ポク太郎です。
書いてある内容が理解できない『神々の指紋』の個人的勉強ノート。
本投稿は第3部-第21章「世界の終わりを計算するコンピュータ」。
『神々の指紋』第3部「翼ある蛇 中央アメリカ」~全体あらすじ
第3部の概要・要約・あらすじ
中央アメリカへ移り、アステカ文明が崇拝するオルメク・マヤ文明のユカタン半島⇔メキシコシティーを周回。
チチェンイッツア、トレスサポテス、サンロレンソ、ラベンタ、パレンケ、トゥーラ、チョルーラ、モンテ・アルバン、テオティワカンの遺跡巡り中、世界へ知識を伝えた超古代文明の存在をしつこく主張します。
人類滅亡の発想は「時間計測に固執するマヤ人の必死な第五太陽期の終焉計算」から。それ計算してたとの断定はもちろんaハンコックさんの妄想。
登場した遺跡名
書籍内の証拠名称、人物名
書籍中の文言が分からなくなるので証拠名称や人物名にA~の通し記号。
Aピリ・レイス | オスマントルコ帝国海軍総督。1513年に地図を描く。南極大陸の海岸線が現在の地図に見事に一致。 |
Bプトレマイオス | AD100年頃を生きた古代ローマの学者。数学・天文学・地理学・地図製作学等に精通し多数の業績。 |
Cピサロ将軍 | 1513年に到着したスペイン将軍フランシスコ・ピサロ。インカ皇帝アタワルパを約束反故にして殺害し、本国スペインから死刑判決。現在のペルー人も“インカ文明を破壊した元凶”と捉える人物。 |
Dガルシラソ・デ・ラ・ベガ | スペイン貴族とインカ王族の子息で、征服直後16世紀に『インカに関する公式報告書』を執筆した年代記編集者。 |
Eコルテス | 古代メキシコ文明の文化を殲滅したスペイン人征服者エルナン・コルテス。ただし、メキシコ生贄文化に対抗したと受け取られ、Cピサロ将軍のような扱いでなく平和の神にされることも。1,000ペセタ紙幣の肖像。 |
αビラコチャ | 南米ペルー・ボリビアの神話に登場する半神半人。アゴ髭を生やし数々の文明をもたらしたと言われる神。海からやってきて海へ去った“海の泡”。 |
βコリカンチャ神殿 | 純金のシートが敷き詰められ、純金のトウモロコシが栽培されるインカ帝国の首都クスコにあった神殿。 |
γカラササヤ | ティアワナコにある遺跡中の半地下式構造の広場「石が垂直に立つ場所」。北西には太陽の門。 |
δケツァルコアトル | 意味は“翼ある蛇”。メキシコで言い伝えられるαビラコチャによく似た主神。あご髭白い肌。 |
εトナティウ | メキシコマヤ文明で言い伝えられる五代目太陽神。現在はその五代目太陽“期”。 |
aハンコック | グラハム・ハンコック。著者。元「エコノミスト」誌の東アフリカ特派員。 |
bハプグッド教授 | チャールズ・H・ハプグッド。キーン州立大学教授。歴史学者。 |
cアインシュタイン | アルバート・アインシュタイン。ノーベル物理学賞受賞者。 |
dボナンスキー教授 | アーサー・ボナンスキー。ラパス大学教授、ドイツ系ボリビア人。『ティアワナコ アメリカ人の揺りかご』執筆。横道傾斜のズレからティアワナコ建設時期がBC1.5万年と主張。 |
第21章「世界の終わりを計算するコンピュータ」
書き出し部「マヤの伝承中に古代地図製作者の正体?」
マヤ人の高度な知識はδケツァルコアトルが創った「最初の人間」からのものであるとマヤ人は知ってた。最初の人間とは、
- バラム・キツェー=かわいく笑うジャガー
- バラム・アカブ=夜のジャガー
- マクフタフ=高貴な名前
- イキ・バラム=月のジャガー
マヤ伝承の本『ポポル・ヴフ』…「空間的・概念的・知識的に全て見ることができ世界を知り尽くす。神が危惧し、近く・一部しか見えないよう目を曇らせ、“最初の人間”の知恵と知識を奪った。」
学者の見解「これは征服者到来前の伝承を純粋に保つ」。
旧約聖書『創世記』…「アダムとイブが善悪を知る木の実を食べ神に近い存在に→神がエデンの園から追放した。」
aハンコックさん主張「旧約聖書に似てるが直接影響が見られず、同じ出来事を別々に解釈したように見える。」
- エデンの園=至福状態の比喩。“神のような”知識。
- 話題の全知の能力はアダムとイブが得た能力そのもの。
- 最後はその能力を神に奪われた。
ここでaハンコックさんが最初の人間の記述に注目→「あらゆる場所を調べ空の天井の四隅も調べ、地球の丸い表面も調べた。」
航海には星の位置情報が必須なので地図と天文学には密接な関係←第一部での地図の話。プラスしてマヤ社会の偉大な功績とは高度な数学計算による天体観測だった。
H021-1)これらは偶然か?と問題提起。
第1節「場所にそぐわない知識」
中央アメリカ考古学権威J・エリック・トンプソン「マヤ文明は天文とカレンダーのみ高度に発達、他は月並みであまりに不釣り合い。」
- 天体図は描けるのに車輪が無い。
- 持送り積み(張り出した物を支える構法)に固執しアーチ型天井が無い。
- 百万の単位まで計算するのにトウモロコシ一袋の計量方法が無い。
aハンコックさん主張「この矛盾を説明するのがオルメク・マヤ文明に知識を与えた更に古い別の古代文明。」
ユリウス暦 | 1年=365.25日 | 1582年以前の。 |
グレゴリオ暦 | 1年=365.2425日 | 1582年以降の。 |
現在の正確な科学計算 | 1年=365.2422日 | 現在の方法。 |
マヤのカレンダー | 1年=365.2420日 | ←現在の値に最も近い。 |
マヤ人は0の概念、つまり桁の概念を持つ。
J・エリック・トンプソン「古代ギリシャ・ローマは感付いた様子もない。マヤ人は現代人と同じく知ってた。」
→発明のレベルが他の分野とは桁違いで不釣り合い。
第2節「他社の科学?」
マヤ人にとっての金星はδケツァルコアトルと同一視される重要な星。「明けの明星」「宵の明星」であることも知る。
合周期も知り、非常に高精度。合周期とは…地球から見た他の惑星の公転周期。
500年以上の金星の合周期から「ロング・カウント(長期計算法)」…破滅と再創造を繰り返す大周期とマヤ人が信じるマヤ暦の存在。
点と線と貝の象形文字を使い表現。時間の単位は、
キン | 一日 |
ウイナル | 20日 |
トゥン | 360日 |
カトゥン | 20トゥン |
バクトゥン | 20カトゥン |
ピクトゥン | 8000トゥン |
カラブトゥン | 160000トゥン |
J・エリック・トンプソン「グアテマラのキーリグアの石碑には9000万年前の、他の石碑には3憶年前の日付が計算されてたなど果てしない過去を計算。」
欧米ではダーウィンの進化論まで、BC4004年に世界が創造されたとするアッシャー大司教の理論を信じてた。
H021-2)aハンコックさん疑問「マヤ人が何百万年前という数字を扱ってたのは何のため?単なる知的な挑戦のため?大規模な地殻大変動を予測する仕掛けでは?」
第21章の感想、疑問点、批判
言いたいのはドッチ?→「マヤの伝承中の話から古代地図描けたヤツ居た・他発明に比べ時間観念が桁違いだから別の古代文明居た」、または、「計算に執着してるから地殻大変動予測してた」。
P021-1)「第三者」の仮説はもう片付たんじゃなかったのか。まだグダグダやってんのに次のステップへ移ろうとしてる?
仮説立てた後にその根拠をずっと力説し続けたって話進まずに発散するだけだゾ。
根拠出すなら仮説立てる段階でズラッと並べた上で「だからこの仮説を立てるんだ」と宣言してしまわなアカンだろう。何が言いたいのか分からんワ。
…と、読書後のそんないつものイライラをぶつけてみても、それが理解できる人間ならこんなバカな書籍を出版してないよね。
で、“地球の丸い表面”との表現で気になったのが地動説。地球が太陽の周りを回ってると知ってたのかな、マヤ人て。
aハンコックさんの注目なんぞもうどーでもいいのでソッチ調べることに。インターネットで探す程度しか能がない無教養爺ですので当てになりませんが、
●雑学サイトでは「天動説だった」と断定してますが、これは地球と太陽の関係でなく世界の成り立ち・死後の冥界とかの概念的な話。
●メルカリに何か出品され「地動説はすでに常識だった」とありますが、これはいくらなんでも信憑性無さすぎ。
P021-2)そもそも地球とか太陽とかそんな概念が無かったて可能性もあり得るのかな。“太陽とは宇宙空間内の恒星”なんて概念あるはずもなく、昼間光って見えるアレだ、ていう。
金星=δケツァルコアトルとの記述がありましたが、aハンコックさんの言うことなんて当然無視。宇宙空間の概念なんて無い可能性は十分。
「アレが山、アレが滝、アレがコンドル、アレが蛍、アレが太陽」みたいな。
因みに、上記の雑学サイトでは「マヤ人の天文学は農業向けに必要だった」と書いてあります。aハンコックさんみたいに地殻大変動とは言わずに。
ただ、それでもウン億年前の日付計算してるてポイントは確かに意味不明な謎ですが。
ワクワクする中南米の古代文明に期待してんのに、aハンコックさんの低知能論法ばっかりが目につきます。
こんなモンに注目する企画が間違いだったとしか。でも辞めるにやめられないしな、失敗したわ。
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