ポク太郎です。
書いてある内容が理解できない『神々の指紋』の個人的勉強ノート。
本投稿は第3部-第17章「オルメクの謎」。
『神々の指紋』第3部「翼ある蛇 中央アメリカ」~全体あらすじ
第3部の概要・要約・あらすじ
中央アメリカへ移り、アステカ文明が崇拝するオルメク・マヤ文明のユカタン半島⇔メキシコシティーを周回。
チチェンイッツア、トレスサポテス、サンロレンソ、ラベンタ、パレンケ、トゥーラ、チョルーラ、モンテ・アルバン、テオティワカンの遺跡巡り中、世界へ知識を伝えた超古代文明の存在をしつこく主張します。
人類滅亡の発想は「時間計測に固執するマヤ人の必死な第五太陽期の終焉計算」から。それ計算してたとの断定はもちろんaハンコックさんの妄想。
登場した遺跡名
第2部 ペルー・ボリビア |
ナスカ周辺 | ナスカの地上絵…ハチドリ・蜘蛛・サル・クジラ・幾何学図形。 |
クスコ周辺 | サクサワマン…石組みで作られた古代城塞。 コリカンチャ神殿…αビラコチャ神殿。 |
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マチュピチュ周辺 | インティフアタナ…“太陽を留める柱”。 ワナピチュ…反対側の山。 |
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ティアワナコ周辺 | αビラコチャ像神殿。 アカパナ・ピラミッド…水路完備。 カラササヤ…南西角に太陽の門。 |
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第3部 メキシコ |
ユカタン半島周辺 | チチェンイッツア遺跡オルメク文明跡…ククルカンの神殿、戦士の神殿、チャコモルの偶像、幼児生贄の祭壇。 コアツェコアルコス…“蛇の聖地”。δケツァルコアトルが立ち去った場所。 サンティエゴ・トゥストラ…ニグロイドらしき頭像設置された公園のある町。 トレスサポテス…後期オルメク文明中心地。マヤ文明より古い石板。アフリカ系黒人の頭像。 サンロレンソの遺跡。特殊な墓。オルメク・ヘッド=ニグロイド特徴の頭像。 ラベンタの遺跡。特殊な墓や円錐形ピラミッド。 |
メキシコシティ―周辺 | テノチティトラン…アステカ帝国首都。 ウィツィロポチトリ神殿…アステカ帝国首都にある神殿。 トゥーラの遺跡…メキシコの神δケツァルコアトルが敗戦した戦場。 チョルーラ…スペイン人征服者Eコルテスが大虐殺を行った神殿。巨大なジッグラトピラミッドトラチウアルテペトルあり。 |
書籍内の証拠名称、人物名
書籍中の文言が分からなくなるので証拠名称や人物名にA~の通し記号。
Aピリ・レイス | オスマントルコ帝国海軍総督。1513年に地図を描く。南極大陸の海岸線が現在の地図に見事に一致。 |
Bプトレマイオス | AD100年頃を生きた古代ローマの学者。数学・天文学・地理学・地図製作学等に精通し多数の業績。 |
Cピサロ将軍 | 1513年に到着したスペイン将軍フランシスコ・ピサロ。インカ皇帝アタワルパを約束反故にして殺害し、本国スペインから死刑判決。現在のペルー人も“インカ文明を破壊した元凶”と捉える人物。 |
Dガルシラソ・デ・ラ・ベガ | スペイン貴族とインカ王族の子息で、征服直後16世紀に『インカに関する公式報告書』を執筆した年代記編集者。 |
Eコルテス | 古代メキシコ文明の文化を殲滅したスペイン人征服者エルナン・コルテス。ただし、メキシコ生贄文化に対抗したと受け取られ、Cピサロ将軍のような扱いでなく平和の神にされることも。1,000ペセタ紙幣の肖像。 |
αビラコチャ | 南米ペルー・ボリビアの神話に登場する半神半人。アゴ髭を生やし数々の文明をもたらしたと言われる神。海からやってきて海へ去った“海の泡”。 |
βコリカンチャ神殿 | 純金のシートが敷き詰められ、純金のトウモロコシが栽培されるインカ帝国の首都クスコにあった神殿。 |
γカラササヤ | ティアワナコにある遺跡中の半地下式構造の広場「石が垂直に立つ場所」。北西には太陽の門。 |
δケツァルコアトル | 意味は“翼ある蛇”。メキシコで言い伝えられるαビラコチャによく似た主神。あご髭白い肌。 |
εトナティウ | メキシコマヤ文明で言い伝えられる五代目太陽神。現在はその五代目太陽“期”。 |
aハンコック | グラハム・ハンコック。著者。元「エコノミスト」誌の東アフリカ特派員。 |
bハプグッド教授 | チャールズ・H・ハプグッド。キーン州立大学教授。歴史学者。 |
cアインシュタイン | アルバート・アインシュタイン。ノーベル物理学賞受賞者。 |
dボナンスキー教授 | アーサー・ボナンスキー。ラパス大学教授、ドイツ系ボリビア人。『ティアワナコ アメリカ人の揺りかご』執筆。横道傾斜のズレからティアワナコ建設時期がBC1.5万年と主張。 |
第17章「オルメクの謎」
書き出し部「オルメク文明の地域と起源」
サンロレンソ到着。
サンロレンソ…δケツァルコアトル伝説の「蛇の聖地」。オルメク最古の遺跡、BC1500年←放射性炭素年代測定法。
→aハンコックさん否定「これは既にオルメク発展後。サンロレンソで発展した証拠なし。」
96㎞離れたトゥストラ山脈の石切り場から20トン超の石を運搬。
H017-1)オルメク文化の発展段階の遺品は一切発見されてない。この頭像とかこの頭像みたいなニグロイド特徴の人物がどこから来たか全く不明。
第1節「サンロレンソ」
オルメク人は全長1220m、高30mの人工の小山建造。
調査した考古学者マイケル・コウ「20以上の人工の水槽。玄武岩製の水路でネットワークとして連結。今現在も豪雨時には奔流となり流れるのを確認。でも目的不明。」
「特殊な配置の墓で“オルメク・ヘッド”も発見。ニグロイド特徴。ヒスイ製楽器、手足が切られた彫像。」
H017-2)→aハンコックさん主張「あくまで、同じ地層の炭を使った年代測定がBC1200年であり、彫像の製造時期とは限らない。何千年も崇拝された後そこに埋まっただけかもしれない。」
第2節「ラベンタ」
目的地ラベンタ。上地図で、コアツェコアルコス東にラ・ベンタ。
マシュー・スターリング「オルメク人はBC1500~BC1100年頃に住み始めBC400年まで定住。その頃町が破壊され頭像や彫像を特殊な墓で埋葬した。」
ラベンタの墓 | ラベンタのピラミッド |
青いタイルで線、多彩な色の土で層。 | 遺跡南端に配置。溝入の円錐、直径60m、高30m、体積8100m2の巨大な記念碑。 |
目的不明な遺跡。オルメクは社会組織、儀式、信仰、言語、人種すべてが不明。
→湿度高く人骨残らない→頭像のモデルはオルメク人かもしれないが、作者はオルメク人でなく、もっと古い知られざる文明の人物かも。
内容は上記。途中、石油産業発展による遺跡の破壊嘆く文章をグダグダ→結局、地元の詩人&歴史家カルロス・ペリセル・カマラの抗議により、ラベンタの遺跡は石油会社から守られた。
また、間に挿絵があり、オルメク・ヘッドとエジプトのスフィンクスの写真を比較→「大元の古代文明があり、エジプトと南米両者に影響与えたのだろうか?」とあります。
1 | スフィンクスの顔 | オルメク・ヘッドの顔 |
2 | 背中合わせのライオン像 | 背中合わせのピューマ像 |
3 | 言葉「口空ける」=「奇妙な葬式」 | 言葉「口空ける」=「人間の生贄」 |
4 | 死んだ王は星になり蘇る。 | ←同左 |
第3節「デウスエクスマキナ(機械仕掛けの神)」
デウスエクスマキナとは浮き彫り“蛇の中の男”…花崗岩製、幅1.2m、高1.5m「頭飾り、手に香袋、羽毛を持つ蛇に囲まれるオルメクの姿。足を前に伸ばして座る男性像。」
引用:『神々の指紋』上巻P134~5間の付図33~ラベンタ遺跡“蛇の中の男”
→aハンコックさん主張「ペダルを踏み、右手に何か、左手にレバー持った機能的なものに見える。“羽毛の蛇”は羽を持つ蛇=δケツァルコアトル。」
⇒機械に見える。操縦してるか何か。
第4節「太古の秘密のささやき」
ラベンタの頭像がエジプトギザのスフィンクスに似てる。周囲6.7m、高2.4m、重19.2トン、1つの玄武岩から彫り出し。間違いなくニグロイド。
ここでaハンコックさん見解が再度繰り返されます。
1 | オルメクの頭像はニグロイドの実在人物の人種的特徴を正確に描写。カリスマ性の強いパワフルアフリカン。 |
2 | 学説=BC1000年はあくまで周囲の炭で年代測定したもので、像自体の製造時期は特定できていない。 |
H017-4)また、ラベンタの彫刻の中にニグロイドだけでなく、高身長、細身、直毛、鼻の長いアゴ髭の白人を見た。
第17章の感想、疑問点、批判
オルメク・ヘッドの唇、つまりニグロイドの特徴として捉えてるのかもですが、女優エミリア・クラークは白人、イギリス人、世界で最も美しい顔百人中第一位。

上記はポク太郎が描いた似顔絵ですが、鼻の頭の上に上唇。こう描く程めくれ上がってるのです。
唇が売りの女優アンジェリーナ・ジョリーだって白人。
また、aハンコックさんは経験ないかもですが、能面などのお面作り。鼻の高さを確保するためには、鼻以外を滅茶苦茶掘り起こさないといけないのです。すごく大変なのです。

P017-2)何故、その労力をすべて克服した前提なんでしょうか。建造物の遺留品が凄いから?それならダビデ像とか、仁王像ほど細部を描写してない理由は?
ここまで精巧なら「これ黒人な訳無い、これ絶対白人」て判断も相応の説得力がありますが、オルメク・ヘッド持ち出して「これ絶対黒人」とかちょと無理が。
P017-3)オルメク・ヘッドはニグロイド・モンゴロイド的とはよく言われるので、確かにそうかねとは受け取るが、それを論理展開の土台にしてどうすんだ。
その他、本文で全く触れない背中合わせのピューマやライオンの写真の注釈でエジプト方面とのこじつけ。
似ても似つかない形状を“戦慄を覚える程一致”と表現するaハンコックさん。論説文を書く能力のある人間だとまず信用を獲得するとこから始めないと。
3回繰り返した「炭素の放射性同位体を用いた時代測定結果はあくまで埋まった時期、製造時期はもっと古いかも」。旅程の順番で書くもんだから話がアッチ・コッチ行って無駄に繰り返し。
そーいうとこしか目に入らなくなってきたな。初っ端からそうだけど。酷い書籍だわ。
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