第3部第19章「黄泉の国への冒険、星への旅」~モンテ・アルバン遺跡

ポク太郎です。

書いてある内容が理解できない『神々の指紋』の個人的勉強ノート。

本投稿は第3部-第19章「黄泉の国への冒険、星への旅」。


『神々の指紋』第3部「翼ある蛇 中央アメリカ」~全体あらすじ

第3部の概要・要約・あらすじ

中央アメリカへ移り、アステカ文明が崇拝するオルメク・マヤ文明のユカタン半島⇔メキシコシティーを周回。
チチェンイッツアトレスサポテスサンロレンソラベンタパレンケトゥーラチョルーラモンテ・アルバンテオティワカンの遺跡巡り中、世界へ知識を伝えた超古代文明の存在をしつこく主張します。
人類滅亡の発想は「時間計測に固執するマヤ人の必死な第五太陽期の終焉計算」から。それ計算してたとの断定はもちろんaハンコックさんの妄想。

登場した遺跡名

書籍内の証拠名称、人物名

書籍中の文言が分からなくなるので証拠名称や人物名にA~の通し記号。

神々の指紋』に記載される人物名・証拠名称
Aピリ・レイス オスマントルコ帝国海軍総督。1513年に地図を描く。南極大陸の海岸線が現在の地図に見事に一致。
Bプトレマイオス AD100年頃を生きた古代ローマの学者。数学・天文学・地理学・地図製作学等に精通し多数の業績。
Cピサロ将軍 1513年に到着したスペイン将軍フランシスコ・ピサロ。インカ皇帝アタワルパを約束反故にして殺害し、本国スペインから死刑判決。現在のペルー人も“インカ文明を破壊した元凶”と捉える人物。
Dガルシラソ・デ・ラ・ベガ スペイン貴族とインカ王族の子息で、征服直後16世紀に『インカに関する公式報告書』を執筆した年代記編集者。
Eコルテス 古代メキシコ文明の文化を殲滅したスペイン人征服者エルナン・コルテス。ただし、メキシコ生贄文化に対抗したと受け取られ、Cピサロ将軍のような扱いでなく平和の神にされることも。1,000ペセタ紙幣の肖像。

神々の指紋』に記載される伝説・遺跡名
αビラコチャ 南米ペルー・ボリビアの神話に登場する半神半人。アゴ髭を生やし数々の文明をもたらしたと言われる神。海からやってきて海へ去った“海の泡”。
βコリカンチャ神殿 純金のシートが敷き詰められ、純金のトウモロコシが栽培されるインカ帝国の首都クスコにあった神殿。
γカラササヤ ティアワナコにある遺跡中の半地下式構造の広場「石が垂直に立つ場所」。北西には太陽の門
δケツァルコアトル 意味は“翼ある蛇”。メキシコで言い伝えられるαビラコチャによく似た主神。あご髭白い肌。
εトナティウ メキシコマヤ文明で言い伝えられる五代目太陽神。現在はその五代目太陽“期”。

神々の指紋』に記載される人物名(調査側)
aハンコック グラハム・ハンコック。著者。元「エコノミスト」誌の東アフリカ特派員。
bハプグッド教授 チャールズ・H・ハプグッド。キーン州立大学教授。歴史学者。
cアインシュタイン アルバート・アインシュタイン。ノーベル物理学賞受賞者。
dボナンスキー教授 アーサー・ボナンスキー。ラパス大学教授、ドイツ系ボリビア人。『ティアワナコ アメリカ人の揺りかご』執筆。横道傾斜のズレからティアワナコ建設時期がBC1.5万年と主張。

第19章「黄泉の国への冒険、星への旅」

サッパリ分からない書籍なので、まず節構成内容の簡単あらすじ

書き出し部「“第三者の仮説”振り返り」

前章で持ち出した「第三者」の仮説古代エジプト古代メソポタミアの類似性と相違性の両方を説明するものとして、元となる更なる古代文明からそれぞれ受け継いだとするもの。

でも、“元となる更なる古代文明”については言及無しだが、エジプトメソポタミアの遺留物から推察できる。

もし“元となる更なる古代文明”がメキシコペルーに影響を与えていたとすれば似てる筈だし、相違点もある筈。

H019-1)距離が近く交流があったと予想されるエジプトメソポタミアの相違性は小さい筈だし、遠い中南米の相違性は大きい筈。

第1節「死者を喰う者、地上の怪物、星の王、小人たち」

中東のエジプトメソポタミアメキシコペルー・ボリビアの類似性が列挙されます。

H019-2)エジプトメソポタミアメキシコペルー・ボリビアの類似性
エジプトメソポタミア メキシコペルー・ボリビア
1 小人崇敬概念 小人…神々に近く、舞踊家として芸術作品中に描かれる。理由不明。 オルメク文明も同様。
2 九体の神々 エジプト初期の王朝ヘリオポリス時代、神官らは万能の九体の神々の一団を崇拝。 アステカ人マヤ人は全能の九体の神々を信奉。
3 死後は星に生まれ変わる信仰 古代エジプトの概念。 中南米の概念も同じ。
4 死後の黄泉の国概念 古代エジプト“死者の書”…死者がすべき対処方法を教える書物で、複数の神話生物に生まれ変わり数種のステージへ入り込むための合言葉を記したもの。 古代中央アメリカでは黄泉の世界は九層から成り「山々が衝突する場所」「矢が放たれる場所」「ナイフの山」などなど。
5 墓に描かれる死後の世界観 エジプト王家の谷トトメス三世の墓に犬、鳥、猿。 マヤの墓に描かれた船に乗る犬頭の神、鳥頭の神、猿頭の神。
6 死後の世界の一つ エジプト「審判の広場」←罪の量により心臓の重量が決められ重いと喰われる。 古代中央アメリカの七層目は「野獣が心臓を貪り食う場所」。
7 儀式と言葉 エジプトファラオ死亡時の「口を開ける儀式」。遺体に物理的打撃を与え、黄泉の審判を受けずに済む儀式。 メキシコの大量の生贄は心臓を抜き取るという物理的打撃を受けることで直接天国へ行けるとの信仰。マヤの言葉で生贄=パチ←「口を開ける」意。
8 オアンネス概念 シュメールウアンのこと。魚頭のこれ マヤの言葉でウアンとは「水の中に住みかを持つもの」。
9 英雄伝説 シュメールの女神ティアマット…常に荒れ狂う怪物。大破壊を行い天空の英雄マルドゥックが倒し、女神の遺体で天地創造。半分を天国の天井、残りを地上、乳房は山、眉は雲、目から流れるようにチグリス・ユーフラテス。 シパクトリ=「巨大な地上の怪物」をδケツァルコアトルが倒し、体の半分を空、半分を地上、頭髪と皮膚から草と花、目から井戸と泉、肩から山。

H019-3)aハンコックさん主張「中東メキシコに伝わったのでなく、別の第三者が両者に伝えた。」

H019-4)aハンコックさん主張「これらを両者に伝えた元となる更なる古代文明を表したものがオルメク・ヘッドアンクル・サムとして残されたのでは?」

第2節「モンテ・アルバン-偉大な人々の没落」

モンテ・アルバン遺跡の話。BC1000年と言われる遺跡。

モンテ・アルバンオアハカの南西部にある遺跡。

H019-5)モンテ・アルバン遺跡特徴
1 建造時期 BC1000年頃、つまり3000年前。
2 立地 巨大な丘を人工的に平にした台地の上に建造。オアハカを眼下に見下ろす。
3 建造物 グランド・プラザ…複数のピラミッド・他の建物で囲まれ、それらは幾何学的位置関係を保つ。
4 建造物 グランド・プラザ南西のピラミッドに立てかけられた20~30の彫像・石碑。黒人と白人が共に生活する様、どちらも奴隷には見えない。考古学者見解は捕虜の死体。

H019-6)aハンコックさん主張「捕虜ならなぜインディオがその中に一人も居ない?時代測定=BC1000年もあくまで周囲の有機物からの推測。」

※恐らく黒人、白人が協力して暮らしてたと持って行きたい。なので、死体でなく、彫刻のレベルが落ち力強さが無いと言い張るんだと思います。

第3節「遺産」

モンテ・アルバン遺跡にはまだ判読されてない象形文字が存在。遺跡には天文台。トレスサポテス人と同様、点と線で計算する数学知識。マヤのカレンダーも。

ここでマヤの話持ち出し。

これらの時間に関する関心が太古の失われた文明の遺産だとすると、マヤは最も忠実な相続人。

1950年考古学者エリック・トンプソン「時間はマヤにおける最大の謎。史上類を見ない程“時間”に対する意識が強かった。」

第19章の感想、疑問点、批判

まず、理屈がおかしい。

P019-1)第三者の仮説」は“近いしそのまま伝わるはずなのに似てるけど違う”→だから、別から伝わったものが独自に進化したのでは?

P019-2)エジプトから見てメキシコペルーは遥か遠方←そのまま伝わらない方が自然。つまり、遠方なのに似てるから「中東から伝わった」と判定するのが自然。

第13章で持ち出した『西遊記』と『ドラゴンボール』。似てるけど違うからとどちらも別の古典から引用したと言い張ればアホ扱い。

時代が全然違うから『ドラゴンボール』が真似しただけ、と判定するなら、メキシコエジプトの500~2000年後→遥か遠方に変形して伝わっただけ。これであれば年代測定にも矛盾なし。

aハンコックさんの言い分なんかどうでもいいので、別の素人疑問。

人類発祥の地がコイサンマンの住むカラハリ付近→アフリカのニグロイドがヨーロッパへ広がりコーカソイド。インド辺りも。

P019-3)その後のジャワ原人・北京原人を祖とするモンゴロイドがベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸へ移動したと認識しております。南米大陸先住民はハプログループQ。蒙古斑なんてのも。

aハンコックさんの言う通り、確かに概念的なものも含めて中東と南米は似ております。

P019-4)疑問は、エジプトメソポタミアメキシコのルート中、モンゴロイドに主役変更となりますが、中国黄河インダスの影響って見受けられないんしょうか。

概念や文明の伝達とは一致しませんが、人類の大移動はこんな感じらしい。

人類の大移動

引用:九州大学~モンゴロイドの拡散

イースター島まで到達できるってことはそこから南米大陸へ渡ったヤツも居るのでは。大西洋渡ったヤツとか。それがαビラコチャだったりして。

人間は20年で次の世代が登場と計算すると、100年で5世代、1000年で50世代、10000年で500世代。ベーリング海峡渡るのに1~2万年だから500~1000世代。確かに記憶が薄れる筈の時間経過。

5000年前のエジプトの概念が伝わる=つまり、5000~3500年前の間にベーリング海峡渡ってノコノコ話しに行ったヤツが居たってことに。

それが信じ難いので、aハンコックさんのように現代人並みに移動できるヤツが居たんでは?と考えるのも何となくうなづけますが。

その他、概念・文化は中東→ロシア→シベリア超えて南米に伝わったのかな。中国黄河インダス関ってないなら。

aハンコックさんは常に中東南米の類似点を気にしておりますが、一番重要視してたのはαビラコチャだったはず。

未だにエジプトメソポタミアαビラコチャが登場しませんが、出てくるんですか、海から来て泡と消えた英雄は。


コメント

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