ポク太郎です。
いよいよ明後日に迫った前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の配信開始。
ジョージ・R・R・マーティン原作『炎と血』の映像化ですが、小説自体はターガリエン家の歴史を紐解く内容。双竜の舞踏だけが話題ではありません。
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』理解に重要な前提の歴史は調停王ジェヘアリーズ一世ですが、ここでは300年前のウェスタロス征服“征服戦争”の戦況を話題にします。
原作『炎と血』冒頭部の です。
ヴァリリアから逃げ出したドラゴンの貴神
世界の半分を支配した大帝国でしたが、その宮廷内の下級貴族であるエイナー・ターガリエンがヴァリリアの土地すべてを売り払い、ウェスタロスのドラゴンストーン島に移住しました。
もちろん所有するドラゴン5頭も連れて来ました。その中には“黒い恐怖”バレリオンも。
エイナーの娘デイニスはヴァリリアの滅亡を予見したとのことですが、他の支配層は“権力闘争からの敗走”と受け取ったようです。
が、その直後にヴァリリアを襲ったのが“破滅/The Doom”。半島が破壊され海に沈んでしまう謎の天変地異。結果、ターガリエン家が唯一の生き残った“ドラゴンの貴神”に。
その後100~200年間の興味はまだ東エッソス大陸。西ウェスタロスに目を向けたのがひぃひぃひぃひぃ孫の征服王エイゴン。ウェスタロスの詳細地図を作ってたとのこと←明らかに征服目的。
世代 | |
-6 | 避災公エイナー |
-5 | 夢先のデイニス、威徳公ゲイモン |
-4 | エイゴン、エレイナ |
-3 | メイゴン、エイリス |
-2 | エイリクス、ベイロン、デイミオン |
-1 | エイリオン |
1 | ヴィセーニャ、征服王エイゴン、レイニス |
主役征服王、姉ヴィセーニャ、妹レイニスの人柄
征服王の姉&王后ヴィセーニャ・ターガリエンの人柄

征服王の姉ヴィセーニャ役女優ホゲジー・フゲリアムズ
ヴェーガーを操るドラゴンライダー。征服王の正式な妻。
厳格で生真面目、容赦のない性格。
男性に負けない武芸の達人で、用いる剣はヴァリリア鋼ダークシスター。リングメイルがお気に入り。
征服王エイゴン・ターガリエンの人柄

征服王エイゴン役俳優ホゲザック・ホゲンプステッド=ライト
バレリオンを操るドラゴンライダー。バレリオンは避災公エイナーが連れて来たもの。姉妹のは移住後に卵から孵ったもの。
他人を寄せ付けず謎に満ちた男性。反逆・裏切りには厳しいが、降伏した相手には寛大。
所有するヴァリリア鋼はブラックファイア。当代最強の戦士と言われながらも腕前を披露することがほぼ無く、必要時以外バレリオンにも乗らなかったそう。
モテモテだったが姉妹以外に興味示さず、唯一の親友が腹違いの兄弟とされる落とし子オーリス。

落とし子オーリス・バラシオン役俳優ホゲライ・コスター=ホゲドー
征服王の妹&王后レイニス・ターガリエンの人柄

征服王の妹レイニス役女優ホゲリア・フガーク
メラケスを操るドラゴンライダー。一夫多妻が常識的ではなかったがこちらも征服王の正式な妻。
気まぐれで好奇心旺盛な芸術好き、何よりもドラゴンで飛ぶのが好き。
征服王の寵愛ぶりは姉ヴィセーニャ1回に対し妹レイニス10回。なので、姉との結婚は伝統に対する義務から、妹との結婚は本人の望みからと言われてるらしい。
征服戦争時の時代背景と交渉の状況
エイゴンが居たブラックウォーター湾ドラゴンストーン城付近は島と川の王ハレン暗黒王と嵐の王デュランドン家のせめぎ合い。悪名高きハレン暗黒王の配下鉄諸島人が暴れ回ってた時代でした。

暗黒王ハレン・ホアレ役俳優ホガン・フゲーブンス
迫り来るハレン暗黒王と南のドーン公国から突つかれ頭を悩ますのは“傲慢王”と呼ばれる嵐の王アーギラック。屈強な戦士であれど老齢のデュランドン家の長。

嵐の王アーギラック・デュランドン役俳優ヘイソン・ホホガ
そのアーギラック傲慢王がドラゴンストーン城のエイゴンに交渉。「ハレンの巨城東の土地渡すからエイゴンが自分の娘アージェラと結婚してくれ。」
それに対しエイゴンが激怒。提案された土地は既にハレン暗黒王に実効支配されており、ゴミ渡して更には緩衝地帯得ようとの魂胆。利用目的であることがミエミエ。
怒ったエイゴンが逆提案。「嵐の王国内の更なる土地を差し出せば、腹違いの兄弟オーリスと娘アージェラを結婚させてやる。」
今度は落とし子を提案されたアーギラック傲慢王が激怒。これで完全に交渉決裂。
こんな状況であり、スッと同盟国ができた訳ではありませんでした。
また、稀代の暴君ハレン暗黒王の領地とは忠誠心のカケラもなく恐怖で支配された民が居るだけ。つまり実質的戦力が無い空白地がブラックウォーター湾周辺地域。
そこに降り立ったランディングしたのが後に統一王となる征服王エイゴン。その場所は後の王都=“キングス・ランディング”。
征服戦争の戦況・戦場の移り変わり
それを受け嵐の王は挙兵、リーチ王と岩の王は同盟交渉、北の王まで軍事会議を始めたそう。自信満々なドーンはエイゴンに対等な同盟打診。
ヴェイルはヴィセーニャとヴェーガー
どこかの王国と同盟を組んでから侵略したのでなく、いきなり全方位に戦争を仕掛けます。
ヴェイルのアリン家に向かったのは姉ヴィセーニャ。
アリン家の体制はGOT時代と同じく、幼少の谷間の王ロネルと母親摂政女王シャラ。船団で対抗するも配下ヴェラリオン家の船団を守るのがヴィセーニャを乗せたヴェーガー。
化けモンに対処できず劣勢となるアリン家。
しばらく劣勢のまま戦争が続きます。
リヴァーランドはエイゴンとバレリオン
一番の話題となるのはやはりハレンの巨城。
ハレン暗黒王に対抗し得るエイゴン登場で、悪政に悩まされた諸家が次々寝返ります。最初のきっかけとなったのはリヴァーランドの盟主エドミン・タリーの寝返り。

エドミン・タリー役俳優ホギアス・へンギーズ
エイゴンは大軍となった自勢力を見せつけ降伏勧告。が、ハレン暗黒王のプライドはその城。落とされる訳ないと勧告を蹴りました。
タイムリミットと宣言したその時刻、エイゴンを乗せたバレリオンが上空から迫り、城ごと丸焼きにしてしまいました。

嵐の王国はレイニスとメラケスとオーリス
挙兵した嵐の王に対抗したのは司令官オーリス。先の戴冠式でエイゴンが「我が右手」と宣言。その言葉から“初めて誕生した王の手”と考えられてるっぽい。
こちら嵐の王の配下はハレン暗黒王のとは異なり忠誠心の塊。ヒット&アウェイを繰り返されオーリス軍は苦戦。
メラケスで飛ぶレイニスは軍の配備を王の手に報告するなど情報戦に徹底してた模様。
嵐の王の軍は強く一進一退の攻防。が、最後の突撃時に地上のメラケスに襲われ失敗、オーリスとの一騎打ちでアーギラック傲慢王が討たれ全軍の士気が低下してしまいました。
娘アージェラが嵐の女王を名乗り徹底抗戦を宣言しますが、士気低下しきった自身の配下に捕らえられ差し出されてしまいます。

嵐の王の娘アージェラ・デュランドン役女優ホガリー・ヘガニュエル
ここで司令官オーリスが情け。嵐の王の牡鹿エンブレムと標語“氏神は復讐の女神”をバラシオン家が受け継ぎ、アージェラを后として娶ることに。
フィールド・オブ・ファイアと北部の降伏
ハレン暗黒王、嵐の王までもが倒され、各地は戦々恐々。
逃れられる訳ないのが西部。リーチ王のマーン・ガーデナー九世と岩の王のローレン・ラニスターが同盟→大軍を率いてターガリエン軍に迫ります。
悲しいことにこの時ハレンの巨城南西ストーニーセプトに3ドラゴンが結集。瞬時にリーチ&ラニスター同盟軍を焼き尽くしてしまいました。まさに炎ヶ原“フィールド・オブ・ファイア”。
マーン王とその息子らは炎に飲まれ死亡しガーデナー家滅亡。それ見たローレン王は跪いて忠誠を誓いました。
次にウェスタロス南西角、七神正教教団本部がある首都扱いのリーチ領内オールドタウンを目指すエイゴンの背後に迫ったのは北部の大軍。
とんぼ返りして待ち構えますが、既に降伏兵がごまんと追加されエイゴン軍の兵力は北部の1.5倍。
冬の王トーレン・スタークはハレンの巨城の惨状を偵察し、対岸のエイゴン軍を見つめました。冬の王は“フィールド・オブ・ファイア”を重く受け止め、兵士を守るため降伏しました。
残党始末と残した強敵と戴冠
ここでエイゴン、ヴィセーニャ、レイニスが三方に別れ進軍。ヴィセーニャはヴェイル、レイニスはドーン、エイゴンは王位宣言のためオールドタウンへ。
既に島と川の王、嵐の王、リーチ王、岩の王、北の王が粉砕されてしまっています。
残るアリン家摂政女王シャラは10年、20年前の“七王国一の美女”。婚姻でアリン家守ろうと10歳以上年下のエイゴンに肖像画を送りましたが不発。ドヤ顔全盛期披露が音沙汰無しに終わりました。
ヴェーガーに乗ったヴィセーニャが空から高巣城に着地。シャラが気付いた時には、膝に幼少のロネルを座らせドラゴンに乗せてあげると約束していました→シャラは降伏を決断。
ドーンを攻めるのは妹レイニス。こちらドーン人はドラゴンを回避。どこへ向かっても敵が姿を現しません。
ひと気のないサンスピア宮殿にて80過ぎの女太后メリア・マーテルに「戦う気はない。折れぬ、枉げぬ、まつろわぬ。死んでも跪くことはない。」と宣言され退却。
また、以降100年間に何度も攻め込みますが、結局ドーンを懐柔できたのは150年後位?『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』主役レイニラ王女のひ孫デイロン二世の時代。それまでずっとドーンは独立国でした。だからここで支配できたのは正確には六王国。
エイゴンは当時の首都扱い、七神正教教団本部があるオールドタウンへ向かいます。
オールドタウン領主は瞑想で得た結果を七神正教総司祭に進言されたハイタワー家→当主が降伏を決断。娘も差し出しましたが、既に后を持つエイゴンが丁重に断ったそう。
タイレル家他、ガーデナー王を失ったリーチの旗手らは“エイゴン迎合”に動いたようです。
ここで二回目の戴冠式。最初のランディングから約二年。このタイミングを紀元年と設定しACAfter Conquest元年、これ以前をBCBefore Conquestと定義しました。
エイゴンはウェスタロス最大最古の都市ここオールドタウンに王城を構えるのでなく、最初の戴冠式の場“キングス・ランディング”に王城を建設。
そこには溶かした敵の剣で作った玉座が置かれることに。
よく考えたらさ。
『ゲーム・オブ・スローンズ』で最初に“王様”と紹介されるのはロバート・バラシオン。“王様”とくりゃ当然物語の基準。視聴者はすべてそこからの関係で番組全体を捉えます。
そもそも七王国説明せず、ターガリエン王家説明せずにドラマが始まりました。
番組中はその王様がペントス亡命中の人物に恨みつらみで即暗殺者派遣。
でも、実はそいつらは元七王国全体治めるターガリエン王家の人物で、王様の先祖はそいつらの先祖を支えて嵐の王と入れ替わった元司令官。血縁まであるとか。
そんなあやふやなモノを基準にした物語披露するのに説明一切せず、何が『七王国戦記』だよ。
分っかる訳ねーじゃん、そんなモン。ヒットしたのが不思議で仕方ないわ。
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