第1部第3章「失われた科学の指紋」~古代地図作成に必要な数学知識

ポク太郎です。

書いてある内容が理解できない『神々の指紋』の個人的勉強ノート。

本投稿は第1部-第3章「失われた科学の指紋」。


『神々の指紋』第1部「地図のミステリー」~全体あらすじ

第1部の概要・要約・あらすじ

コトの発端は、米海軍中佐→bハプグッド教授への調査結果報告書「1513年に描かれたAピリ・レイスの地図で氷で覆われてたはずの南極大陸海岸線が1949年の地震波測定の結果と一致。」

主張は「Aピリ・レイスの地図だけでなくその時代に描かれた多数の地図は更に古代に書かれた地図を継承したもの。」→南極大陸の氷の状態、測量系の矛盾から忘れられた古代文明が存在と結論。

書籍内の証拠名称、人物名

書籍中の文言が分からなくなるので証拠名称や人物名にA~の通し記号。

神々の指紋』に記載される人物名(証拠名称)
Aピリ・レイス オスマントルコ帝国海軍総督。1513年に地図を描く。南極大陸の海岸線が現在の地図に見事に一致。
Bプトレマイオス AD100年頃を生きた古代ローマの学者。数学・天文学・地理学・地図製作学等に精通し多数の業績。

神々の指紋』に記載される人物名(調査側)
aハンコック グラハム・ハンコック。著者。元「エコノミスト」誌の東アフリカ特派員。
bハプグッド教授 チャールズ・H・ハプグッド。キーン州立大学教授。歴史学者。
cアインシュタイン アルバート・アインシュタイン。ノーベル物理学賞受賞者。

第3章「失われた科学の指紋」

サッパリ分からない書籍なので、まず節構成内容の簡単あらすじ

書き出し部「メルカトルの地図は古い方が正確」

H03-1)メルカトルの地図では1569年のは1538年より南アメリカ大陸西海岸の形状制度が劣っている。古いものは多数の古代地図を参照、新しいものはスペイン探検家の計測に頼ったから。

当時は経度を測定する装置発明前→古代地図は経度測定装置を使ってた。

第1節「経度のミステリー」

18世紀の発明まで人類は正確な経度を計る術がなかった。太陽と星の角度を測るだけでよい緯度と異なり、経度測定は正確な時刻を計るクロノメーターが必要だから。

1714年経度委員会にて、アイザック・ニュートン「そのような時計はまだ製造されてない。」

正確な経度は1776年ジョン・ハリソンのクロノメーター公開まで計れなかった→それ持参したクック船長の3回目航海時の作成地図は正確。

Wikiで調べたクック船長の航海史
1768~1771年 第1回航海。南米経由→ニュージーランド→オーストラリア→インドネシア南→南アフリカ→帰還。
1772~1775年 第2回航海。南アフリカ経由→ニュージーランド→太平洋中央ハワイ諸島付近→南米→南アフリカ→帰還。
1776~1780年 ハリソンのクロノメーター持参】
第3回航海。南アフリカ経由→ニュージーランド→アラスカ→ハワイ★→日本沖→東南アジア→南アフリカ帰還。船長自身は★で死亡。

つまり、18世紀以降のものと同精度で経度が記される地図がそれ以前に存在するのは驚嘆。

第2節「精度の高い装置」

H03-2)正確な経度を表現する1776年以前の地図
1513年 Aピリ・レイスの地図。
1339年 デュルチェルト航海案内書。経度の誤差<0.5度。
1380年 ゼノ地図。北方の広範囲で驚くほど正確。
1531年 オロンテウス・フィナエウス。緯度に対する相対経度が一致。
1487年 ポルトラノ。相対経度<0.5度。

⇒経度測定装置を持ってた古代人が居たはずだ。18世紀のハリソンのクロノメーター発明は人類が古代に獲得した技術の再発明。

第3節「消えた数学者たち」

H03-3)球体である地球を平面図に表現するには三角関数が必要→元になった古代地図作成者は数学知識も持ってた筈。

地図の投影図法にはメルカトル図法、方位図法、平射図法、正距方位図法、ハート形図法があり、正確に表示するにはいづれも数学的知識が必須。

これら数学的知識が必須であることを“マサチューセッツ工科大学教授”ストローン博士に確認。

H03-4)また、1137年に書き移した中国の石柱に描かれた地図の話題→全世界に点在。

その中国のが、どの地域を描いたものかは触れられず。

ここで南米ペルーの伝説の話。

地球の大変動後「暗黒の時代」に海から来て文明を復活させた“あご髭を生やした外来者”ビラコチャによるものなのかと問題提起し、第2部の南米へ旅立ちます。

第3章の感想、疑問点、批判

前章で“古代文明が遺した地図!”と言い切ったので、言いたいことは伝わる章。

P03-1)人類の測定装置製造前に既に正確な地図が存在→その作成技術、および、数学的知識を持った文明だった筈。

ただしその説得部分。

“マサチューセッツ工科大学教授”ストローン博士が高度な数学“三角座標変換法”などと仰々しく書くが、単なる極座標変換では?

高校生の到達レベルではあるが、学問が体系化されてない時代に辿り着くのは確かに高度。

ただ、物理学者cアインシュタインMIT教授を持ち出す辺り、守備範囲外はネームバリューで押し切ろうとする態度が信憑性に欠ける一番の理由。

これで第1部の第1~3章が完了ですが、ちょっと疑問が。

P03-2)aハンコックさんの主張する“古代文明”を否定する場合、これら1776年以前の地図の正確性を説明する学説が既に存在するんですかね?

それとも、

そもそもそれらの経度は正確でないとか。書籍中に明示してないので単なるaハンコックさんの嘘?

ぐちゃぐちゃな第2章を受け、かなり懐疑的に読むようになった第3章。

地図の話=bハプグッド教授の地殻移動説が崩れれば全部崩れるので、以降は単なる古代遺跡の話題として読み進められます。


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