女の嘘のせいで父親が更迭されてしまいました。
更迭理由は、ヴィセーリス一世が「エイゴン擁立を企て利益誘導を計る王の手をもう信用できん。」
にもかかわらず、後任王の手死亡直後に何事もなかったように王の手に復帰。
ヴィセーリス一世がそこまで疑ったオットーを王の手復帰させる理由説明の見込みはもうありません。回想シーンは使わないでしょうから恐らくシーズン2以降も無し。
ここにはヴィセーリス一世が何故王の手を更迭したのかというもう一つの謎がありました。
跳ねっ返りのレイニラ王女に結婚承諾させるための王の策OR親友王女信じる王后アリセントが王の手父親の普段の言動をチクったのかどちらなのか、てポイントです。
つまり、再任の理由説明が以降無いなら、解任の理由説明も闇に葬られることに。
てことは、一番大事なレイニラ王女vs王后アリセントの確執理由もボワンとした決定的根拠のないまま物語が進んでしまうことになってしまいます。
“開き直ってとことん悪事vs高潔振りかざしながら裏工作してるかも”の気に食わん合戦でウェスタロスが大惨事に見舞われるなんてことになると…。
危惧するのは「こんな出来事ありました。」てだけのドラマに成り下がらんだろうな、ていう点。それなら原作の朗読DVD発売すれば済む話なので。
ミサリアの動きを追えないドラマの描写
デイモン王子に拾われた奴隷娼婦ミサリア
。メラニン欠乏症の女性なので“白蛆”。
ミサリアの動きは恐らくこう。
→デイモン王子が勝手に「ミサリア妊娠」を王都に宣告。王家の子身籠った娼婦は確実死。
→怒ったミサリアがデイモン王子から離れ、蚤の溜まり場で暗躍。
→築いた情報網からデイモン王子の情報も利用し生計。王の手も信用する密告業者に。
→エイゴン捜索する王の手をキーワード“白蛆”で誘き出し。
恐らく真相はこんな感じ。でもこれはドラマの画面だけでなく原作からも情報を得てやっと判断できるもの。
確かにゲーム・オブ・スローンズでは原作情報が必須でした。“王殺しジェイミー”と聞いて視聴者は「いつ・誰を殺したの?」
また、“ハッキリ言わない”のが特徴でした。「子供には言わないけど母上
も帰りたがってるのでは?」と聞いて視聴者は「単なるストロベリートーク。」
が、それは排除すべき悪い部分であって、しかもミサリアレベルの脇役に原作調べろとか、デイモン王子利用側に回ったと察しろとかちょっとやり過ぎ。
しかも東洋人に変更しておきながらそのまま“白蛆”使うとか。
ゲーム・オブ・スローンズが成功したからといって、わざわざ負の部分を入れ込む必要は無いと思います。
サーセイを生み出す助走期間が無い
レイニラ王女が母親に、 ではレイニラ王女の再婚後。
ではゲーム・オブ・スローンズと比較しますが、あちらではシーズン5辺りまで「何やってんだろう?」状態。最初から鉄の玉座争奪戦とは宣言されてるも、それに関する動きはスタニス程度。
その間、映し出されたのは王都内での右往左往。各人物のヒトトナリを表す分かりづらい策謀合戦を繰り広げておりました。
アレが大ヒットてのは確かに異常ですが、現在はその大ヒットが事実として確定した未来。なら、レイニラ王女と王后アリセントの確執形成をもっと詳しく時間を掛けて表現できたのでは。
視聴者は見るの確定&GOTの見方経験済なので、王后アリセントの結婚まででシーズン1全部使っても全く問題なかったのでは、と疑ってしまいます。
そうすることで、ゲーム・オブ・スローンズ現象である「あのキャラ嫌い」「コイツムカつく」などの感情移入MAX現象を同様に起こせた気がします。
莫大な製作費にビビったんでしょうか。ゲーム・オブ・スローンズで築いた土壌は十分それを可能にしてたと思うのは俺だけでしょうか。
高速展開特徴は同じですがさせ方がゲーム・オブ・スローンズと異。アチラは余計な描写省きまくるけど視聴者に感情形成させる部分にはかなり時間を使ってた印象が。
他で書いてますが1話だけで退場したキャラもたくさん。
出てきた途端退場となれば視聴者は感情形成せず→死亡キャラに感情移入してなければ、結果それを殺す原因である主要キャラへの感情移入も薄。
つまり、ゲーム・オブ・スローンズの大ヒット要因である、視聴者にとってのサーセイが形成されずに物語が終わってしまいます。
アノーグリオンがホッタラカシ

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のオープニングではお馴染のギミックに対し、ターガリエン家の血統図を表した血液がヴァリリアの神殿に流れました。
ヴァリリアの血盟師の仕事場所とされるアノーグリオン。まだ謎に包まれたまま。そこまでヴァリリアの古代帝国をアピールしておきながら、後に繋がらないてのは何とも拍子抜け。
結末、または、何らかの重大要素に繋がるようしてくれることを大いに期待いたします。
もし運命的にでも繋がるなら拍手喝采。
分かりづらいU-NEXTの字幕
これは原語製作のHBO-MAXには無関係な、日本で独占配信したU-NEXTに対する不満。わざわざ憶えづらく分かりにくくするだけの変なカナ振りだらけでした。
ホーバート/Hobert | ハイタワー家当主。ホバートで良さそうなもんを。 |
ジェイスン/Jason | ラニスター家当主。ジェイソンで良さそうなもんを。 |
レーナ/Laena | 海蛇コアリーズの長女。レナで良さそうなもんを。 |
レーナー/Laenor | 海蛇コアリーズの長男。レイノアで良さそうなもんを。 |
レイナ/Rhaena | 母親レーナの次女。ラエナで良さそうなもんを。 |
ヘレイナ/Helaena | 王后アリセント長女。ヘレナで良さそうなもんを。 |
ルケアリーズ/Lucerys | 父親レーナーの次男。発音通りルセーリスで良さそうなもんを。 |
ヴァーガー/Vhagar | 征服王の姉ヴィセーニャのドラゴン。ここは何故か原作和訳表記。GOTのDVD通り、発音通りのヴェーガーで良さそうなもんを。 |
シアラックス/Syrax | レイニラ王女のドラゴン。シラックスで良さそうなもんを。 |
カラクセス/Caraxes | デイモン王子のドラゴン。カラケスで良さそうなもんを。GOTのDVDではMeraxesはメラケスです。 |
タイラクセス/Tyraxes | ジョフリー・ヴェラリオンのドラゴン。ティラケスで良さそうなもんを。 |
ゲーム・オブ・スローンズの大きな魅力の一つは「歴史の全貌が映像で明らかになる」。
淡々と事実のみが羅列される原作に、人の感情、誤解、自然な状況から移り変わる人間関係を矛盾なく追加し、歴史を追体験させた点にありました。
人物の役割を正反対に変更した原作からの修正も“歴史書自体にも間違いはある”現象のように上手く作用し、歴史の真相を知れるドラマとして大成功を収めました。
少なくともワタクシ爺がハマった理由はそれ。原作にこう記述があるが実際に起きたこと=映像で全部確認するとこう→実際の人類史もこんな感じなのかもねと長年楽しませて頂きました。
脚本家お二人は当初は如何に原作に忠実かを目指したものの、その後、話を直し、辻褄を合わす話を作り、“歴史書”を映像にして全貌を明らかにしました。まさに天才の所業。
だから、上で書いたことは「それとは違う」ていう伝説との比較。
つまり、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』がつまらないというものではなし。「見始めると気付いたら1時間経ってる」「夢中で原作情報調べてる」のは事実。

ゲーム・オブ・スローンズとは違い、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は結末も既に世に知られてる物語。シーズン3辺りで完結?と言われております。
だから違った形になるのも当然。ここの制作陣のすることなので、恐らく視聴者には予想も付かないことを仕掛けてくるんでしょう。そう信じる程面白いのは間違いありません。
つまり、十分面白いし今後の可能性も大だが、視聴者の過大な期待には現段階では応えきれなかった、てのが本サイトの総評になります。
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