第3部第23章「太陽と月と死者の道」~ピラミッドの幾何学と円周率π

ポク太郎です。

書いてある内容が理解できない『神々の指紋』の個人的勉強ノート。

本投稿は第3部-第23章「太陽と月と死者の道」。


『神々の指紋』第3部「翼ある蛇 中央アメリカ」~全体あらすじ

第3部の概要・要約・あらすじ

中央アメリカへ移り、アステカ文明が崇拝するオルメク・マヤ文明のユカタン半島⇔メキシコシティーを周回。
チチェンイッツアトレスサポテスサンロレンソラベンタパレンケトゥーラチョルーラモンテ・アルバンテオティワカンの遺跡巡り中、世界へ知識を伝えた超古代文明の存在をしつこく主張します。
人類滅亡の発想は「時間計測に固執するマヤ人の必死な第五太陽期の終焉計算」から。それ計算してたとの断定はもちろんaハンコックさんの妄想。

登場した遺跡名

書籍内の証拠名称、人物名

書籍中の文言が分からなくなるので証拠名称や人物名にA~の通し記号。

神々の指紋』に記載される人物名・証拠名称
Aピリ・レイス オスマントルコ帝国海軍総督。1513年に地図を描く。南極大陸の海岸線が現在の地図に見事に一致。
Bプトレマイオス AD100年頃を生きた古代ローマの学者。数学・天文学・地理学・地図製作学等に精通し多数の業績。
Cピサロ将軍 1513年に到着したスペイン将軍フランシスコ・ピサロ。インカ皇帝アタワルパを約束反故にして殺害し、本国スペインから死刑判決。現在のペルー人も“インカ文明を破壊した元凶”と捉える人物。
Dガルシラソ・デ・ラ・ベガ スペイン貴族とインカ王族の子息で、征服直後16世紀に『インカに関する公式報告書』を執筆した年代記編集者。
Eコルテス 古代メキシコ文明の文化を殲滅したスペイン人征服者エルナン・コルテス。ただし、メキシコ生贄文化に対抗したと受け取られ、Cピサロ将軍のような扱いでなく平和の神にされることも。1,000ペセタ紙幣の肖像。

神々の指紋』に記載される伝説・遺跡名
αビラコチャ 南米ペルー・ボリビアの神話に登場する半神半人。アゴ髭を生やし数々の文明をもたらしたと言われる神。海からやってきて海へ去った“海の泡”。
βコリカンチャ神殿 純金のシートが敷き詰められ、純金のトウモロコシが栽培されるインカ帝国の首都クスコにあった神殿。
γカラササヤ ティアワナコにある遺跡中の半地下式構造の広場「石が垂直に立つ場所」。北西には太陽の門
δケツァルコアトル 意味は“翼ある蛇”。メキシコで言い伝えられるαビラコチャによく似た主神。あご髭白い肌。
εトナティウ メキシコマヤ文明で言い伝えられる五代目太陽神。現在はその五代目太陽“期”。

神々の指紋』に記載される人物名(調査側)
aハンコック グラハム・ハンコック。著者。元「エコノミスト」誌の東アフリカ特派員。
bハプグッド教授 チャールズ・H・ハプグッド。キーン州立大学教授。歴史学者。
cアインシュタイン アルバート・アインシュタイン。ノーベル物理学賞受賞者。
dボナンスキー教授 アーサー・ボナンスキー。ラパス大学教授、ドイツ系ボリビア人。『ティアワナコ アメリカ人の揺りかご』執筆。横道傾斜のズレからティアワナコ建設時期がBC1.5万年と主張。

第23章「太陽と月と死者の道」

サッパリ分からない書籍なので、まず節構成内容の簡単あらすじ

書き出し部「破壊された太陽のピラミッドと雲母」

反響が無かった発見はテオティワカンの雲母。

1906年の太陽のピラミッド調査「上部から大量の雲母のシートでできた厚い層。」→市場価値があり修復者レオポルド・バートレスにより即売却された。

マイカの神殿(太陽のピラミッドの300m南)でも雲母発見。こちらは売却されず現存。でも、話題にならない。雲母のシートは1辺が27mある正方形。

雲母とは…ちょっとキラキラ感のあるこういった石。発見された場所の岩の組成によって金属成分が変化。

近年では電気回路のコンデンサーに使用。絶縁体・耐火物。高速中性子を伝導しないので核反応時の減速材にも。

マイカの神殿の雲母は3200㎞離れたブラジルでしか産出されないもの。地元品を使わずわざわざ遠方のもの使用。

H023-1)aハンコックさん疑問→通常、雲母は床材として使用せず、床下を隠してしまうのは奇怪→何らかの役割があった筈だ。

第1節「消された過去からのメッセージ」

テオティワカン太陽のピラミッドに登った旅行記。

H023-2)5月19日と7月25日は太陽が真上に位置する。この2日の太陽の沈む方位は西面に正確に一致。

H023-3)昼夜の長さが同じになる3月20日、9月22日には完全な直線の影が西面に発生。完全な影完成~消失まで正確に66.6秒

ピラミッド=“永遠の時計”。マヤのように時間計測に没頭した人々がカレンダー修正に使える。また、天文学と測地学に精通した人物が建築。

先ほどの犯罪者バートレスは外壁を取り除いたせいで建物全体が崩壊危機。

以降はバートレス糾弾。

第2節「終わりのない数学」

円周率πの話。その発見は大革命のはず。定説はBC300年にアルキメデス3.14を計算。

H023-4)でも、エジプトギザの大ピラミッド、テオティワカン太陽のピラミッドでもπの使用が認められる設計部分が存在。

ピラミッドの幾何学的な主要要素は、地面~頂上までの高さ(1)、建物地面での外周(2)とすると、

ギザ大ピラミッドの場合、(1)=半径r(2)2πrの関係に。
太陽のピラミッドの場合、(1)=半径r(2)4πrの関係に。勾配が小さいので。あと、バートレスによる破壊前の値使用。

その場合に必要な条件は傾斜52°、傾斜43.5°。簡単なのは直角を2等分した45°の筈なのに。

ここでまたaハンコックさん念押し「文明間のやり取りが無かった大西洋の両側で同じ概念→超古代文明から両者が受け継いだのでは?」

aハンコックさん予想「円周率πを用いる理由は対象物が球体だから。球体=すなわち地球。」

古代の計測技術権威リビオ・カトゥロ・ステッチニ「ピラミッドは北半球を表したもの。頂点は北極点、土台周辺は赤道。ギザ大ピラミッドは北半球の43200分の1スケール。」

第7部でその縮尺の話をすると宣言しております。

第3節「数学的な都市」

月のピラミッドへ到達するまでの旅行記。

太陽のピラミッド西に発見された天然の洞窟内に排水システム。“水”イメージを強めながら妄想中。
城塞の高い壁や水門の話。
死者の道に水溜め地震予測装置の話。
ケツァルコアトルの神殿に波や貝殻模様の装飾。
・アンデスティアワナコアカパナ・ピラミッドも水で囲まれたもの。

北縁の月のピラミッド頂上からテオティワカン全体を見つめ「数学言語のよう。」

aハンコックさん自分で言って自分で何だろうと問いかけた“数学言語”とは…数千年後の別文化の人物でも解読できるもの。

現代人が有史以前と気楽に忘れている時代にこそ驚くべき真実が隠されてるのでは?

第23章の感想、疑問点、批判

円周率3.14159265359を使って、書籍にある数値で計算してみると、

ピラミッドの幾何学計算
高さ(1) 外周 (2)2π x (1) (2)4π x (1) 誤差
ギザ大ピラミッド 146.7m 921.44m 921.743m 30㎝
太陽のピラミッド 71.17m 893.91m 894.349m 44㎝

確かに誤差1m未満。じゃ、どの位ずれたら1mの誤差が発生しちゃうの?と素人ながらに疑問を感じたので許容誤差を計算。

外周は正しいとして高さをずらし、計算結果である(2)がどの位ずれるかを計算します。

ピラミッドの幾何学と許容する誤差範囲
ピラミッドの構造計算:高さと外周は円周または円周の2倍

外周と(2)の計算誤差を1m未満にしようとした場合、許容される高さ違いはギザ大ピラミッドでは31㎝、太陽のピラミッドでは15㎝。

146.81-146.50=0.31[m]、71.21-71.06=0.15[m]。

P023-1)70m超の建造物の許容誤差が30㎝程度なら確かに円周率πを意識してそうな雰囲気。

でも、2πrじゃダメだけど4πrなら上手くいくってその理由は求めないのかね。円周2つ分だから同じだ、で済ます気ですか。6πr8πrの低っいピラミッドがそこら中に見つかるかもよ。

P023-2)ただ注意しないといけないのは「どちらも円周率π意識→だから1つの超古代文明が存在!」とはならない点。

アルキメデスより先に円周率πを意識した人間が居たって言うなら、エジプトアルキメさんとメキシコアルキメさんの2種類が居たとも十分言えるので。

P023-3)例えば、歯車・ネジを発明した人は?と探しても産業革命時に至る所で発明されてんでしょ、多分。ノーベル賞20回位受賞しそうな大発明ですが。

有史以前に驚愕の事実が隠されてるのでは?と主張するaハンコックさん自身が有史以前の世界をちっちゃくちっちゃく狭めてる気がするのはジジイだけでしょうか。

今回の印象は修復人レオポルド・バートレスに激怒してるaハンコックさんてとこ。

メキシコ政府に依頼された修復作業員が太陽のピラミッド表面の材質を勝手に売っぱらったとのことでした。その破壊が16世紀のスペイン人でなく1906年てところがまた残念な。

もうほんの少し後の時代ならそんなん売るより詐欺本の方が儲かるよってaハンコックさんが教えてあげられたのにね。


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